ハノイリビングの田口です。
今、ベトナムの不動産市場は、毎年繰り出される「マンション、戸建て」の販売供給を下支えする、堅調な購入需要のお陰で、活況を呈しています。
主にマンション販売が好調です。
区分所有のマンションに手が届かないベトナム人は、ハノイから程よく近いコンドテル物件の購入に走っています。
ベトナムハノイの隣町「Phu Tho省Thanh Thuy」5つ星温泉リゾートへの投資価値について
まあ、とにかくベトナム人は都会人も農村人も資産を持ちたい一心で、不動産に真剣に目を向けています。
更に、国内の不動産市場の底上げの為に、越橋を含む外国人にもその購入障壁を撤廃する法律を策定しました。
2015年7月1日施行の改正住宅法(政令第99号/2015/ND-CP)が公布されたことで、ベトナム系(越橋)を含む外国人による住宅購入条件が緩和されましたことは記憶に新しい事かと思います。
ただし、手放しでベトナム人と全く同じ条件で買えるのか、というとそうではなく、次のような条件が付きます。
- 住宅所有期間は50年間(所定の手続きを行えば1回に限り追加で50円間の更新が認められている)
- 集合住宅1棟につき全戸数の30%以下、テラスハウス・戸建て住宅の場合は1街区につき250戸以下の数量制限が付く
- 個人名義なら賃貸に出してもOK、しかし法人名義なら社宅扱いのみOK(法人の営利目的利用は認められていない)
「それでも勢いのあるベトナムの不動産を今から抑えておきたい」
という方の為に、今回の稿では私が日々いただく下記の質問の回答をしながら、外国人によるベトナムの不動産購入について、リスクとメリットをご紹介させていただきます。
- 私達外国人がベトナムで不動産を持つ事に対するリスクやメリットについて
- そしてキャピタルゲインがなぜ発生すると言えるのか、その根拠について
- どれくらいの期間保有するべきなのか(ずっと上がり続けるのか?)
- 土地を購入したいが、できるのか
不動産を持つことに対して、考えておかないといけない注意点としてお聞き下さい。
では、目次からいきます。
マンションが確実に値段が上がる事例(たくさんある中の一部)
次のGoogle Mapをご覧下さい。
ハノイ市内(Cau Giay区)にある2つの分譲マンションをピン表示しています。
これらはいずれもファミリータイプの「中流層向け」のどこにでもあるような普通のマンションです。
両人とも居住用マンション、詰まり自分達家族の住まい用として買っています。
購入時は2,000万円ほどで手に入れています。
家族連れの3ベッドルームなので、そこそこの値段はしますね。
もちろん、購入時はまだ更地の状態での「青田買い」です。
それぞれの「値上がり幅」は、
- 「Ha Do ParkView」は4年経って約600万円の値上がり(年利回り7.5%)
- 「Mandarin Garden」は5年経って約1,000万円の値上がり(年利回り10%)
「Mandarin Garden」はよく値段が上がっている方だと思います。
これは、恐らくですが、マンション管理会社がベトナム企業ではなく、世界的に有名な外資企業が入っているからだと思われます。
次にViet JOの記事でホーチミン市東部の2区、9区、トゥードゥック区の3つの区の不動産価格が、3年で平均+41%上昇したことを伝えています。
購入して3年から5年くらいの間は、もちろん場所にも寄りますが、堅調に値段が上がる傾向があることを示しています。
なぜ大都市の不動産は値上がりするのか
はい、「大都市の不動産」というところが味噌です。
もう少し強調すれば、大都市の不動産しかあがりません。
この根拠は、次の3点です。
- 好調なマクロ経済(2018年、2019年と連続してGDP成長率は中国を抜き7%台を超える)
- 急速な「都市化」の動き
- 人口動態のファンダメンタル(15〜64歳の労働人口が全人口の69.5%を占める)
GDP成長率が好調なのは、労働人口ボーナスが効いているから。
もうこれは誰が見ても分かる関連性かと思います。
大都市、特に「ハノイ、ホーチミンの都市化率の高騰」は、意外とピンとこない要素だと思いますが、ここが実はまだまだ大都市の不動産が上がる重要な根拠になっています。
今のハノイやホーチミンの都市化率は、まだ35%ほどなんです。
世界TOPの都市化率をキープするのは北米・ラテンアメリカで80%超え。
故郷創世事業で市町村に1億円をばらまいた日本でも65%ほどで落ち着いています。
2050年までに新興国の都市化率は63.4%に近づくと国連統計で示されています。
今のハノイ、ホーチミンの交通渋滞などをみて、人口が倍増してしまうとどうなるか。
メトロが開通してバイクの数が減ると言っても、それ以前の問題で、増加していく人口を受け止めるインフラが追いつかないのは目に見えています。
特にハノイに長くいると分かりますが、ハノイはもっと広がっていきます。
周辺の省を飲みこみ、拡張していくと思います。
そうしないと増加人口を受け入れることができなくなるからです。
住まいの供給を促す土地を政府主導で開発していく。
日本の官民がベトナムにスマートシティを開発する契約をベトナム政府と締結しているのも、ベトナムの右肩上がりで増加していく都市化率対策の一環だと思います。
マンションの「売り時」はいつ頃なのか
これはマンションの立地や周りの新規分譲物件の供給ペースにより変わってきますが、ずっと値段が上がっていくとは考えにくいと私は思います。
その理由は、「陳腐化リスク」が出てくるからです。
発売当初のマンションは、その時期で一番最新鋭の設備と工法を使って建てられます。
しかし、時間が経つにつれ、お湯給湯はセントラルヒーティングが当たり前になり、フローリング床には防音性の飛んだ素材が貼られるようになり、消防設備が更に最新鋭になり、地下駐車場の管理設備が更に充実してくる。
どんどん技術の進歩と共に、高度なセキュリティ設備付きで販売物件が出てくる。
古くても便利な市内にあるマンションだから、というだけで値段が下がりにくい状態にはいずれはなるのかと思いますが、しかし値段のピークはもっと手前にやってくる。
そう思います。
築後5年経ったときにピークを迎えたマンションは、10年経っても更に上がっているか?
答えはNoだと思います。
丁度10年前の2010年に竣工したGolden Westlake(ゴールデン ウエストレイク)。
レイクビューが人気で、飛ぶように売れました。
80㎡台の2ベッドルームで、2,000万円前後かと思います。
当時鳴り物入りで登場したマンションも、今は排水の悪さ、湿気による腐食が進み、賃貸先に選ばれるお客様もほぼいません。
ここを買ったオーナーは、丁度5年経った頃に売った時は、購入金額の1.5倍で売れたと言ってました。
しかし、今まで持っていたオーナーは、果たしていくらで売り抜けるでしょうか?
周りに建つ「Vinhomes Metropolis」や「Sun Grand City Thuy Khue Residence」といった、目が覚めるような「良い物件」の2ベッドルームで、2,500万円前後かと思います。
10年落ちの老朽マンションが、買った時と同じ金額で売れるとはとても思えません。
10年一昔。
詰まり「土地も付かないハコを買うだけのマンション」は、10年も持つべきではないと私は思います。
土地付き一戸建て(Villa)を持つ意義について
当社のベトナム人スタッフに、
「VinGroupのマンション、お金があれば欲しいと思うかい?」
と聞くと、
「お金があれば、土地付きの一戸建てを買う」
マンションなど買わないと言います。
その理由は、
「値段(価値)が下がるから」
はっきりと言います。
これは、日本に長く留学し、日本の会社で仕事をし、ベトナムに帰ってきた日本語ペラペラのできるベトナム人富裕層の方に聞いても、全く同じ答えが返ってきます。
更に彼らは、
「VinGroupのマンションなど買わないよ」
とバッサリと切り捨てるように言います。
その理由を聞くと、
「あの仕様で高すぎる。向こう何年かの値上がり分まで価格に載せられている」
冒頭でご紹介した2つの値上がりマンションは、もちろんVinGroupではありません。
しかし、準大手のマンションデベロッパーの開発案件です。
また、このマンションを4、5年前に買った2人のオーナーに「そろそろ売るのか?」と聞くと、
「いや、住まいとして買っているのでまだ売る気はない。子供の通学も便利だしね」
つまり、彼らは他でビジネスをやっていて、購入価格(2,000万円)の1.5倍だの1.3倍だの、そんなお金よりももっと大きな利益を狙っているんです。
もっと大きな不動産の土地取引などもやっていて、億レベルの利益のやり取りをしています。
利益が出ることは分かっているけど、せっついた利食いの売却など、面倒臭いというんです。
こんなベトナム人が、私の周りにたくさんいます。
そして、彼らが口を揃えていうのは、
「次は土地付き一戸建てが欲しい」
ここです。
圧倒的な人気は、土地付き一戸建て(Villa)なんです。
その理由は簡単です。
「土地は腐らない、裏切らない、値下がりしない」
からです。
当たり前ですね。ここは日本と同じ発想です。
「でも、ベトナムの土地付き戸建てって、外国人でも買えるの?」
と言う疑問もよく聞きますが、答えは「買えます」。
これはマンションも同じですが、外国人でも購入できる物件はベトナムが指定して決まっているんです。
その指定物件であれば買えます。
しかし、マンションに比べると・・・高いですね。
都心に近い良いところだと、優に億円は超えます。
ちょっと郊外だと一気に下がり、5,000万円や6,000万円くらいでも手に入ります。
「なぜ大都市の不動産は値上がりするのか」の説明でも触れましたが、ベトナムの大都市の不動産を取り巻く環境は、しばらくの間はフォローの風が吹いています。
マンションと違い戸建て(Villa)は、鉄筋コンクリートのハコではなく「土地」を買うわけです。
土地は経済発展と共に、着実に上がって行きます。
コロナもいち早く脱却し、経済活動も元に戻りつつあります。
まずます人口流入が進みます。
先ず有名大学がハノイやホーチミンに固まっているわけですから、親の学資ローンの世話になり、地方の子供達がどんどん入ってきます。
卒業してそのまま就職をし、所帯を持ちます。
今は、大都市にそのまま住み、夫婦共働きは当たり前。
職を得て必死で働き、家族を養い、そして親に学資ローンを働いて返していきます。
このながれが延々続きます。
そしてハノイやホーチミンに外資企業の誘致が進みます。
都市に優秀な労働人口が必要です。
だから都市化率を上げないといけないんです。
これはベトナム政府の政策でもあります。
ハノイ、ホーチミンで、ベトナム人富裕層向けの建売住宅販売をやりませんか。
土地はいくらでもご紹介できます。
5戸ほどのミニ開発から、まとまった数十戸単位の開発土地でもOKです。
日本で培った技術を持って、ベトナムに杭を打ちませんか。
お力になれるかと思います。
お問合せお待ちしております。
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