社内スタッフによる「コンプライアンス違反」を日系企業が断ち切る為の取組について

コンプライアンス違反の取組(各ステークホルダーに漏れなくサインをいただく)

コンプライアンス違反の取組(各ステークホルダーに漏れなくサインをいただく)



ハノイリビングの田口です。

先日、ご紹介させていただいた「コンプライアンス違反を静かに仕掛けてくるベトナムローカルの不動産屋について」という記事をご紹介しました。
そこで書かせていただいたのは、

我々と同業者のベトナムローカルの不動産仲介業者が、大手日系企業の総務へ赴き、日本人の下で働くベトナム人マネージャーに「アンダーマネー」のからくりを囁く。
「日本からの新規赴任者のお部屋探しを全て当社に回してくれれば、見返りに定率のキャッシュバックを約束するよ」

これに同調しないベトナム人スタッフもいるかと思います。
しかし、大体は罪悪感もなく手を握ることになります。

そこから何年もの間、会社の経費の横領が続きます。

・・・今回の話は短いのですが、内容は重たいので、せめて使わせていただく写真はベトナムの綺麗な写真で。
内容とは合いませんが、胸の悪くなる話に「一服の清涼剤」を差し入れるつもりで進めていきたいと思います。

夏の太陽を浴びて、輝く緑とむせ返るような湿度

夏の太陽を浴びて、輝く緑とむせ返るような湿度



大手を狙うのは、日本人スタッフの人数が多いからです。
1回成功すると、あとは判で付いたように同じことの繰り返しですので簡単な訳です。
人数が多いので、帰任者が出る機会も多く、同様に入れ替わりで新規赴任してくる数もまた多い。
良いカモに見えるのでしょう。

ベトナム赴任直前の大手企業のお客様から時々お問い合わせをいただくのですが、後で「既に提携している業者さんがいるようで・・・いやすみません」こんな結果になることが多いんです。
「ちなみにどちらに頼まれているんですか」と聞くと、聞いたこともないような、横文字のベトナムローカル会社です。

「なんでこれだけの大手様が、ベトナムローカルの不動産仲介業者なんかを使うんだろう?」

意味が分からなかったのですが、ここに来てようやくそのからくりが見えてきました。
もう既に忍び込まれている可能性が非常に高い、ということです。

まさしく問題発覚した総務部を任されている日本人マネージャーの気分はこんな感じでしょう

まさしく問題発覚した総務部を任されている日本人マネージャーの気分はこんな感じでしょう



もちろん、担当者の転属もありますが、そういうときはしっかりと自分の右腕に「集金システム」が引き継がれていきます。
まるで中をのぞくことが決して許されない「開かずの間」の鍵を、歴代のベトナム人マネージャーが「申し送り事項」と共にその管理責任を受け継いでいくような。
間違っても上司の日本人には漏れ伝わってきません。

最近、この憂き目にあった会社経営者によくお目にかかります。
皆さんから現状をお聞きして分かってきた「共通項」があります。

  • 先ず主犯格のベトナム人マネージャーは、上司の日本人から絶大なる信頼を勝ち取る優秀な人材であること
  • 総務部内での「集金活動」に参加しているスタッフは、必ず主犯格の周りに複数人いること
  • この「集金活動」のからくりは、外部のローカル不動産仲介業者と結託しながら、長年脈々と引き継がれていること
  • 「集金活動」の実態が明らかになるきっかけは、往々にして内部告発であること

先日、当社のお客様で、1,000人ほどの社員を束ねる会社の社長様からお電話をいただきました。

「ちょっと御相談したいことがありますので、会社に寄らせてください」

何のことだろうとお待ちしてお話をお伺いすると、

「いやー、お恥ずかしい話なんですが、私が信頼を寄せていた男性ベトナム人スタッフが横領を働きましてね。内部の告発で分かったんですよ」

この方の場合は不動産仲介ではなく、仕入業務での「集金活動」だったようです。
「とても優秀な人材で、本当に勿体ないことなのですが、示しが付かないので・・・心を鬼にして解雇しました」、というんです。
今まで何度も聞いてきた要素が、綺麗に集約されているようなお話でした。

1日の疲れを忘れさせてくれる輝く夕日「出口は必ずあります」

1日の疲れを忘れさせてくれる輝く夕日「出口は必ずあります」



この社長様が、頭を下げて私の目の前にそーっと出された書類が、冒頭にアップした「コンプライアンス強化の取組について」という文書です。

「今回を機に、コンプライアンスの強化に取り組むことにしました。申し訳ないのですがサインをいただけないでしょうか」

これが目的だったんですね。
内容を読ませて頂くと、

  • 当社から業務上の何らかの見返りを求めるために、金銭の提供や社会的儀礼の範囲を超えた接待・贈り物等の供与は行わないこと
  • 当社の立場を利用して、コミッションの支払い等の不合理な要求や義務を課すことはしないこと
  • 当社は法令に定める範囲を超えて景品や金品を相手先から受領したり、社会的儀礼の範囲を超えた金品や接待を受領することはないこと

という原則を述べた後に、この取り決めを違反した取引先とは取引を停止すること。
また、もしも弊社の社員が方針に違反し、御社にコミッション等の提供を要求したような場合には、速やかに直接責任者である私に一報いただきますようにお願い申し上げます。

そう結ばれています。
そして、責任者のメールアドレスが書かれています。

スカッと晴れ渡るKim Maの街並み

スカッと晴れ渡るKim Maの街並み



あまり厳しい内容にすることはできませんね。
真面目にお付き合いしている取引先の方が多いわけですから、「罰金規定」などを謳うと、どうでしょうか・・・
こういう内容からのスタートかと思います。

この書類を、悪さを働くローカル不動産仲介業者にしれーっと持って行き、サインを求める。
もちろんサインをするでしょう。

しかし、社内内部のマネージャクラスの優秀なスタッフと結託している訳ですから、表に出てくることは難しいですね。

ただし・・・

何十年も引き継がれることはありません。
私の知る限り、最長で10年間というのがありました。
しかしその会社様も、ある方の赴任がきっかけで発覚することになります。

必ずほころびが出てくるんです。
内部告発や間違い電話などを含め、何かの拍子で突然分かる日が来るんです。
相手もミスをするということです。

その時に、今回の社長様のような「コンプライアンス違反に立ち向かう姿勢」をもった経営者であれば、手は打てます。
それには「人事粛正の敢行」が伴うこともあるでしょう。
そうでない場合は、闇に葬られるだけで、「社内集金活動」は続きます。

「優秀な人材を切らないといけなくなることが、何より辛い」

皆さん一様にこう言われます。
しかし、最初に誰が仕掛けたんでしょうか?
長年働いてきて、一番社内業務に精通しているスタッフを「標的」にしたのはどこの誰でしょうか?

赴任者の住まいを利用した「集金活動」であれば、間違い無くローカルの不動産仲介業者です。
なぜなら、予算が2,000$の会社の日本人が住むアパートを、1,600$くらいで見つけてきて、オーナーを抱き込んで2,000$の天ぷら契約書を作成しなければ成り立たないからです。
差額の400$ほどが「集金対象」です。
これは帰任されるまで毎月続きます。

この「集金活動」を支える為に、アパートオーナーを手懐け、決して本当のことを聞かれても言わないよう抑えないといけません。
これは、間に不動産仲介業者が入らないとできません。

ずっとなかよしの兄弟のような関係を、ベトナム人スタッフと構築していきたい

ずっとなかよしの兄弟のような関係を、ベトナム人スタッフと構築していきたい



先ずは一歩前進です。
決して「決定打」ではないですが、会社の姿勢を内外に示すことは大事かと思います。

「コンプライアンス遵守」の考えが定着していないこのベトナムで、コンプライアンスを無視したやり方で利益を取る会社や「国」があります。
これほどの高層ビルをバカバカ建てることができる裏で、どれだけのコンプライアンス違反をもみ消しているのでしょうか。

郷に入れば郷に従え

これは前向きにその国の文化を理解して経営に繋げていくという意味です。
決して社内の優秀なマネージャークラスを巻き込んで、悪意でやる「集金活動」に片目をつぶると言う意味ではありません。

立ち向かって頂きたいと切に願います。

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田口 庸生

田口 庸生 の紹介

初めまして、「ハノイリビング」営業担当の田口(たぐち)です。 日本より初めてベトナムのハノイに着任された日本の皆様、 愛するご家族を日本に残し、初めての「海外単身赴任」をこれから経験される皆様、 快適なハノイでの生活を満喫していただくために、皆様の「お住まい探し」から「入居後のサポート」まで一貫した「窓口対応」を請け負います。 「ベストマッチ」を合い言葉に・・・ どうぞお気軽にお問い合わせください。 お待ちしております。
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