この写真は、今売り出し中の新人「深田君」の机の上。
付箋作戦で漏れ防止・・・
「風の吹き込みには気をつけてね」
・・・さて、今日は吹けば飛ぶ付箋では絶対対処できない、難しくも貴重なレポートのご紹介です。
よくこんな話をお聞きします。
「日本の上司にハノイの賃料が東南アジアでも高いということを分からせたいんですが・・・
何か良い方法がありませんか?」
そうです、ハノイは高いんです。
タイのバンコクからハノイに赴任された方が、120㎡の3ベッドルーム、2.600ドルのアパートにご入居されました。
その方曰く、
「同じ金額ならタイで200㎡の部屋にメイド付きで住めますよ」
また、アメリカのニューヨークから赴任された方曰く、
「あんたね、この家賃ならマンハッタンのど真ん中に住めるよ。なんでだね?」
私達がつり上げているのでも何でもありません。
今、それだけベトナムが世界から注目されているということ、不動産バブルが過ぎた後の高値状態が続いていることも原因としてあるかと思います。
ハノイは一応そんなベトナムの首都ですので・・・高くなっているんですね。
ただ、そういうことを予算を決める総務担当者にくどくどと説明しても埒があきません。
必要なのは、プロがお金を掛けて調査した信頼できる「客観データー」です。
それがあるんです。
プロの調査会社が算出したハノイの基準家賃レポートが。
お金が掛かりますが、入手可能です。
先日あるお客様から教えていただきました。
「私達の会社は、このMercer Japan(マーサージャパン)社の世界生計費レポートの基準家賃を予算額にしているんです」
そのMercer Japan(マーサージャパン)株式会社とは、世界40カ国以上、約180都市において組織人事、福利厚生、退職金・年金、資産運用分野で25,000社以上のクライアントにサービスを提供するグローバル・コンサルティング・ファーム。
アメリカの本社を置く大会社です。
詳しいことは、上記のリンクからホームページをご参照いただければ良いかと思います。
要は、経験豊かなプロフェッショナルや大手多国籍企業人事経験者が集まり、赴任先の政府が発表する物価指標や為替・インフレ率の変動などを計算し、海外赴任者の生活実態に合った生計費情報を取りまとめているんですね。
そして、このレポートの中に、住宅費情報(Expatriate Accommodation Costs)という指標があります。
これが、海外派遣者(外国人)の平均的な住宅費を、一軒家・アパート別、家具付き・家具なし別、広さ別、地域別で算出してくれています。
お客様が知りたい都市ごとに選択してレポートをGetすることが可能なんです。
お客様が持たれていたのは、ベトナムハノイのレポートです。
2011年3月に出されたレポートで、最新のレポートではありませんが、いただきましたので皆様にご紹介いたします。
まずHouses(一戸建て)タイプとApartments(アパート)タイプに分かれます。
そしてそれぞれにFurnished(家具付き)とUnfurnished(家具無し)に分かれます。
そしてランクがあります(Table1からTable3)。
- Table1 : Good level of accommodation in areas(まあまあ良い部類)
- Table2 : Excellent level of accommodation in areas(かなり良い部類)
- Table3 : Superior level of accommodation in areas(最高級の部類)
すごくざっくりな訳で大変恐縮ですが・・・
見ていただくのは最初のTable1(Good level of accommodation in areas)だけで良いかと思います。
その大会社のお客様もTable1にある家賃を予算上限として探しておられました。
皆さん通常はハノイで「家具付きアパート」を契約される方がほとんどですので、それでいくと・・・
- 1ベッドルーム(50㎡から70㎡):1.800ドル
- 2ベッドルーム(80㎡から120㎡):2.700ドル
- 3ベッドルーム(120㎡から160㎡):3.200ドル
となります。
ちなみにそのお客様は3ベッドルームをご希望でしたので、御予算は3.200ドルです。
ただ、「赴任中に家賃として支払う上限額」ですので、家賃が物価スライドで上がることを考慮に入れて、ぎりぎり3.200ドルではなく数百ドルは下回った額で探されていました。
上記のMercer(マーサー)社の算出家賃と比較して、ではハノイの最高級サービスアパート「Fraser Suites(フレーザースイート)」の家賃をご紹介しますと・・・
- 1ベッドルーム(55㎡、70㎡):2.700ドル
- 2ベッドルーム(105㎡):4.000ドル
- 3ベッドルーム Deluxe(125㎡):4.300ドル
- 3ベッドルーム Executive(156㎡):4.800ドル
Mercer(マーサー)社の基準の遥か上を行く家賃?
と思いますが・・・ただ、家賃にインクルードされているサービスが、
- 税金
- 管理費
- ハウスキーピング料(日曜祝日を除いて毎日の室内清掃、毎日のリネン交換、ベッドシーツ・枕カバー、布団カバーの交換は週2日※洗濯は付きません)
- コンチネンタルビュッフェスタイルの朝食(日曜日・祝日以外毎日)
- インターネット(Wifi)使用料
- ガス使用料(セントラル供給の為、常にお湯が出ます)
- 電気料金(1ドル/㎡:125㎡であれば、125ドル分が家賃にインクルードされます)
- 日本チャンネル(NHK プレミアム)視聴料
- フィットネスジム使用料(24時間オープン)
- プール、スチームサウナ使用料
- フロント、コンシェルジュ、メンテナンス及びセキュリティーの24時間対応サービス
- ビジネス地区およびショッピング地区への無料シャトルバスサービス
ですので、これらのサービスを差し引くと、少し高いくらいかもしれません。
この指標はMercer(マーサー)社の説明では、各国の都市が持つインフラや生活水準のレベル、通貨基準を考慮に入れた上で会社が負担するに妥当な家賃額を表しているとのこと。
まあ、私が思うにこの家賃額なら、
「ハノイで結構な大手企業の赴任者様がご家族で住まれているアパート家賃」
だと言えます。
これくらいの予算で家を決めていただくと、まず赴任者様の生活を安心して守ってくれるサービスとセキュリティは確保されると思います。
御予算1.000ドル以内で探されている会社の担当者さんには申し訳ない額ですが(笑)。
あくまでもこれは指標です。
ただ、大手企業様はこの家賃で実際にハノイで住まわれています。
大手企業様以外の場合、この家賃額を基準にして「何割引きとする」とルールを決める手もあります。
いずれにせよ、何らかの「タタキ台」が無いと、赴任者の為の「アパート家賃経費」をはじき出すのは困難です。
「当社の親会社はここなんですけど・・・その社員が住んでいそうなアパートってどれくらいの家賃なんですか?
そこを超える訳にはいかないんで・・」
という質問も結構お聞きします。
そんな方には、今回ご紹介するMercer(マーサー)社のレポートが答えてくれますね。
この「世界生計費レポート(COST OF LIVING)」は年に2回、春季版と秋季版として発行されます。
手に入れるにはお金が掛かります。
価格表を付けておきます。
ご参考ください。
※Mercer(マーサー)社のホームページ「世界生計費レポート(COST OF LIVING)」のページにある「申し込み書PDFファイル」から抜粋させていただきました。
新人「深田君」が横でお客様メールを勢いよく打っています。
まさに真剣そのもの・・・
その鼻息で付箋が飛び散ってしまわないか心配です(笑)
「深田君、パソコンの付箋ソフト使う方が便利だとおもうよ」
◆少しでも皆様のお役に立てれば嬉しいです。
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