ハノイリビングの田口です。
ベトナム航空(Vietnam Airline)の日本語機内誌「HERITAGE(ヘリテイジ)」の不動産業界特集に掲載していただきました。
当社「ハノイリビング」以外に、スターツベトナムさん、ドラゴンハウジングさんの3社での共同掲載です。
掲載号が出てからすぐに数人のお客様からアポイントの依頼メールが届きました。
凄いですね、皆さん結構ご覧になられているようです。
ベトナムの特にハノイについての賃値事情のお話をさせていただきました。
ハノイの過密地帯以外、周辺エリアで大規模な住宅開発が進んでいます。
主にベトナム人富裕層をターゲットにした分譲マンションですね。
「コンドミニアム」と呼ばれている高級志向のレジデンスです。
Vincom Mega Mall Royal CityやVincom Mega Mall Timis Cityなどもその一つです。
ちょっと辺鄙な場所になりますが、大規模開発にし、店舗や病院、学校などを平行して誘致する「スケールメリット作戦」で魅力的な物件に仕立て上げてしまう。
かなりの資金力がないと進められないやり方ですが、しかし確実に分譲価格は下がっています。
となると賃貸物件として出てくるアパート家賃も勿論下がります。
大規模開発物件以外でも、新築された小規模サービスアパートの家賃も、比較的抑えられた額で出て来ています。
じわじわとハノイの賃貸家賃額は下げの傾向にあります。
とはいえ、私に言わせれば高すぎるんです、ハノイの家賃は。
もっと下がらないといけません。
私以上にエースHongはそう考えています。
彼女のベトナム人オーナーに対する家賃交渉は、凄まじくタフです。
日本人のバジェットが高いが故に、会社として出せる家賃額の目一杯を上限とした「お部屋探し」をすることになるので、下げ止まりに拍車が掛かっているという側面もあるんです。
皆さん、もし家賃負担が自腹になれば、確実に今の半分以下のアパートへ引っ越しを考えることになるはずです。
我々日本人の海外での住宅事情は、世界の国々の中でも大変恵まれた部類に入ります。
まあしかし・・・
そんなことは日本のヘッドオフィスが考えるべき事で、ベトナムに赴任してきている私達日本人がやきもきしても始まりません。
今日は日曜日ですので、気軽に書かせていただきます。
最近ベトナムの不動産絡みの記事をよく見かけます。
不動産投資についての記事です。
ベトナムの不動産を買う
投資買いですね、皆さんどう思われますか?
おそらく10人聞けば8人くらいは、
「ちょっとこわいかな」
そんな反応が返ってくるかと思います。
要するにベトナム国内の不動産を買うということは、日本円を初めとする外貨をベトナムドンに替えると言うことです。
「ベトナムドン」が将来的にどうか
という判断をしなければならないということです。
なぜベトナム国内の不動産を買う話をさせていただいたかと言いますと、外国人がベトナム国内の不動産を購入するに当たり、その垣根が低くなってきたからです。
規制緩和ですね。
2014年11月26日のVIETJOの記事で以下の内容で紹介されています。
私達外国人がベトナム国内の不動産を購入できる機会が広がってきたことを意味します。
規制緩和をする目的は、なんと言っても冷え込んだ不動産市場のテコ入れです。
外資の資金、あるいは越僑(在外ベトナム人)の資金力頼りの政策ですが、かといって莫大な資金力にモノを言わせた1部の国(個人)に買い占めをさせない配慮も伺わせる内容になっています。
この記事を簡単にまとめてみます。
ただもちろんお金にモノを言わせた特定の国による「まとめ買い」を防止する為に、厳しい規制があります。
- 国防・安全保障に関わる地域を除く商業住宅案件のみが対象であること
- 所有期間を50年に制限していること
- 購入・所有できる割合を制限していること
購入・所有制限とは例えば、
- 集合住宅1棟に付き全戸数の30%以下
- テラスハウス・戸建て住宅の場合は1街区につき250戸以下
というような内容です。
つまり一棟まとめた買い付けや、大規模開発された住宅をそのまま全て買い占めるなどという購入の仕方ができないということです。
ベトナムで住宅を所有できる外国の組織・個人には、
- 国内法に従って住宅案件に投資する組織・個人
- 外資系企業や外国企業の駐在員事務所など
- 入国を許可された個人
が含まれます。
なお、ベトナム人と結婚している外国人には、ベトナム人と同等の権利が与えられます。
私のお客様で現地法人の社長様がおられますが、その会社は赴任者用の社宅としてINDOCHINA PLAZA HANOI(インドシナプラザハノイ)の1部屋を購入されています。
私の周りでも、ちらほらと日本から進出されたベトナム現地法人名義でこのような不動産購入のお話を耳にするようになってきました。
ベトナム人の女性と結婚した日本人男性が、奥様名義で不動産を購入する話はよく聞きます。
ベトナムで事を起こすに、手っ取り早いのはベトナム人と結婚すること、これに優る方策はありません。
投資目的というより、純粋に居住用資産として、または商業目的としてベトナムの不動産を手に入れるケースの方が今は多いかと思います。
買った不動産を売った場合、当たり前ですがベトナムドンで戻されます。
しかしベトナムドンを国外送金するには・・・
銀行に行ってもドルに替えてはくれません。
しかるべきところに行き、手数料を支払いドルに換金する必要があります。
そして1回につき「現金5.000ドルあるいは同額相当外貨」までの範囲でしか国外にハンドキャリーできません。
外貨準備が慢性的に不足しているベトナム政府ですので、ドルを国外へ持ち出させないように、あの手この手の規制を掛けているようです。
話は若干飛躍しますが、カンボジアでは普通にドルを持ち込みドルのまま投資や預金などができます。
まあ、カンボジア通貨「リエル」が余りに信用されていませんので仕方がない処置ですが。
しかしカンボジアの預金金利は、
ドル建ての1年物の定期預金で6%の金利が付く
驚くことに、カンボジアはドルを自由に持ち込み、ドルを銀行に預け、そのドル預金に高金利が付き、そのドルを引き出しあるいは国外送金が自由に出来る国です。
定期預金金利が6%台・・・
一時期の日本のバブル期の預金と同じ状況です。
国に対する「ソブリンリスク」はもちろん自己責任で投資しなければなりませんが、カンボジアに赴任している我々と同じ立場の方からすれば、どっちにせよ預金口座は作らないといけませんので、リスクに対するハードルは低いかと思います。
外資としての会社設立もベトナムでは考えられないくらい簡単にできますし、繰り返しますが国外へのドル送金は自由に行えます。
カンボジアはベトナムと真逆の金融政策で、完全な「すきま狙い」で外資を呼びこもうとしています。
話をベトナムに戻します。
ベトナムドンはアメリカドルに対して下落が続いています。
ここ数年は安定していますが。
しかしこれは輸出強化の為に政府がベトナムドン安を操作維持しているからだと言われています。
どこまで続けられるかという怖さもあります。
では、私共が日頃接する機会のあるベトナム人富裕者層の中核に君臨するアパートオーナーさん達は、手元資金を何に使おうとしているのかです。
外目で見ていると、たくさんのコンドミニアムを買われています。
「Vincom Mega Mall Timis City」のような分譲マンションを何戸も買います。
しかし、私は思うのですが・・・
彼らはベトナムのコンドミニアムを投資目的で買っていないのではないかと思うんです。
自分の子供、親類が将来住めるように、あくまでも鉄筋コンクリートの長持ちしそうなマンションを今から買っているだけではないかと思います。
どこかの時点で家賃収入が出資総額に到達する時がやってきます。
その後の収入は利益です。
その利益の一部を年金替わりにもらい、残りは大切な親族に渡すという考え方。
つまり大半はあくまでも「居住用」としての投資で、あまり大きな利益など見込んでいないように感じます。
以前も書きましたが、ベトナムは資産に税金が掛かりません。
「相続税」や「贈与税」がありません。
資産の多くを占める「土地」は共産国なので完全な「所有権」ではなく「長期使用権」となります。
そういう社会の「仕組み」があるので、資産税を掛けにくいんだと思います。
2.000万円ほどする新築マンションを5つも6つも即金で買うベトナム人オーナー達。
家長制度が未だ色濃く残るベトナム人社会です。
将来の子供たちを含む同族達の「備え」として、持てる者が必要な住居を今買っているだけではないでしょうか。
ではそういう資産家達にとって「投資」と考えるものは何なのか。
私が今までいろんなベトナム人の資産家オーナーから聞いた彼らの投資先の一例をご紹介します。
- シンガポールやハワイのコンドミニアムへの投資
- 国内で高級サービスアパートを運営するための投資
- ベトナム国内で「安全な学校給食」を供給する会社への投資
- 海外の大学へ留学しなくてもMBAを取得できる為に、外国の大学機関をベトナム国内に誘致する運動への投資
わかりますか。
投資目的で買うなら、海外の確かな不動産を買います。
日本のオフィスビルもその一つです。
また、不動産経営に長けたオーナーは、自分でサービスアパートを建てて経営に入ります。
あとは、今のベトナムに絶対必要な「食の安全確保」と「教育」に投資をします。
必要なものだとわかりきっていて、充実していない分野は「投資対象」になります。
私達外国人がベトナムに投資を考える場合、その基準として絶対目を離してはいけないのは、
ベトナム人富裕層の投資先
だと思います。
彼らの判断に、間違いは無いはずです。
もとより判断を間違う人は、資産家にはなっていないからです。
「にわか金持ち」と「筋金入りの資産家」の違いは、投資行為を見ればわかります。
お金を出すだけで終わる投資は「にわか金持ち」の専売特許。
「筋金入りの資産家」は出資金を元に事業を興し、事業を大きくして以降継続的に利益を確保しようとします。
私達外国人が見ても、その違いは肌で感じれるほど分かります。
ただ、ベトナム人ではない我々が、ベトナム人のように自由に決めた分野に投資ができるかと言われると、外資故に難しいと思います。
目鼻の聞く資産家のベトナム人と共同経営をする意欲と交渉術が必要になってきます。
頭に浮かぶことを、そのままつらつらと書かせていただきました。
あまりまとまっておりません。
「これからのベトナムはどうでしょう?何をすれば儲かりますか?」
よくこんな質問をされます。
私も何がいいのか、しっかりとした根拠を持って具体的な話が、なかなかできません。
しかし、繰り返しになりますが、
自国の将来を真剣に考える子供を持つベトナム人富裕層が、国外資産への投資と同時に、ベトナム国内の何にお金を回そうとするのか。
そのビジネスに私達外国人がどう絡むことができるのか。
この2点がまずは基本ラインだと思います。
・・・あかん、HIGHLANDS COFFEEの椅子、木なのでお尻が痛くなってきました。
ガキんちょがほたえ始めてきました。
もう限界です。
そろそろ撤収します。
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