今回は、閑話休題です。
お部屋の修理に欠かせないのがワーカーさんです。
「電気がきれた」
「水が漏れた」
お客様からのリクエストがあれば、すぐに派遣します。
先日、バスルームの照明が枠ごと外れてしまったお宅でのお話です。
この日は、私もワーカーさんと、このお部屋に同行していました。
電気が外れてしまったのは、天井裏にあるタンクの固定がゆるくなり、転がって照明を押し出してしまったからのようです。
照明が天井から、ぶらりと下がっていました。
天井の一部を開けてみると、案の定タンクがバスルームに落ちんばかりに迫っていました。
「それならタンクを寄せて、照明を付け直せばいいだろう」
誰しもそう思います。
ただ、タンクには30Lもの水が入っています。
頭上の天井裏にあるものなので、1人で自由に動かすのは困難です。
そこでワーカーさん、仲間を呼んできました。
えっちらおっちらやって来たのは、ちょっと体格のいいお兄さん。
彼がはしごに駆け上り、両手で30Lのタンクを支えました。
まるで米俵を持ち上げる力自慢のようなお姿でした。
そうすること20分。
もう1人のやせたワーカーさんは、解決法を模索しているような感じではありましたが、なんだか時間が無駄そうだったので、他に気になっていた部分の点検も10分程度やらせました。
その間タンクを支え続けていてくれた力自慢のワーカーさん、すみません。
結局彼らの結論は、タンクが重すぎるのでいったん水を抜き、タンクを移動して照明を付け直そうというものでした。
水抜き作業スタートです。
30Lの水がバスルームに流れだす光景も、なかなかの迫力です。
その間、スパナやドライバーで何やら回したり、ひねったり。
「さすが職人だな」
もの珍しさに、まじまじ見つめていました。
しかし、です。
「バタン!ガチャ!」
やせたワーカーさんが、いきなりドアを閉めました。
そして施錠。
しめ出されました。
別にさぼっているのを見張るといったような、嫌味で見ていたわけではないのです。
子どもが珍しいものに集まってくるような・・・そんな無邪気(?)な気持ちでしたが、彼らにとっては邪魔以外の何者でもなかった様子です。
お客様と一緒に唖然。
この日同行していた、ベトナム人スタッフのThuyくんも、中に声をかけましたが、頑固なもので絶対に開けません。
仕方なしに待つことにしました。
「ガタガタ」
「ゴトゴト」
音だけ聞いて、作業の進行具合を予想しつつ、待ちました。
まるで出産の結果をドアの前でまつ、お父さんのような緊張感。
しかしそんなのんびりした妄想をしているうちに、お客様の外出時間が迫ってきました。
最初から「この時間には出ます」とのお話はいただいていました。
その時は1時間以上あったので余裕でいましたが、修理が長引いて、結局差し迫った時間になってきたのです。
時間までに終わって欲しいのですが、進行状況が見えないので、まったく予測できません。
ドアの向こうに耳を傾けると、大きな音がしなくなったので、なんとなく終わってきたような気はしましたが・・・。
でも一向にドアは開かないし、お客様の時間が・・・!
緊張が最高潮に達して、お客様も外出すると仰っていた時間になったその時。
「バタン」
ドアが開き、ワーカーさん2人がドヤ顔で出てきました。
あまりのタイミングの良さに、一同また唖然。
しかし見ると、天井も照明も、きれいに元通りです。
「たいしたもんだよ」
関心しつつ、2人を送り出しました。
結果でものを言うワーカーさん。
無表情、無愛想で、ちょっとこわい印象もありますが、そこは職人気質と軽く受け流していただくと、気が楽になるかもしれませんね。
さてその後、お湯が出るかチェックすることにしました。
「・・・あれ、出ない」。
水は出るのにお湯は出ません。
タンクに水がたまっていないから、そうなんだろうと思い、少し待ってはみましたが・・・。
・・・でも出ません。
結局、再度ワーカーさんを呼び、今度こそすべて修理をしてもらいました。
こんな失敗もたまにありますが、日々がんばってくれている、ベトナムのワーカーさんです。
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