ベトナムに初めて来た人が、先ず普通に疑問に思うことがあります。
私も同じように不思議に思ったことで、未だになぜだかよく分からない疑問です。
街中をタクシーに乗って眺めていると、道端でイスに座り、お茶を飲みながらたばこを吸ったり、ベトナムの将棋?のようなものに興じている男性達をよく見かけます。
お昼休みの時間とは関係無く、どの時間帯でも見かける風景なのですが、
「この男性達は一体なにをしているんだろう?」
不思議に道端でベラベラしゃべっている女性は全くと言って良いほど、見かけません。
ぼけーっとしているのは、大概男性です。
真っ昼間から、数人でベラベラと話をして時間を潰している・・・そんな感じ。
逆に女性は、仕事を通じてよくお会いする機会があります。
特に我々のようなアパートの調査や、お客様のご案内などをする業者とすれば、行く先々できちっとしたアテンドをしてくれる担当者は、ほとんど女性です。
格式の高い高級レジデンスのアテンド担当者になると、全員流暢な英語を駆使して、お客様に直接アパートの紹介をしてくれます。
舌を巻くような上手な英語です。
たまに男性が担当者として出てくるときが有りますが、あまり熱心な紹介はしてくれません。
あくびしながら側で立っているような人ばかりです。
もちろん、真剣に仕事をしているベトナム人男性はたくさんいます。
しかし、総じてビジネスシーンで見かけるぱりっとしたWorkerは、圧倒的に女性の方が多いと思います。
これは、どの日本人に聞いても、みなさん一様に同じ意見を言われます。
どうしてなんでしょうか?
今まで、いろんな方に私も質問してきました。
しかし、これといった確信の持てる説明をなかなか得ることができません。
「男らしさ」というwikipedia(ウィキペディア)のフィリピンの説明を見ると、こう書いています。
「フィリピンでは、男は仕事をしないで日中からのんきに遊んで、妻に働かせて、妻からおこづかいを貰うものだとされ、それが男らしい、いかにも男だ、とされる。
東南アジアの多くの国では、女性が勤勉な一方男性はあまり積極的に働かない傾向があり、中南米や東アフリカなどにも同様な傾向は見られる。」
東南アジアや中国も、ここに書かれている傾向がある・・・
今までこの説明を私は受けてきました。
「そんなもんなのかな・・」
と思っていました。
東南アジアで一様にそんな「ずぼらな」男性文化が未だに浸透しているとはどうしても思えません。
いずれは淘汰されて、消えていくものだと思うのですが・・・
ホーチミンと比べると、これは私の主観ですが、ハノイの方が「ずぼらな度合い」が高いような気がします。
ハノイの方が、そんな男性を見かける機会はホーチミンより多いように思います。
先日、ベトナム国籍の男性と話をする機会がありました。
その方はご両親はベトナム人らしいのですが、日本に長年仕事で住んでいたので、日本で育った経緯があり日本語も日本人以上にぺらぺらです。
ベトナムに対する疑問を、日本語のできるベトナム人から聞く事のできる機会は、そう滅多にはありません。
ローカルの鳥肉レストランでビールを飲みながら、尋ねてみました。
すると、しばらくうつむいて思案したあと、こう答えてくれました。
「女性の方が男性に比べて娯楽が少ないことが影響しているんだと思います。
例えば家族総出で料理を作る場合、男性ももちろん手伝うんですが、すぐにお酒を飲んだりたばこを吸ったりして手を止めておしゃべりに花が咲くんですね。
結局女性が全てこなす。
女性はお酒も飲みませんし、たばこも大嫌いです。
だから男性が手を止めておしゃべりして楽しむ代わりに、仕事を通じてできる仲間と仕事をしながらおしゃべりする機会が増えてきます。
女性は仕事を通じてつながった仲間と接して会話をすることが、唯一の楽しみになってくるんですね。
男性に比べて女性の娯楽が極端に少ないことが、女性を仕事に向かわしめ、結果的に勤勉になっていったのではないでしょうか」
非常に分かり易い解説です(笑)
結局、先のwikipedia(ウィキペディア)の「東南アジア特有の文化」を紐解けば、こういう説明になるということでしょうか。
今のベトナムでは女性の娯楽もかなり増えてきています。
iPhoneを持ち、facebookやLINEに興じる若い女性達。
この「文化」も急速に崩れていくような気がします。
東南アジアの共通の文化・・・
と一言で片付けてしまう説明よりも、娯楽の少ない農村の風景を考えると、仕事をしながら手を休めない女性達の働きぶりが目に浮かんできそうです。
この生活習慣が定着していったのでしょうね。
何か、とても腑に落ちた説明を聞けたので、そのままご紹介させていただきました。
皆さんどうお考えですか?
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いつも楽しく拝見しております。
勤勉な女性!怠け者の男性・・・
非常に良く分かりました。
でも、日本人には理解できませんね??
男ですが、ベトナム(ハノイ)でもしっかり働くつもりです。
ape124さん
コメント有り難うございます。
そうですね、我々日本人には・・・
遊んでいると、嫁に愛想尽かされてしまいますからね(笑)
「中国文化と同じだよ」とか、
「長男が大事にされる家督制度がまだ色濃く残っているからだ」とか、
どれもこれも良く意味の分からない説明を聞いてきましたが、今のところ、今回ご紹介した理由が一番しっくり来ています。
本当にその通りだとおもうんですね。
ベトナムの女性が特別働き者というわけではなく、ベトナムの男性が極端にのんきなだけだと言う気もします。
働く人と、働かない人と、完全に2極化しているように思います。
ベトナムは共産主義ですが、全くそんな気がしません。
働くのが嫌いな人は街の靴磨きをして生計を立てる、
将来を見越して人生設計をしっかり立てている人は、外資系の企業でキャリアを積む。
どんどん所得格差が広がってきているように思います。
ただ、外資系の大企業に働ける人はごく一握りです。
まず大学卒の資格を取るのに、ベトナムではかなりお金がかかります。
一握りの大卒の若者から、しかし大学卒だけでは今は入社できず、大卒の一部の人だけが希望の仕事に就けるだけです。
あとは、工場の単純労働者としての仕事の道があります。
しかし、そういう枠にはまった時間を縛られる仕事を嫌がる人達がどうするかというと・・・
街で靴磨きをしたり、道端でベラベラしゃべっているしかなくなってくるんですね。
ほとんどの人は地方出身者ですから、田舎に帰れば両親は農業をやっています。
食べることには困らないんですね。
最後の逃げ帰るところがかろうじて残されているんですね。
男性は勤勉さが足りないのでしょうか。
また働ける口が少ないのでしょうか。
ベトナムの場合、両方ではないかと思います。