ハノイリビングの田口です。
今日は「いぶし銀佐々木さん」に負けずにグルメレポートをさせていただきます。
私は余程「美味い!」と感じたもの以外、書けない性分です。
もともと食へのこだわりがあまりなく、毎日ネギ一杯の納豆と味噌汁とご飯があればなんとかやり過ごすことができるくらいです。
「美味いものを美味い」と感じる味覚は、そんなにズレてはいないという自信はあります。
ただ、歳も40を超え50の大台が迫ってくると、脂っこいものやスパイシーなものに抵抗を感じてしまうようになります。
「食後のスッキリ感」
ギトギトの油ものを食べた後には絶対無理ですね。
しばらく水や柑橘系のジュースを飲まないと気持ち悪くなるような、そんな食事を端から選ばなくなってきます。
さて、グルメレポートを書く予定は全くありませんでした。
しかし、思わず書いてしまっています(笑)。
ひっくり返りそうになるくらい美味しい料理に巡り逢えたからです。
そのお店の名前は、restaurant-bar「PePe La Poule」。
目的は散髪でした。
いろいろ訳あって、今まで通っていた散髪屋さん(美容室)を変えることにしました。
いろんな人からの口利きで、ベトナムハノイの若くカリスマ美容師、Hair Salon(ヘアサロン)「nine9」が、良心的な料金でしっかり整えてもらえる噂を聞き、一度試してみたかったんです。
ハノイで2番目に若いイケメンのヘアスタイリスト「九谷(くたに)さん」がハサミを取るお店だとのこと。
そして今回、そのヘアサロン「nine9」へ行った際に、同時に巡り逢えたレストランをご紹介させていただきます。
同時も何も、同じ建物の中で双方営業されています。
- 1階から4階と屋上席が、restaurant-bar「PePe La Poule」
- 5階が、design hair「nine9」
早速行ってきました。
場所をお知らせしておきます。
Fraser Suitesの前を走るXuan Dieu通りからタイ湖の中心部へ切れ込む半島の先にあります。
丁度イタリア人オーナーが経営するイタリアレストランDa Paolo Westlakeの直ぐ近くです。
ベトナム人富裕層の数よりも西洋人がたくさん住んでいるエリアです。
直ぐ近くのビアホイ(ビアホール)には結構金髪の西洋人が混じっています。
綺麗なレストランの受付ホールを通り過ぎ、エレベーターで5階へ。
九谷さんが待ち構えてくれていました。
私の頭のビフォーアフターをお見せできないのが残念ですが、満足のいく髪型なりました。
九谷さんのカットを見ていると、左右対称に絶対切っていないんですね。
髪の毛の生え際から向き、立ち方全てを見て切り方を変えているんです。
ちょうど良い感じの髪型が、長く続きそうな感じ(スタッフの失笑が聞こえてきそうです…)。
ハノイに初めてやってきた3年前。
ローカルの散髪屋さんで「クシとバリカン」だけでカットしてもらっていた当時と比べると、隔世の感があります。
最後に精算。
前の美容室に比べて65%くらいの料金。
カッティングのテクニックを考えるともっと取れるレベルだと思います。
九谷さん、次回もお願いします。
- 【Hair Salonのお店の名前】nine9
- 【住所】No27 ngo 50/23 Dang Thai Mai Str,Tay Ho Dist,Hanoi
- 【連絡先】
・093-454-5031
・(mobile)094-738-2590 - 【Owner】九谷(くたに)さん
- 【休み】月曜日
- 【営業時間 】直接聞いてみて下さい。
髪の毛を洗ってもらいながら、じっと考えていたのは、
「下で何を食べようか」
です。
九谷さんからある程度下のレストランの特徴を教えてもらっています。
オーナーシェフのMasudaさんは中華の達人です。
もう一人の日本人が担当されているのはイタリアンです。
Masudaさんは自分達の店を、
「modern Chinese-Tapas-Pasta」。
こう打ち出しています。
つまり、創作中華にパスタ、そして趣向を凝らした一品モノがメニューリストに踊っている感じです。
私としては中華と言えば「餃子」です。
どうしても美味しい餃子が食べたい。
ハノイに来て3年、この餃子探しの旅はまだ続いております。
ハノイで水餃子はよく見かけますが、焼き餃子は意外と無いんですね。
従って日本人が仕切っているお店でないと、焼き餃子は食べられないということになります。
「餃子は絶対注文しよう、あと生野菜の盛り合わせも。こういう店は美味しいはず。そしてあともう一品、何がいいだろう・・・」
もう真剣です。
シャンプー中、目をつぶってぐるぐる頭を回転させていました。
ビールが飲みたかったので、ご飯モノはパスです。
あくまでもビールに合う料理です。
最後の一品はオーナーシェフのMasudaさんに聞いてから判断しよう、そう決心しました。
さっぱりした髪の毛をなでながら1階まで降りてきた私は、そのままカウンター奥に陣取り、サッポロ生ビールを注文しました。 私の姿を見つけてか、粋なキャップをかぶったオーナーシェフのMasudaさんが私のオーダーを取りに来てくれました。
私:「餃子とシェフのお勧めサラダ以外に、もう一品ビールに合う中華を食べたいんですけど」
Masudaシェフ:「ああ・・・そう、じゃあ麻婆豆腐でもどうですか」
あまり聞いたことのないメニューだと比べられないので、できればオーソドックスで定番の中華メニューを食べたかった私にとって、まさにぴったりの選択です。
野菜サラダ、餃子、麻婆豆腐、たったこの3品。
ちょっとコテコテなのが気になりましたが、こう言う時は昔から好きで食べ慣れ親しんで来たメニューで比べてみたいという気持ちもありましたので、良しとすることにします。
あとは大好きな生ビールを楽しむ。
ふと周りを見ると、最初からいた日本人のお客さんの他に、ちらほらと西洋人のカップルや4~5人の団体客が席についていました。
1階だけしか分からないのですが、2階3階にも数組お客さんがいるみたいです。
結構な席数が用意されているレストランです。
ビールを飲み始めてすぐ、野菜サラダが来ました。
メニュー名が「Today’s Salada(今日のサラダ)」。
ということは仕入野菜に合わせて、内容が変わるということですね。
日本人がやることですから、新鮮な野菜を選別しているんだろうと、容易に想像が付きます。
しゃきしゃき感が気持ちの良い野菜でした。
この「PePe La Poule」には野菜のもう一つの食べ方があります。
Masudaシェフが厳選した新鮮な野菜の調理法を私たちお客側で自由に選べるサービスです。
厳選野菜を「蒸す」「炒める」「ボイル」「揚げる」「焼く」の中から1種類の調理法を選択させてもらえるんですね。
旬な野菜の美味しさを逃さず、調味料ほどほどに素材の味を直接味わえる「蒸した野菜」を是非食べてみたい・・・
オーダーを出した後、改めてメニュー表を眺めていて気が付いたサービスです。
こういうメニューを載せているということは、素材に自信のある野菜の仕入ルートを掴んでいるんだろうなと思います。
「蒸し野菜、次回必ず食べてみよう」
そう思いました。
「Today’s Salada(今日のサラダ)」を丁度食べ終わったタイミングで、次に出てきたのが・・・餃子です。
さて、期待が高まる瞬間です。
みっしりと具が詰まった、ちょっと大きめの餃子です。
ビールで口の中のサラダドレッシングを飲み清め、半分パクつきました。
「ああ、濃厚な味・・・」
餃子のタレと一緒に出てきたチリっぽい粉末(なんて言うのか分かりません)をタレに多めに混ぜて、残り半分たっぷりタレに浸した後、一気に頬張りました。
熱さを目を閉じて堪えながら、しかし何度もかみしめ、味を反芻してみました。
「美味い・・・確かに美味い」
なんというか、油ぎっていないんです。
以外と餃子なのに、あっさり味なんです。
しかし決して「あっさりだから頼りない」ことは無いんです。
とてもジューシーです。
「このあっさり感を保ちながら、なおかつ濃厚な味の餃子って・・・何?」
一つが大きいので、4つでも充分食べ応えがあります。
私の頭の中で、ハノイの餃子勢力地図が大きく塗り替えられた瞬間です。
もう一皿行きたい衝動に駆られました。
餃子を一気に食べ終わると、すかさず前にいた女性店員が、
「ビールもう一杯いかがですか」
上手な日本語で勧めてきます。
お代わりのビールを待ちながら、ふと気がつきました。
「この店、注文した料理を出す順番とタイミングを計っている」
誰が見ているのかわかりませんが、確かに矢継ぎ早に料理が運ばれてきません。
ここがハノイホテルの中華レストランなら、先に麻婆豆腐が来た後に野菜サラダが来る・・・
こんなの普通にありますが、さすがにここはそれがありません。
やっぱり日本人がオーナーシェフの店は、こういう気遣いが違います。
嬉しいですね。
そして、計ったようにお代わりのビールに続いて「麻婆豆腐」が運ばれてきました。
麻婆豆腐は私の大好物の一つです。
運んできた女性ホールスタッフが、
「ご飯も少々いかがですか?」
目の前に美味そうな麻婆豆腐を差し出されて、アツアツのご飯と言われると、そりゃ断れません。
さすが・・・参りました。
小さなお椀に湯気の上がったご飯(日本米)も直ぐに届き、いよいよ麻婆豆腐をいただきます。
息を吹きかけ冷ましてから、口に入れてみると、
「・・・・・・」
ほんのりと山椒の香りが口から鼻に上がって来ます。
・・・今まで食べたことの無い味です。
なんと表現したら良いか分かりません。
熱いので小さな取り皿にレンゲで移し、一気に黙々と味を確かめるように搔き込みました。
スパイシーな感じに見えますが、そんなに辛くはありません。
おこちゃま舌の私でも食べることができるレベルです。
すみません。
グルメレポートが下手ですので、この麻婆豆腐の旨さを表現する言葉が思いつきません。
ただ、はっきりと言えるのは、
「今まで食べたどんな麻婆豆腐より一番美味い」
ということです。
山椒の味が絶妙で、しかも食べ終わった後のスッキリ感。
お腹にもたれない不思議なあっさり感。
さっきの餃子といい、この脂っこい料理の代表格である「麻婆豆腐」といい、
「濃厚な味だけど食後はあっさり感で締めくくれる」
これは一体何なのだろう?
麻婆豆腐の写真を一目見て、料理のまわりに浮いている濃いオレンジ色の油がなんともいえない油臭さをイメージされるかと思います。
しかし違います、違うんです。
全く油の重たい感じがしないんです。
一気食いして腕組みしている私の側に、またオーナーシェフのMasudaさんがニヤッと笑いながら近づいて来ました。
これまた絶妙なタイミングです。
私は正直に質問してみました。
するとMasudaさんは笑いながら、
「うち独自のハンドメイドのオリーブオイルを使って仕上げているんです」
ああやっぱり。
なんかそんなことがあるんだろうと思いました(笑)。
普通のオイルじゃとても出せないあっさり感です。
私はオリーブオイルのことはあまり詳しくありませんが、中華だけではなくいろんな料理に精通しているMasudaさんだからこそ出せる味なんだろうと感心してしまいました。
餃子だけでも充分な収穫でしたが、更に極めつけの「本気麻婆豆腐」を知ることができたこと。
久方ぶりに日本食を食べて感動させていただきました。
何度も食べたことのある定番料理。
その自分が思っている「味」を根底からひっくり返された時の衝撃。
「美味しく食せて幸せになれる」
今晩、散髪目的でたまたま立ち寄った九谷さんのHair Salon「nine9」から、幸せな気分に浸ることのできる料理に遭遇することができました。
私は完璧に「九谷さん、Masudaさんコンビ」の作戦にハマってしまったお客のようです(笑)。
「しかしよくぞハメていただきました」
こちらから感謝したいくらいです。
イケメンになれて、おまけに美味しい思いができたわけですので(すみません)。
Masudaさんのお店の概要です。
- 【お店の名前】restaurant-bar「PePe La Poule」
- 【住所】No27 ngo 50/23 Dang Thai Mai Str,Tay Ho Dist,Hanoi
- 【連絡先】04 6291 2641
- 【Owner&Chef】Masudaさん
- 【休み】火曜日
- 【営業時間 】
・11.30AM to 2PM
・5PM To 10.30PM - 【URL】http://www.pepelapoule.com/
今夜食べたお会計額です。
正々堂々と料金を載せておきます。
- 今日のサラダ(生の野菜サラダ):88.000VND(約440円)
- Dumplings(餃子):66.000VND(約330円)
- Very Spicy Tofu(本気麻婆豆腐):128.000VND(約640円)
- サッポロ生ビール(2杯):80.000VND(約400円)
- Other Food:10.000VND(約50円)
締めて409.200VND(約2.000円)。
それなりの料金です。
しかし値打ちのある2.000円だと思いました。
すぐ近くには、あの有名なイタリアンレストランDa Paolo Westlakeがあります。
そしてMasudaオーナーシェフが仕切る今回の「PePe La Poule」も堂々とパスタメニューもあります。
「中華」と「パスタ」がメインで、その周りをシェフこだわりの一品料理で固めている感じ。
特にパスタは「Da Paolo Westlake」と真っ向勝負を挑んでいるように見えます。
今回は中華で通しましたが、次回パスタも食べてみたいと思います。
おそらく今日の「餃子」と「麻婆豆腐」の絶品ぶりを経験すると、食べなくても「美味いだろう」と簡単に想像できてしまう程の「安定感」が嬉しいレストランです。
私の解説が大げさだと思われる方。
一度確かめに足を運んでみてください。
「百聞は一食にしかず」
ここはお勧めです。
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