ハノイリビングの佐々木です。
ベトナム人の知り合いのお子さんが1歳になりました。
これに合わせて誕生パーティをやるとのことで、招待されました。
ベトナムでは、子どもの1歳の誕生日を盛大に祝うそうです。
伝統的な祝い方というのがあるかもしれませんが、今回はカフェで親しい仲間内だけでのラフなパーティが行われました。
カフェの名前が、「Chuon Chuon Quan」です。
ちなみに「Chuon Chuon」というのは、ベトナム語でトンボという意味です。
このカフェは、Hoi Vuという、カフェが集まる旧市街地内の小さな通りにあります。
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この日は夕飯時を過ぎた夜に行きました。
静かな通りに、キラキラ光るお店がぽっかり浮かんでいます。
店の入り口を入ると、洋館が建っていました。
建物入り口前にあるレンガ敷きの庭に、テーブルとソファ、椅子が並べてあります。
これらの外の席で、お酒やお茶、食べ物を楽しんでいる人たちがいました。
短い階段を上って、建物内に入ります。
この階段の踊り場に、ちょっと気難しい顔をした、やせたおじさんが座っていました。
このおじさんの正体は、後で説明します。
建物の中は30席くらいと小さく、照明を落とした心地良い空間になっています。
オーナーが写真好きなの人なんでしょうか。
壁には、風景から人物、花まで様々な写真の額が飾られていました。
コルクボードには、お客さんが貼り付けていった写真やメッセージもあります。
メニューを見ると、ワインやジュース、コーヒーなど、とくに飲み物が豊富でした。
今回頼んだのは、「ムーンライト」というコーヒーと、アボカドスムージーです。
調子に乗って、2つも頼みました。
アボカドスムージー、聞いただけでちょっと油っぽそうです。
アボカドの青っぽい味を想像してしまいます。
でも飲んでみたら、それほどでもありませんでした。
とういか、アボカドの味がしません。
どろっとしていて、甘くて、どちらかというとカスタードクリームを飲んでいるようでした。
どうしてこの味になるのか、よく分かりません。
ベトナム人が大好きな練乳を入れたのかもしれません。
「ムーンライト」は、濃いベトナムコーヒーの上にバニラアイスと生クリームが入った飲み物でした。
ベトナムコーヒーは苦いですが、バニラと生クリームの甘さで中和されます。
気になったのは、
「なぜこれがムーンライト?」
ということです。
暗闇(コーヒー)の中で、月(アイスクリームや生クリーム)が白く光っているからでしょうか。
などと、1人考えていたら、どこからともなくバイオリンの音が・・・。
ギターの音も聞こえてきます。
なにやら、音楽を演奏しようとしているようです。
音出し、音合わせをしているのかもしれません。
まだ音楽らしい音楽にはなっていません。
興味津々で音の方に行ってみたら、さっき階段の踊り場で気難しい顔で座っていたおじさんが、バイオリンを弾いていました。
そう、このおじさんはバイオリンの演奏者だったんです。
それにしても、
「強弱つけすぎ」
と突っ込みを入れたくなるほど、音が急に大きくなったり、小さくなったりしています。
「まぁ、これは調音してるだけだから・・・」
と自分に言い聞かせ、そのまま聞いていたら、始まりました、演奏が。
曲名は分かりませんが、クラシックのようなゆったりした曲で、なかなか雰囲気が良いです。
これがまた、そんなに上手ではありません(笑)。
音楽のことはよく分かりませんが、そんな私が聞いても、決して上手とは言えないレベルです。
音が波打っているというか、なんというか・・・。
でも、生演奏っていいもんです。
音に迫力があります。
そして、この上手とは言えない演奏も、聴いていると「味わい」になってくるから不思議なもんです。
ひっそりしたお店の雰囲気にはよく合いました。
バイオリンのおじさんですが、気難しい顔は崩さずに楽しい曲も演奏するからすごいです。
私や他の外国人が彼の写真を撮って盛り上がっていると、椅子から立ち上がって演奏してくれます。
「俺を撮れ!」
とのアピールでしょうか。
しつこいようですが、顔は気難しいのに、なかなかショーマンシップのある方です。
ところで今回のパーティには、色々な職業のベトナム人が集まっていたのも、演奏と同じくらい楽しむことができた点でした。
ITエンジニア、ベトナム航空社員、公安、内装屋、学生・・・職業が多様です。
中でも公安の人は、興味深い人でした。
彼は、公安を教育する教師するトレーニングセンターで教えている先生なんだそうです。
つまり、公安を教育する先生の、そのまた先生です。
そういう職業があるんだそうです。
大の日本びいきで、毎日NHK Worldを見ているそうです。
ここで見る日本の制度や文化、人々の振る舞いを見て、教育水準の高さを感じているとのこと。
「まだ日本には行ったことはないけれど、いつか行って教育の現場を見たい」
と、前のめりで言われました。
そんな風に熱心に出られると、ハノイにいる日本人として、私も背筋が伸びる思いでした。
普段なかなか話せない人たちと、こうしてラフに話せるというのは良い経験でした。
気付いたら、知り合いの子の1歳の誕生会というのを忘れて、話と食事と音楽に没頭していました。
1歳になったばかりのお子さん、ごめんなさい(笑)。
以下、Chuon Chuon Quanの概要です。
Chuon Chuon Quan
・住所:5 Hoi Vu, Hoan Kiem, Hanoi
・電話:04-2248-7888
気難しい顔のおじさんによるバイオリン演奏は、20時くらいから始まります。
休日前の夜を楽しみたい方にはうってつけです。
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