ハノイリビングの田口です。
今日は日曜日。
いつものようにWIFIの速い「Joma Cafe」に来て、色んな事を考えながら仕事をしています。
私達「ハノイリビング」は、アパートやオフィスの賃貸物件のご紹介以外に、マンション(コンドミニアム)購入の手続きサポートや、購入後の管理委託、詰まり賃借人を付け、契約をし、家賃の入金処理から細かいクレーム対応までオーナーに成り代わり行っています。
そんな中、日本人とベトナム人のカップルさんがベトナムの不動産(主にマンション)を購入するケースが時々あります。
今日はベトナム人配偶者と結婚する前後に、マンションなどの不動産を購入する場合の「名義の持ち方」について、注意しなければいけないポイントをお話してみたいと思います。
ベトナムは「夫婦の資産に対する名義」の考え方はハッキリしています
ベトナムの法律上、次のような厳格な決まりがあります。
これは国際結婚かどうかの区別なく、ベトナム人同士の結婚でも同じです。
婚姻中に形成される資産は夫婦が50%ずつ共有すること
例えば、ご主人が80%蓄財に貢献し、奥様が20%でも、共有するなら50%ずつという割合比率しかないんです。
日本なら夫婦の収入額に応じた共有配分は、普通に設定できるのですが、ベトナムは有無を言わさず50対50です。
夫婦仲が良い時はお互い幸せなルールですが、こじれると面倒なルールにもなります。
しかしです。
例えば奥様に何の収入もなく、ご主人だけの収入しかない場合、形成される資産の元手はどう考えてもご主人一人ですね。
この場合は、働いた側が100%、そうでない側は0%にすることは可能です。
詰まり、夫婦共有名義なら50対50、そうで無ければ100対0という持ち分比率しかないということ、これが大原則です。
でもどうしても50%ずつの比率ではなく、正味負担した額でお互いきっちりと名義配分したいと思う時がありますね。
その場合は奥の手があります。
夫婦がそれぞれ自分の会社を作り、例えばご主人が60%、奥様が40%、自分の会社から出資をしてマンションを買ったのであれば、そのマンション名義は会社になりますが、60対40の割合で共有名義にすることができます。
まあ、仲良く50%にしたくないからと会社を作り、法人出資で厳格に負担割合で共有にすると、言い張る状態が既に危ない・・・のかもしれませんが。
これを踏まえて次のご説明を致します。
日本人がベトナム人配偶者の為に100%資金を出して不動産を買う場合の名義の考え方について
日本人が全額出資して、お相手のベトナム人名義にするという考え方。
よく耳にします。
特に日本人男性が愛するベトナム人女性の為に、貯金をはたいて購入する場合。
女性のご両親も「日本人と結婚など・・・お前は親を振り切って日本へ行ってしまうのか」。
さみしがるご両親を前に、女性は板挟みになります。
とても手放しで賛成してくれないご両親に、「安心してもらいたい」、「本気であることを分かってもらいたい」、そんな気持を伝える為にマンションを買うんですね。
もちろん、この場合名義は相手の女性名義100%。
この気持は良く分かります。
ただ、お相手100%にしてしまうと、当然売却も自由にできてしまいます。
お金を出したご主人に何の断りもなく、売却することができます。
お互い合意の元で売却するなら何も問題ないのですが、先々不仲になってしまった時の一方的な売却は、さすがに辛いですね。
マンション購入資金が、自分100%のお金からであれば、自分一人の責任ですが、もし親や身内の方からの援助も入っているなら、気まずいですね。
この場合、やはりお金を出した側のご主人名義を少しでも入れておく方がいいんです。
なぜでしょう?
日本人が100%購入資金を出すが「名義」はベトナム人100%に、これは大丈夫なのか?
簡単ですね。
いともたやすくお互いが自分の持ち分を売却してしまう行為を防ぐことができるからです。
当たり前です、もしどちらかが100%の名義を持っていたら、完全に自由に売却できてしまいますが、もし50%ずつなら・・・
「マンションの名義半分だけ買います」
こんなアホな人いると思いますか?
マンションという区分所有権を一部割合だけ買っても、残りの名義人が「売らん」と言えば、何もすることができませんね。
良いんです、100%出してあげても。
名義だけしっかりと保有していれば、後々の「予想外の憂い」は回避することができます。
結婚してから形成された資金ではなく、日本人が結婚前に持っていた資金をいきなり入れて、名義を50%ずつにすることは可能です。
通常日本だと、50%分はご主人から奥様への贈与になるので、贈与税がかかる可能性が高いですが、このベトナムという国には、贈与税も相続税もありません。
資産税がかからないので、「拠出額ゼロでも持ち分50%持つ」というざっくりな発想が簡単に生まれるんですね。
お相手の彼女も喜び、ご両親も喜び、出資する自分も安心なように、持ち分は共有名義にすることをお勧めします。
ベトナム人で長らく賃料を払う「賃貸派」の方、聞いたことがありません
ベトナムの都心、特に首都のハノイやホーチミンの賃料は高い。
特にホーチミンよりハノイの賃料は高いんです。
「ニューヨークのマンハッタンと変わらん家賃って、一体どう言うことだ!」
昔、ニューヨークから転勤でハノイに来られたお客様から一喝されたことがあります。
「わざと高い物件ばかり見せとるんじゃあないか!」と。
違います、本当に高いんですね。
日本人でもそうですから、ましてや田舎からギリギリで都心に入ってきているベトナム人の若い方々にとって、ハノイの家賃なんて・・・
キッチン付きだけどトイレは共有、6畳間だけのエアコンも付かない劣悪な賃貸物件に3名くらいでルームシェアしている若いベトナム人達。
必死で食らいついて生活をしている人達が、依然まだたくさんいます。
通常我々日本人の若いカップルさんだと、Kim Maのような便利なマンションで70㎡くらいの2ベッドルームに住む場合、最低10万円の家賃は必要です。
もし、分譲マンションを2,500万円で購入したのであれば、単純計算で、向こう20年間の家賃を一気に支払ったことになります。
20年間、生活費で一番大きな経費である「家賃」を払わなくても良いということが、はたしてここハノイでどれだけ助かることか。
特にハノイやホーチミンの近郊に住む親にすれば、自分の大切な子供に、そんなひどい環境で長く生活などさせたくないと考えます。
そんな折、急に「外国人と結婚する」と報告され、同時に「マンションを買ってくれるのよ」と言われる。
親の心境いかばかりか・・・
嬉し悲しいベトナムの「親事情」です。
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