ハノイリビングの田口です。
つい最近ですが、当社は超大型補強を致しました。
「超大型」の助っ人日本人男性と、N1を持つ日本語ぺらぺらの優秀なベトナム人女性の2人です。
優秀な女性ベトナム人スタッフは、誠実営業で有名な人材紹介会社「HR-Link.Vietnam(エイチアールリンクベトナム)」の竹之内さんにお願いして紹介していただきました。
「超大型」助っ人新人の日本人男性は、ある日突然やってきました。
あまりに大型過ぎて、私は1ヶ月くらい考えました。
日本人は花ちゃんと私の2人体勢をしばらく堅持するつもりでいたからです。
「ちょっと大型過ぎじゃあないのか・・・」
何が大型かと言いますと、
- ベトナムでの実績度・キャリアの長さ
- ベトナムでの人脈の広さ
- 何よりベトナムに対する知識の深さ
- お支払するお給料の額
- 「ガタイ」の大きさ
全てが「超ド級」です、私にとっては。
しかし、入社していただくことに決めました。
一応ハノイリビングの決まりとして、
「試用期間の2ヶ月はネット開陳せず」
というのがありますので、ここではご紹介は控えさせていただきますが、おそらくベトナムハノイに長い人はほぼ全員ご存じの方だと思います。
後をお楽しみに。
さて、その超大型新人さん、面倒なので名前を「山ちゃん」としておきます。
あれっ、バレちゃいますかね、まあいいです。
その山ちゃん、今私の真横に机を並べて仕事をしております。
そのお陰で日々、私は彼が持つ「コアなベトナム情報」を胸一杯吸い込ませていただいてます。
今日はそんなベテラン新人「山ちゃん」のコア情報を一つご紹介します。
写真じゃあ伝わらないかもしれませんが、めちゃくちゃデカい靴です。
山ちゃんの靴です。
28cmなんだそうです。
しっかりした感じの革靴。
しかしベトナム人でもなかなか28cmのサイズの人、そうザラにはいないですよね。
「どこで買ったの?」
と聞くと、なんと帰ってきた答えが、
「売ってないですよ、28cmなんて。オーダーメイドですよ」
思わず「日本でか?」と聞き返してしまいましたが、ベトナムだそうです。
ほう、靴のオーダーメイド・・・made in Vietnamの靴・・・大丈夫か・・・??
失礼ながら瞬間こう考えてしまうのですが、聞くともう4年間履き続けていると。
そして履き心地は抜群に良いと。
意外と丈夫で長持ちなんだと。
「いくらしたの?」
なんと答えは、700,000VND(約3,780円)。
おお!安いじゃないの・・・
山ちゃんはずっと靴は同じところでオーダーメイドなんだそうです。
この黄土色の靴以外に、普通の黒いビジネスシューズもオーダーメイドしてもらっています。
「どこにお店があるの?」
「いえ、店はありません。来てくれますよ、サイズを測りに」
無店舗出張販売、なんと出向いて来てくれるのか?
それで700,000VNDなの?
ニヤニヤしている山ちゃんを見て、また得意のボケをかまそうとしているのか・・・
思いましたが、しかし入社早々、乗り出して食いついている私にウソをつき続けることはあり得ないので、俄然興味が湧いてきました。
早速ハノイリビングまで出張してもらうようお願いしました。
そして登場したのが、冒頭のおっちゃんです。
雪駄にはだしの靴屋のおっちゃん。
両手にスーパーのレジ袋に詰め込んだ靴を持ってハノイリビングに現れました。
「なんで靴屋さんが裸足なんよ〜」
眼光鋭い如何にも「職人さん」然とした人がやってくるのかと思っていましたが、ローカルを絵に描いたようなコミカルなおっちゃんでした。
でもなんと言うか、親しみやすそうな、人の良さそうな優しいおっちゃんのようです。
そしておもむろに持ってきた靴を並べ始めます。
黒が基調色ですが、
「この型の靴でこの色」
という風なオーダーの仕方も可能だそうです。
完全に男物の靴ですね。
しかし、まあ、悪くはありません。
1回の案内で10件以上見て回ることもしょっちゅうです。
靴を脱いだり履いたりするので、紐靴は面倒です。
できれば、ローファーか紐無しの靴の方が適しています。
「しかし、この紐靴、結構いいな・・・」
先が少しとんがっていて、おしゃれな形です。
結構、私は好きです。
嫁にまた、
「攻めとるな」
と茶化されそうですが。
いろいろ選らんで、最終的にこの靴に決めました。
ベトナムハノイに綺麗な地下街など、Vincom Mega Mallくらいしか覚えがありません。
洗練された地下街をウインドウショッピングしながら娘と歩くのなら、靴にこだわるのも有りなのですが・・・
高温多湿の厳しい気候に加え、地下鉄も無い、ほこりっぽいガタガタのアスファルト、所々で汚い水たまりがあったりするー。
おまけに季節が来れば、バケツの底をひっくり返したような集中豪雨に見舞われます。
革靴には過酷な国だと思います。
流線型の美しいランボルギーニよりも四駆でオフロードにも強いランクル
の方がこの国には適しています。
丈夫で長持ち、「オフロードランクル」みたいな靴で良いんです。
お客様をご案内する時用の靴と、それ以外の通勤、仕事靴とを履き分けようと考えています。
毎日Regalの靴を履いていては勿体ない気がします。
さて、靴を決めれば後は採寸です。
なぬ?
何を始める??
取り出したのは大学ノートと鉛筆とメジャー。
足の横幅、甲の高さはいいんだけど、足形を大学ノートに鉛筆でなぞっていく、おっちゃん流の寸法取り。
そして、
これで、私は完了です。
大丈夫か・・・おっちゃん。
その直後、私が選んだ靴にもう一度足を通せと、しきりに私の足を持って靴を履かせようとします。
「サイズがぴったりだったら、この現物を売りつけようと考えておるのかい、おっちゃんよ」
あなたの腕を試したいから注文するんだよ。
しっかり作ってもらいましょうか。
もちろん山ちゃんも責任を感じたか、私と一緒に一足作って貰うことになりました。
よく見ると、今私が採寸した足形のノートの上に山ちゃんの足を乗っけています。
「おいおい、それは俺の足形だよ!」
さすがに気付いたのか、おっちゃんページをめくって、裏のページに山ちゃんの足形を取り始めます。
「大丈夫かいな、2足とも28cmになれば洒落にならんよ・・・」
なんとも妙な緊張感を覚える靴の採寸でした。
あまりにキャーキャーやっているので、花ちゃんがそーっと現れ、静かにサンプル靴に足を通していました。
「この靴はどれくらい履いているんですか」
山ちゃんの靴を指さしながら、私が聞いた同じ質問をぶつける花ちゃん。
「4年」の回答に、じっと考えていましたが、
「今回は見送ります」
静かに断る花ちゃん。ひょっとして俺の出来具合を見て決めるのかい。
いつもながら冷静沈着な花ちゃんです。
彼は彼なりの考えがあるのでしょう。
さて、いつ出来るのか、山ちゃんに聞いてもらうと、
「5日くらい、持ってきてくれますよ」
なんだかクリーニング屋みたいな靴屋だな。
靴をビニール袋に戻しながら、何やらベトナム語で二言三言話しかけてくれましたが、何をしゃべっているのかよく分かりません。
辛うじてベトナム語が理解できる山ちゃんが通訳したところ、
「すみません、1,100,000VND(約5,940円)に値上がりしている・・・」
どうもそのおっちゃんが住んでいるところからKim Maまでは遠いのだそうです。
仕入れ値も上がっているし、交通費もかかるんだと。
その後また真剣に話しかけてきます。
おそらくその時の表情から、
「俺に任せてくれたら、喜んでもらえる靴、持ってきてやるからさー」
一生懸命営業トークをして、ドタキャンさせないように釘でも刺したんでしょう。
そんな感じでした。
「ドタキャンはしないよ、ちゃんと作って持ってきてくれたらお金払うからね」
当然成功報酬です。
先払いなど・・・あっという間に酒代になってしまいそうで恐ろしい。
帰って行くおっちゃんの後ろ姿を見ながら山ちゃんが、
「でも今までの仕事は完璧だったよ・・・」
よく気が付くと、おっちゃんの名前聞くの忘れました。
連絡先も(笑)。
連絡先といってもおっちゃんの携帯電話、間違いなくベトナム語しか通じません。
何よりおっちゃん携帯持ってる?
とりあえず、出来上がった我々の靴を持ってくる5日後に詳細を聞いて、この記事に追記致します。
すみません。
今のところの詳細情報をとりあえず。
- 【お店の名前】ハンドメイドが得意なおっちゃんのお店
- 【住所】よくわかりません
- 【担当者名】おっちゃん
- 【連絡先】少しおまちください
- 【ハンドメイド料金】1,100,000VND(約5,940円)
※一応ハノイ市内どこでも一律だと言ってますが、もう一度確認します - 【休日】おっちゃんの気分次第(おそらく)
- 【納期】採寸後5日間待ってあげてください
出来上がれば、また皆様にお知らせします。
2足とも28cmだと、ネタとしては面白いですが・・・面倒くさいです。
どんな仕上がり具合か、少々お待ちを。
以上、ベトナムハノイでオーダーメイドでハンドメイドのしっかりとした靴を作ってくれる「おっちゃん」のサービスをご紹介させていただきました。
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初めまして。
ブログを読ませて頂きました。
先日ハノイに行き、洋服のオーダーをしました。
とても良い仕上がりでしたので、靴もオーダーしてみたくなりました。
こちらの男性はメンズの靴のオーダーしかしていないんでしょうか?
パンプスのオーダーをしている方をごぞんじありませんか?
9月に又行くので、もしご存知でしたらご紹介頂けませんか?
よろしくお願いします。
石田
石田様
パンプスなど、婦人靴のオーダーメイドのお店を今探しています。
ただ、なかなか見つかりません。
こちらの方々は、ダンスをする際に履く靴などは作ったりするそうなのですが、一般的な婦人靴は既製品をそのまま使われるようで、当社の女性陣に聞いても、首をひねるばかりです。
安いだろうと思われるのですが、決して仕上がりが良いとも限りません。
ベトナム人の女性達も、自分に合った靴をベトナム人に作らせたところで、安心しないと考える傾向があります。
安心したいのなら、ブランド物の良い靴を買う、そういう考えがまだあるように思います。
しかし、見つかり次第お知らせします。
少しお待ち下さい。