ハノイでは仏教のお寺や教会をよくみかけます。
実際、外務省ホームページの「ベトナム基礎データ」によると、宗教には、「仏教、カトリック、カオダイ教」と書いてあります。
ここにはイスラム教が出てきません。
ですので、かなりの少数派だろうなとは思っていました。
実際、道行く女性の服装も思ったより開放的なので、それを禁止するイスラム教ではないだろうとも予想していました。
しかし、うちの近所で以前から気になっていた建物がありました。
それがこの建物です。
イスラム教の寺院ですね。
名前は「Ar-Nool Masjid」というようです。
中には、お祈りする人が見え隠れしています。
もっと高らかにお経のようなものを唱えるのかと思いましたが、祈祷の時間ではないのかとても静かです。
そしてイスラム寺院につながる入り口の横にあるのが、この看板です。
ハラールフードをご存知でしょうか。
イスラム教のルールで処理された食べ物のことです。
イスラム教の人は、肉などはハラール認証がないと食べられないようなんです。
私はイスラム教ではありませんが、ハラールフードについては、私は以前から結構興味がありました。
ルールに乗っ取って、清潔に加工された食品だということを聞いたからです。
ハラールには、清潔・清浄という意味もあるようです。
肉に関しては血抜きもきちんとするようです。
ですので、ここのハラールフードレストランに並々ならぬ興味を持ったわけですが・・・レストランらしいにぎわいもなく、かなり静かです。
門の前でもじもじしていたら、どこからかおじさんがやって来て
「入れ」
と指差していたので、喜んで入っていきました。
イスラム寺院の中に入るのは、さすがに気が引けましたが、後で聞いたところによると、イスラム寺院自体も、入って見学することは可能のようです。
ただし中の写真は禁止。
そして女性は頭や腕、足を隠さなければなりません。
この日、肩近くまで露出した半そでシャツに帽子もなしといういでたちの私は、当然入れませんでした。
食堂の中は、12人くらいも入ればいっぱいの小ささです。
古くて、小さくて、テレビの音だけが大きい、思わず昭和の大衆食堂を思い浮かべてしまいました。
しかし壁を見ると、しっかりハラール認証書が額に入れてかけてあります。
これを見ると、なんとなくイスラム教ではない私も安心するから不思議です。
メニューも多様でした。
ラム、ビーフ、エビから魚まで、すべてがハラールなんですね。
このほか、麺類や飲み物も取り揃えてあります。
食べ物はすべて70,000~80,000ドンくらいでした。安いですね。
とりあえず、ビーフメニューを注文。
出てきたのがこれです。
味はというと・・・以前旅行で行った中東・アフリカのイスラム圏の国で食べたものに比べて、やさしい味です。
あちらでよく使うクミンなどの香辛料の味が少ないといえば、もう少し分かりやすいと思います。
「ベトナム風ムスリム料理」
とでも言いましょうか。
刺激の少ない、食べやすい味でした。
肉はとても柔らかかったです。
こちらの市場で牛肉なんかを買うと、思わず
「牛筋か」
と突っ込みたくなるほど、柔らかくなくて筋っぽいですよね。
でもここの牛肉は、とても柔らかく口当たりが良かったです。
このレストランを経営しているのはベトナム人だそうです。
この方の家族がイスラム教なんだとか。
後で出てきたおばさんは、この暑い中、頭も腕もスカーフで隠していました。
この方に、寺院のホームページがあることを聞きました。
ホームページに、この寺院の歴史が掲載されています。
建てられたのは1900年ごろだそうです。
この頃、ハノイでインドの商人が商売を行っていました。
中国からシルクや宝石などを買い、シンガポールやインドに売っていましたが、ハノイでも商売を行ったようです。
彼らはイスラム寺院1つ建てられるくらい、非常に金持ちだったとのことでした。
今はイスラム圏の国から来た大使館の人たちが、足しげく通うところになっています。
またベトナム人でも、イスラム教の人はハノイに60人くらいいるそうですよ。
レストランにはハラールフードに興味を持ってレストランに入ってくる外国人も、たまにいるということです。
上でも書きましたが、寺院の見学は自由にできます。
ただし、祈る人がたくさんいない時に限ります。
祈りの場所ですので静かに回り、寺院内部の写真は絶対に控えましょう。
このほか女性の入口は寺院の左か裏側など色々なルールがあるので、一度ホームページを見てから行くことをお勧めします。
ハラールフードが食べられるレストランも、ここ以外にたくさんあります。
地図でご紹介しましょう。
より大きな地図で ハラールフードレストラン を表示
このほか、デリバリーをしている会社もあります。
Halal Vietnam Company
・電話番号:098-845-0093(Fatihaさん、英語)
ここでは食べ物だけでなく、化粧品なども扱っています。
イスラム教の人は、豚エキスやゼラチン、脂などを含む化粧品も使わないんですね。
関心のある人は、一度挑戦してみてください。
そしてきれいな寺院も、ハノイにいる間に見てみることをお勧めします。
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ハラルフードが安全というのは幻想です。
ムスリムにとって安全に食べられる食品という意味だからです。クルアンに則った食品=安全。それは所謂健康面での「安全」ではありません。
肉に関しては確かに血抜きをしているので臭いは気になりません。ですが、屠殺方法に問題があるということで、ヨーロッパでは逆にハラルフードを避ける傾向にあります。
anna様
コメントありがとうございます。
色々教えていただき、感謝しています。
記事内容は、私の勉強不足です。
もう少し色々調べるべきでした。
内容を少し変えてみようと思います。