財務省領事局政策課編集の「海外在留邦人数調査統計」から抜粋しました。
前回「今、ハノイには何人の日本人がいるんですか?」の稿で、ベトナムで仕事をする在留邦人の数についてご紹介しました。
ご案内中に受けるご質問で一番多いのは、
「今、結構日本人来てますか?」
これです。
外務省の統計情報を元に、
「今ベトナムが、とりわけハノイが世界の他の都市と比べてどれくらい投資対象になっているのか」
を調べて見たのですが、今回その外務省の最新情報が更新されていましたので、皆様にお知らせします。
日本が注目している国、都市に日本人は集まります。
当たり前ですね。
データーは全て2012年10月1日時点の統計情報です。
情報元は、財務省領事局政策課編集の「海外在留邦人数調査統計」です。
1.在留邦人の長期滞在者が今どのエリアに集まっているか
ここで言う「長期滞在者」の定義ですが、
3ヶ月以上の海外在留者で永住者ではない邦人(3ヶ月滞在していなくても3ヶ月以上滞在する予定があればカウントしている)
となります。
初めてベトナムに来られる方は、ベトナムに限らず「3ヶ月のマルチビザ」で入国され、その期間中で労働許可書証(Work Permit)を取得されるので、「3ヶ月以上滞在する人が長期滞在者」という定義は当を得ているかと思います。
その長期滞在者の増加率TOP3は、
- アジア(3万226人増)
- 北米(1万8000人増)
- 西欧(1万2042人増)
アジアの増加分は長期滞在者全体の増加分の約55%を占めています。
当たり前ですが、今アジアが熱い訳ですね。
2.邦人の長期滞在者が一番多い国はどこか
これは在留邦人の総数です。
今まで日本企業が投資してきたエリアで、その歴史が長ければ長いほど邦人総数も多いはずですね。
- アメリカ合衆国(41万973人;約33%)
- 中華人民共和国(15万399人;約12%)
- オーストラリア(7万8664人;約6.3%)
- 英国(6万5070人;約5.2%)
- カナダ(6万1854人;約4.9%)
- ブラジル(5万5927人;約4.5%)
- タイ王国(5万5634人;約4.5%)
この7国で全体の7割を超えています。
ちなみにベトナムは11.194人(前年比+20.20%)で19位です。
東南アジアで日本企業の投資実績No1は「タイ」ということになりますが、その約5分の1(20%)が今のベトナムの邦人人口です。
3.邦人の長期滞在者が一番多く滞在する都市はどこか
次は国では無く都市別です。
- ロサンゼルス(7万1435人;+1.14%)
- 上海(5万7458人;+1.73%)
- ニューヨーク(5万3365人;△2.77%)
- バンコク(3万9949人;+11.17%)
- 大ロンドン市(3万8314人;+4.35%)
- シンガポール(2万7525人;+5.74%)
- シドニー(2万6950人;+2.63%)
- バンクーバー(2万4834人;+4.14%)
- 香港(2万3136人;+4.29%)
- サンフランシスコ(1万7394人;+5.00%)
ホーチミンは31位(5.616人;+28.31%)、ハノイは35位(4.486人;+24.47%)でした。
アジアで邦人人口の多い都市は、上海、バンコク、シンガポール、香港の4都市です。
ベトナムは、邦人の大半がハノイとホーチミンに固まっています。
残り約1.000人強がそれ以外の都市に散らばっていることになります。
ここまでが、今までの投資実績の結果から積み重なって見える日本の投資先です。
続いて邦人人口の増加率が高いエリアを見ていきます。
まさに今、日本企業の目が向いている、あるいは向き始めたエリアです。
4.邦人の長期滞在者の増加率が一番多い国・都市はどこか
- ブラジル(33.12%)
- バングラデシュ(32.12%)
- インド(29.08%)
- カンボジア(22.64%)
- フランス(21.40%)
- ベトナム(20.09%)
- インドネシア(19.00%)
- チリ(16.76%)
- ミャンマー(15.10%)
ベトナムは6位です。
意外とバングラデシュやカンボジアがベトナムを抜いて上位なんですね。
フランスがなぜか西欧国のなかでも邦人人口の増加率が際立って多いのはなぜなんでしょう?
原発絡みかな?
これはちょっと分かりません。
あと、じわりとミャンマーが増えてきています。
続いて増加率の高い都市はどこでしょうか。
- クアラルンプール(130.58%)
- 杭州(47.85%)
- 蘇州(46.74%)
- 無錫(45.83%)
- ニューデリー(34.63%)
- パリ(34.54%)
- アトランタ(31.47%)
- トロント(29.54%)
- ホーチミン(28.10%)
- ハノイ(24.29%)
1年前の2011年10月の統計データーによる都市別増加率の順位は、
- 蘇州(46.05%)
- パース(28.86%)
- ハノイ(13.64%)
- ブリスベン(12.43%)
- 深圳(12.38%)
となっていました。
ハノイは3位の注目都市で、前年比増加率も13.6%でした。
ホーチミンに限っては増加率2.84%と言う少なさだったのですが・・・
しかし1年経って上記の結果です。
- ハノイ2011年:13.6% → 2012年:24.29%
- ホーチミン2011年:2.84% → 2012年:28.10%
ホーチミンの増加率が急増していますね。
急激に邦人長期滞在者の数はベトナムで増えていることが分かるかと思いますが、それに輪を掛けて急増している都市があります。
マレーシアの首都クアラルンプールの増加率130.58%は一体どうしたんでしょう。
「ロングステイNo1はマレーシア」
は良く聞く話ですが。
この1年で急激な伸びを示しています。
続いてなんじゃかんじゃ言っても堅調なのが中国。
日本バッシングでも補って余りある、中国の力。
以前お会いしたお客様が言われていた話。
「うちの製品を作るために、きわめて短期間でラインを作り、人を集めることのできるのはやはり中国です」
一気に資本と労働力を集中させることのできるパワーは、やはり中国が秀でているのでしょう。
唯一西欧国フランスのパリも頑張っています。
なぜ今フランスパリなのか・・・すみません、ご納得のいく説明ができません。
勉強不足で申し訳ありません。
ミャンマーなどは、もっとこれから邦人長期滞在者の増加率は上がっていくだろうと思います。
間欠泉のようなマレーシアクアラルンプールの日本人増加率の急騰、それに揺るがない中国への投資熱、また西欧で唯一日本が向いているフランス。
そして、ホーチミンも含めて日本人の流れが止まらないベトナム。
一時的な傾向なのか、長期的に底堅い流れなのか・・・
これから見極めていかないといけないと思います。
ベトナムハノイでNo1目指して頑張る「賃貸くん」です。
よろしくお願いします。
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