ベトナムの人々はどうも国旗掲揚が大好きな方々が多いようです。
- お正月
- テト休み
- 4月30日(南部解放記念日)
- 9月2日(ベトナム独立記念日)
こういう節目の日に、国旗を掲げていないと注意をされるようです。
街中に役所在籍のパートタイムのご年配の方が、担当エリアをチェックし、国旗を出していない家を見つければ、注意をして回ります。
そりゃそうですよね、ベトナムは戦勝国ですから。
唯一アメリカに負けなかった国。
ベトナムの方々は胸を張り、誇りを抱いて国旗の掲揚をします。
私達日本人は、「旗を揚げよ!」のかけ声を信じて戦争に突入し、叩きのめされ、たくさんの犠牲者を出して敗戦国となりました。
「国旗掲揚」に対する「想い」には、大きな隔たりはあろうかと思います。
さて、そんなベトナムでの連休中。
4月30日は「ベトナム南部完全開放記念日」です。
1975年4月30日に、長く続いたベトナム戦争が北ベトナムの勝利という形で終結した日です。
ベトナム国外の国々では、「サイゴン陥落」という言い方をしますが、ベトナム国内では「サイゴン開放」と呼ばれる日ですね。
南ベトナムの方々にとっては「サイゴン陥落」以外何者でも無かろうと思いますが。
もうそれこそ・・・
ここぞとばかりに「国旗を掲揚」しないと、役所の人達から注意されてしまいます。
さて、ここからが本題です。
タイトルからして、
「ああ、またオーナーさんが何かやっちゃったの?」
と思われる方は・・・かなりこのブログを読み込んでいただいている方だと思います(笑)。
実はその通り、お客様からのクレームになってしまった話です。
オーナーさんがお客様に何の断りも入れずに、勝手に部屋に入り、ベランダに国旗を据え付けてしまったんです。
日本から帰ってきたお客様。
自分の部屋のベランダに掛かっているベトナム国旗を見た途端、アパートオーナーに猛然と抗議をしてきました。
「なぜ、勝手に部屋に入る!」
前に住んでいたアパートでも同様のことが頻繁にあったそうなんです。
ハウスキーパーが大事なオーディオセットを勝手に触ったり、オーナーが部屋のものを勝手に使ったり・・・
いくら注意しても、悪びれも無くやり続ける傍若無人さ。
まさに「素人オーナー」が運営する、C級アパートです。
どんなに新築でも、こんなアパートは絶対お勧めできません。
こういうグダグダなサービスに我慢できずに途中解約をして、今のアパートに引っ越しをしてきたという経緯があるんです。
「また同じことの繰り返しか・・・」
激しいクレームの背景には、お客様のこういうやるせない「失望感」があったわけです。
これが、数多くの日本人を受け入れてきた経験の豊富なオーナーと、今回のように初めて貸家業で日本人を受け入れるオーナーとの「違い」なんです。
私達日本人は、留守中に勝手に家に入られることが、とても気持ちが悪いと感じるのが普通だと思います。
ハウスキーピングサービスが家賃に含まれているサービスアパートが大半ですので、「キーパーさん」は仕方が無いにしても・・・
オーナーや修理目的にWorkerが一人で、部屋の鍵を開けて入ってくるなど・・・
数多くの日本人を受け入れてきた経験の豊富なオーナーは、何かあった際必ず当社に連絡があります。
何の連絡もせず、勝手には絶対入りません。
賃貸契約書にはアパート側(貸し側)の義務として、
「契約成立後オーナーが入室するときは必ずお客様(借り側)の許可が必要である」
と書かれているケースがほとんどです。
ただし、以下の場合は例外で「許可無く」入室できます。
- お客様(借り側)が契約内容を一方的に違反している場合
- お客様(借り側)が物件の使用目的を遵守していない場合
- アパート管理会社や公安からの依頼があった場合
お客様が正しく契約書に書かれていることを守って住んでいるうちは、基本的にはオーナーは勝手に契約住戸を出入りできないことになっているんです。
しかし、サービスアパートによってはこの条文を割愛しているケースもあります。
その理由は・・・
「自分たちの建てたアパートだから、いつでも出入りできて当たり前ではないんですか?」
と思っているからです。
今回の契約がそうなんですね。
いくらオーナーが、各部屋のスペアキーを持っていたとしても、やはりお客様に断りも無く部屋に入ることは許されるべきではありません。
日本では当たり前のことのように思えることでも・・・
今回のように「知らずに」許可無く部屋に出入りしているオーナーは、たくさんいることと思います。
家賃が予算以内かどうか、部屋の新しさ、インクルードサービスが豊富か・・・
アパートを客観的に推し量るモノサシはたくさん有りますが、
日本人の気質や好き嫌いを良くオーナーが理解しているかどうか
これはとても大事なモノサシだということを、分かっていただきたいと思います。
今回のお客様からのクレームを受けて、オーナーさんにはじっくりとその主旨を説明いたしました。
このオーナーさんはとても前向きで、真面目な方です。
説明を聞いてよく理解できたようです。
おそらく二度と同じミスは犯さないだろうと思います。
お客様にもご理解していただきました。
頑張る「若葉マークオーナーさん」に対して日本のお客様の考え方を説得するのも、私達仲介業者の大事な仕事だと思っています。
これからも良いサービスをしていただきたいですからね。
オーナーさん、よろしくお願いしますね。
1975年4月30日の「ベトナム南部完全開放記念日」を境に、ベトナム南部の方々の国外流失が始まります。
「ボートピープル」・・・ですね。
海外に出たベトナム人の方々が、逆に戻ってくるような素晴らしい体制を、今後もベトナムには整えていただきたいと願う次第です。
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