5月に入り蒸し暑い朝、いつものように出勤のためのタクシーを拾おうとして、Nguyen Chi Thanh通りに出ると・・・
一向にタクシーが来ない。
いつもはバンバン走っているのに。
「どうしたんだろう?」
そういえば、私の住んでいるアパートの1階に、出勤者を狙って待ち構えているタクシー車両が1台も無い。
「うん??今日は日曜日だったっけ」
いや、そんなはずは無い。
狐につままれた感じで歩いて出勤してスタッフに聞くと、
「今日からNguyen Chi Thanh通りもタクシーの乗り入れ規制が始まったのよ」
なんと・・・Lang Ha通りはタクシー規制が掛かったことは知っておりましたが、私のアパートの通りまで乗り入れ規制区域が広がった様子。
何の前触れもなく突然に、と感じているのは私だけで、以前より規制をする旨は政府からタクシー会社に通達が降りていたようです。
しかし、我々一般人にもっと分かりやすいアナウンスがあっても良いものを・・・
と、突然決まったかのような錯覚に陥ってしまいます。
なぜタクシーだけ??と思うんですね。
しかし、市中の通りを走る車両は、一般人が乗るスクーターか、一般車両か、タクシーか・・です。
ベトナムでスクーターの乗り入れ規制など、とてもじゃないですが出来ません。
「庶民の足」を規制をするほどの勇気は無いのでしょう。
何となくとばっちりがタクシー会社に来たという感が否めません。
あちこちでタクシーの乗り入れ規制区域があります。
少しずつ区域が広がっているようです。
日本人に人気のある「Sky City Towers」というコンドミニアムは、Lang Ha通り沿いに建つ大型ツインタワーです。
しかし、裏からDuong Lang通りにつながっており、抜けていくことが出来ていたのですが、そのDuong Lang通りも今回新たにタクシー乗り入れ規制道路に指定されてしまいました。
冒頭にある道に赤と、青で太線を塗っている道路が、その乗り入れ規制道路です。
もちろん一日中乗り入れ規制ではなく、朝夕の通勤・帰宅ラッシュ時のみの規制です。
今日、2012年10月27日時点のタクシー乗り入れ禁止区域をご紹介します。
◆午前6時から9時までの通勤時と午後16時から19時までの帰宅時の規制区域(冒頭地図の赤色部分)
- Nguyen Chi Thanh通りの一部
- Tran Duy Hung通りの一部
- Duong Lang通りの一部
- Lang Ha通りの一部
- Le Van Luong通りの一部
- Mai Xuan Tham通り全部
- Hoang Hoa Tham通りの一部
あと、タイ湖南岸の一部の下記の通りは、
◆午前6時30分からお昼の12時までのみ規制区域(冒頭地図の青色部分)となります。
- Doc Ngoc Ha通りの一部
- Doc La Pho通りの一部
冒頭の2つの地図に色塗りした道路だけが規制対象です。
政府がタクシー会社に出した通達では、
「2012年12月31日まで」
と記載されていますが、おそらくその通りにはならないだろうと思います。
交通渋滞が一気に収まる予定もなく、またいきなり地下鉄が開通する訳でもありません。
Lang Ha通りで高架橋のような大きな道路の敷設工事が続いていますが、当分かかるかと思います。
最後に地下鉄の工事の計画をご紹介しておきます。
これはある地下鉄のプラン作成にたずさわる方から直接お聞きした内容です。
タイ湖北西のシプチャー内を始発駅として路上を3駅ほど南下し、その辺りから地下に潜ってタイ湖の南岸沿いを東に向かってまっすぐ横切ります。
大型コンドミニアムの「Golden Westlake」の近くに地下鉄の駅ができる計画のようです。
そしてそのままソンホン川へ向かって東進し、緩やかにホアンキエム湖の西側へ向かって右折南下して止まります。
この経路が一期工事で完成予定は2018年予定だそうです。
特にホアンキエム湖辺りの土地の地権者との折衝に時間がかかり、計画はできあがっているのですが、なかなか土地確保に戸惑っているのが現状のようです。
日本の円借款が絡む大工事です。
しかし地下鉄ができたからといって、いきなりスクーターを手放すことは無いかと思います。
どこでも気軽に4人乗り??で出かけることのできるモーターバイク。
しかし「モータリゼーション」無くして国の発展などあり得ません。
車社会が一気に加速した場合、ハノイの道路事情を見ていると・・・街中を走るスクーターの半分がもし車に置き換えられたらどうなるか。
おそらく大渋滞でパニックになるかと思います。
道路交通網の急速な進歩と同時に、ハノイの人口は急激に郊外へ広がっていくと思います。
周辺の衛星都市や都市間を結ぶ道路網の発達も加速していくことと思います。
一人一人の行動範囲がもっと広がらないと・・・
「スクーターで動ける範囲が経済範囲」
これが今のベトナム事情です。
タクシー乗り入れ規制などという小手先の対策もやむを得ないのかも知れませんが、
その裏で、5年後10年後を見据えたインフラ整備を先進国の技術支援を利用し、進めていただきたいと願っております。
◆少しでも皆様のお役に立てれば嬉しいです。
↓ 1クリックよろしくです!
にほんブログ村