ハノイリビングの田口です。
「すし処昇楽(しょうらく)・・・聞いたこと無いな。ハノイのどのあたりにOpenしたの?」
そんな声が聞こえてきそうですが、残念ながらベトナムハノイにあるお店ではありません。
日本は東京の西新橋にあるお店です。
私はハノイから日本へ帰国する際、家族が待つ大阪へ戻る前に東京へ仕事で寄ることにしているのですが、その際必ず足を運ぶお店なんです。
私共の会社の会長が長らく時間をかけて探し当てた、江戸前の凄腕料理人「宇田川さん」がその豪腕を思い存分振るってくれる隠れた名店です。
冒頭のきりっと引き締まった表情の板前さんが今日の主役、宇田川さんです。
少し私共のグループ会社が出資をしているお店でもあります。
日々いろんな人物の接待を必要とする我が会長は、饗応が大事な仕事の一つでもあります。
当然のことながら不味い料理やサービスには、非常に厳しい評価を下します。
そんな会長がたまにハノイに来られるのですが、その時は頭から血が出るくらい、会長をもてなすお店を考えなければなりません。
今までの成績は6戦5敗。
唯一唸らせたのは、Kim Maの「㐂六(KIROKU)」くらいでしょうか。
脂っこい味はダメ、さりげなく薄味過ぎてもダメ、しっかりと出汁が出ていなければダメ。
熱いはずの茶碗蒸しが熱くないなど、言語道断です。
会長の舌に叶う料理屋さんって、まずハノイで早々出てこないかと思います。
しかし「撃沈宣言」を食らわないお店をハノイで見つけておかないといけません。
「無ければ作ってしまおうか」
最近そんな気にもなってきています。
出来ないことはありません。
プロデュースできる方は既に見つけています。
タイミングを見て、また皆様にはお知らせ致します。
そんな当社の会長が東京で足繁く通うお店が、今回ご紹介する「すし処 昇楽(しょうらく)」です。
自らが手放しで認める料理人さんの創る日本料理、不味いはずがありません。
余りに味が確かなので、会長がお店の新装Openを手伝ったくらいです。
ではなぜグルメレポートの苦手な私が、しかもハノイ情報ではなく東京の和食店情報をお届けするかと言いますと・・・
理由は単純明快、今まで食べたどの日本料理より味わい深く、ずば抜けて美味い料理だからです。
「間違いの無い良いサービスなのでご紹介したい」
まさに想定外の味。
余りの美味さに「思わず投稿してしまった」というのが正直なところです。
「ハノイで安くて美味しい東南アジア料理ばかり食べているから舌がボケちゃったんじゃあないの」
いえいえ、そこまでボケボケではありません。
冗談抜きで、掛け値無しで痺れる美味さなんです。
それもそのはず。
調理の腕は言うまでもありませんが、日本国中にある一級品の食材を選りすぐり、魚に合う有名地酒を取りそろえ、予約中心でゆったりと静かに語らいながらの食事を楽しむことができます。
おまけに宇田川さんは「競りの免許」も持っています。
自由自在に良い食材を「競り落とせる腕力」も美味さを証明する理由の一つです。
出汁の深さ、活きを落とさない徹底した鮮度管理、杜氏の名までこだわって仕入れる銘酒、そして何より店の静かな雰囲気・・・
全てに於いて完璧を求める料理人「宇田川さん」のこだわりが隅々にまで行き渡っている店「昇楽(しょうらく)」。
このレベルのお店になると、ただ「美味しいものを食べる」お店では無く、食事の時間を楽しめるお店であるべきです。
「どれだけ楽しめるか」
そこにお店の評価が分かれます。
どれだけVIPなお客様でもお連れして満足させられるお店。
「昇楽(しょうらく)」を例えるセリフに尽きることはありません。
「最初の食事で感動をしてもらえないと次は無い」
宇田川さんの想いです。
特段テレビに露出している有名な料理人でもありません。
そんな料理人のお店は、また必要以上に高くなります。
ただ長年和食の技術を実直に磨いて来たその結果の今の味です。
「次また来たい」
おそらくこの宇田川さんのお店の味に触れると、ほぼ100%の確率でリピーターになります。
著名な方も足繁く通われているようです。
では、如何に「すし処 昇楽(しょうらく)」が美味いお店なのか、これから私が証明していきたいと思います。
ああそうです。
それとこの稿を読んでいただき、ご予約を入れられる際、
「ハノイリビング田口のブログを見た」
と一声電話口でおっしゃっていただければ、板前宇田川さんから特別サービスが出ると思います。
何が出るかは、その時のネタと宇田川さんの気分次第です。
話は付けておりますので、予約時にお申し付けください。
ではまず、お店の概容と場所をお確かめください。
この稿の巻末には、宇田川さんの立ち姿をビデオ動画に収めていますのでご参照ください。
- 【店名】すし処 昇楽(しょうらく)
- 【住所】東京都港区西新橋1丁目14−8 中川ビル1階2階
- 【コース料金】※飲み物は別料金です
・白檀(BYAKUDAN):15,000円(税込)
・京洛(KYORAKU):25,000円(税込) - 【予約電話先】03 6206 6699
※朝から仕込みをしていますので、午前中のご連絡でも結構です。 - 【営業時間】午後5時から午後10時30分(ラストオーダー:午後9時30分)
- 【営業日】月曜日から金曜日(土曜日は予約時のみ)
- 【定休日】日曜日、祝日
全て予約のコース料理です。
白檀の15,000円コースと京洛の25,000円コースの違いは、完全にネタの差です。
もちろん私はいつも白檀の15,000円コースです。
これだけでも贅を尽くした充分な料理が楽しめます。
では、私は大阪人ですので地理を詳しく説明できません。
次のGoogle Mapで場所をお確かめください。
そんなにだだっ広い店ではありません。
1階はカウンター席(8席)のみ、2階はお座敷で団体様専用(12席)。
私達は3人から4人くらいで来ますが、いつも宇田川さんと楽しく話をしながらの食事をしますので、専ら1階のカウンター席を利用させていただきます。
そして席には必ずその日の宇田川さんお勧めのコースメニューが添えられています。
そして、今日提供する食材の仕入先もしっかりと記されています。
料理人宇田川さんの味のこだわりの一つに、「すし酢」があります。
ホームページ「昇楽のこだわり」に掲載されているのでそのままご紹介します。
平種無柿という柿の水分だけで作られ、2年以上もの熟成で作られたまろやかな柿酢は、クセが無く柔らかな口当たりなのはもちろん、穀物酢にはないミネラルやポリフェノール、アミノ酸を豊富に含み、抗酸化作用や高血圧の防止にもよいとされています。
また料理やお酒に使う氷は「山形の天然水」を利用しています。
新鮮なネタやお酒の味を活かす工夫には妥協しない宇田川さんの姿勢が覗えます。
また、今回当社の会長が宇田川さんに依頼し、大切なお客様の為に松茸を仕入れてもらっていました。
蓋を開けた瞬間、カウンター周りに何とも言えない山間の香りが漂ってきます。
いくらか検討もつきませんが、間違い無く最高級です。
宇田川さんの仕入れルートに間違いはありません。
もし、皆様も「ここは外せない大事な方への贈答」をお考えの方。
新鮮な海の幸、山の幸を宇田川さんに依頼してみてはいかがでしょうか。
忙しい合間を縫ってでも、動いてくれると思います。
では、今回私達が食したコースメニューに沿って、皆様に写真をご紹介させていただきます。
もう一度「お品書き」をお知らせしておきます。
【白檀コース】
- 先付:白海老(しらえび)
- お造り:
・トロ
・松川がれい
・地がつお
・真鯖焼霜造り - 小鉢:真鱈白子
- 小鉢:生いくら
- 煮物:メヌケの煮付
- 寿司:
・活墨烏賊
・小肌
・漬け鮪
・本ミル貝
・雲丹(うに)
・江戸前車海老 - お椀:浅利の赤出汁
では順にご紹介します。
まず最初に出てきたのは「白海老(しらえび)」でした。
軟らかく、粘っこく、とろけるような舌触り。
白海老はとても痛みが早く、水揚げしてすぐに冷凍させないといけません。
この白海老の鮮度は冷凍ものでは絶対出せません。
「さっき取ってきた」ような瑞々しさ。
これが時期が違えば「生蛸(なまたこ)」が出て来たりします。
この造りをカウンター越しに目の前で手際よく盛りつける宇田川さん。
見ているだけで日本酒が欲しくなってきます。
日本酒は後ほどまとめてご紹介します。
どれも絶妙な美味さ。
そしてそれぞれの産地がまた妙です。
- 松川がれい:北海道 苫小牧産
- 地がつお:佐渡産
- 真鯖:千葉県 木更津産
それぞれの時期に応じた旬なお造り。
このチョイスは宇田川さんにお任せしたほうが旬を外さず、間違いのないネタを口にすることが出来るかと思います。
トロはいつも出てくる常連ネタですが、他に時期によっては、「笛吹鯛(ふえふきだい)」や「床ぶし」といった新鮮な貝の造りなどが並ぶ時もあります。
何とも言えない柔らかさ。
新鮮なネタであるにも関わらず、全く潮臭くありません。
下手くそで月並みな表現で申し訳ないのですが、食べた瞬間溶けてうま味が口いっぱいに広がる感じ。
通常、旬な寒真鱈の白子など時期が限られなかなか手に入らない逸品です。
「1年で1ヶ月間だけのお楽しみ」
そう言われるくらい鮮度の良いものは入手困難な高級魚です。
宇田川さんが当日出してくれたのは、青森県産の真鱈です。
時期が違うと「茶豆」などが出てくる時もあります。
もういくらの美味さは解説不要かと思います。
が、おそらく皆さんが今まで食べてきたいくらに比べれば、この日の「生いくら」はそれを上回る美味さだと確信します。
如何にネタは鮮度が命か、この生いくらを食べるとよく分かります。
時期によっては、小鉢の代わりに「揚げ物」が来る時もあります。
以前食べた時は、「白ギスと鱧の天ぷら」が出て来ました。
軽く塩だけで食べれます。
サクサクの衣の中からぷりぷりの鱧が出て来ます。
旬な活きの良さを天ぷらに閉じ込めて、さりげなく出してくれました。
こういう細かいリクエストはご予約を入れていただく時にオーダーしていただければ聞き入れてくれます。
さて、先付から始まりお造り、小鉢モノと進んできました。
ひんやり美味しい料理が続いた後は、出汁の効いた暖かい煮付けが食べたくなりますね。
ここで「メヌケの煮付」が出てきました。
近年乱獲が進み、本種の資源が減少したため、北大西洋産に取って代わっていますが、仕入にこだわる宇田川さんのメヌケは「千葉県 勝浦産」。
外来モノなどでごまかす発想など微塵もありません。
きちんと骨処理をした後、ごぼうといっしょに昆布に敷かれて出て来ました。
白ネギといっしょに口に入れると、もうこの世のモノとは思えない美味さ。
おそらく世界中の魚を食べることのできる人種の方々が、皆文句なしで絶賛される味だと思います。
以前来た時は、「のど黒の煮付」が出て来ました。
メヌケと同様、これも高級魚です。
プロテニスプレイヤーの錦織選手が、先の全米オープンテニスで準優勝をした時、帰国後会見で「今何がしたいですか」の問いかけに、
「のど黒が食べたい」
と回答してから一躍有名になりました。
煮付けには最高に合う魚です。
メヌケものど黒も煮付けは昆布敷にごぼうというシンプルな組み合わせは変わりません。
さて、最後のお椀ものの前ににぎりが来ます。
どれも江戸前寿司を代表するような王道ネタです。
一番最初にカウンターに乗せてくれたネタは、「活墨烏賊(すみいか)」です。
こりこりの歯ごたえです。
次は雲丹(うに)のにぎりです。
北海道 利尻産の高級うにを使用しています。
もう説明は要りませんね。
口の中でとろける食感がたまりません。
お酒が進みます。
板前の技術と経験がモロに出るネタが子肌(こはだ)です。
塩と酢の加減と漬ける時間など、まさに料理人の勘がものを言います。
従って板前によって仕上がる味が全く違ってくるネタなんです。
宇田川さんの子肌、文句なく完成された味です。
そしてこだわりの車海老です。
養殖ものが増えている中、宇田川さんが使うのはもちろん江戸前ですから羽田沖産。
1970年台以降公害規制が厳しくなったことと、大きな工場が移転したことで、江戸前の魚が捕れる綺麗な海が戻ってきました。
江戸時代にはこのへんで捕れる魚のみが「江戸前」と呼び、長きにわたり東京人の舌を唸らせてきたネタの漁場です。
そんな中から目利きの宇田川さんが選んだ逸品です。
ここで、「漬け鮪(まぐろ)」を特別ににぎってもらいました。
今は鮪(まぐろ)は新鮮な生が好まれるご時世なので醤油漬けは殆どされなくなりました。
昔冷凍冷蔵の技術が無かった時代は、保存を目的に醤油漬け(ヅケ)が主流でしたが、醤油と言えども塩ですので辛くなって味が落ちるのが通常です。
しかし、それはネタの鮮度によります。
宇田川さんが仕入れる鮪(まぐろ)は鮮度抜群なので、通常数十分ほど漬けるところ「たったの数秒のみ」でしっかりと漬かります。
数秒だけで充分醤油漬けになるんだそうです。
新鮮な鮪(まぐろ)だけに「吸い込みも早い」と解説してくれました。
適度に醤油を吸った鮪の赤身は、独特の旨みがあり一部の鮪専門店では今も変わらず「漬け(ヅケ)」を出しているところがあるとのこと。
江戸前の伝統的な「漬け鮪(まぐろ)」宇田川流、おいしくいただきました。
さて、締めのお吸い物です。
赤出汁の浅利の味噌汁、もう定番ですね。
和食の世界で長らく腕を振るってきた方の味と、そうでない方との違いは、「出汁の味」だとつくづく思います。
一級品の仕入食材が、長年の経験と勘が冴える宇田川さんの手に渡ると、いろんな絶品料理が紡ぎ出されてきます。
汁物はモロに出汁の味が出ます。
濃厚で忘れられない赤出汁、良い経験をさせていただきました。
料理を創りながら、同時にお客様との会話にも神経を使わないといけない宇田川さん。
どんな時でも手は絶対止まりません。
正確に食材を捌いています。
まさに職人芸です。
では、そんな宇田川さんの雰囲気をビデオ動画でご覧下さい。
ほんの一瞬で申し訳ありません。
私と一緒にいて、横で面白おかしく宇田川さんをいじっているのが当社の会長です。
さて、和食には欠かせないお酒のご紹介です。
いつも昇楽(しょうらく)に来た時は、日頃焼酎がメインの私も、やはり美味しい日本酒をいただきたい。
特にそんな気分にさせてくれる献立が続くんです。
自然に日本酒を選らんでしまうんですね。
ただ、1点ご注意ですが、コース料金には飲み物代は含まれていません。
今日は白檀の15,000円コースをご紹介しましたが、大体2合徳利で1,800円からとお考え下さい。
それで日本の銘酒を楽しむことが出来ます。
では、私が飲ませていただいた絶品のお酒をご紹介します。
どれも口当たり最高、まったくクセが無く、口の中にいったんふくませると、豊潤な香りが喉から鼻に抜けてきます。
私は特に「風の森」が好きでお勧めです。
一番高価なお酒は、最後の「石田屋」です。
これは滅多なことでは口にすることが出来ない稀少なお酒。
試しに飲ませていただきましたが・・・筆舌に尽くせない、飛び抜けた味がしました。
他のお酒よりもちろん高いと思いますので、一度宇田川さんと相談してください。
さて、長くなりました。
これでどれだけ「すし処 昇楽(しょうらく)」の美味さが伝わったでしょうか。
しかしどれだけ細かく書かせていただいても、まだ10%もお伝え出来ていないと思います。
それだけ宇田川さんの創り出す「味世界」の奥行きは深い。
全ての料理に共通して言えますが、口に入れた瞬間気づかされます。
「今まで食べてきた和食とは全く違う美味さ」
一気に口の中に広がるんです。
本当に一瞬です。
凄い腕だと思います。
皆さん、東京に行かれた際は是非立ち寄ってみて下さい。
間違いの無い日本の寿司料理を堪能していただける自信があります。
静かにお客様と対座する宇田川さん。
料理と一緒で、決して暑苦しい雰囲気にはなりません。
味に贅を尽くした料理が主役です。
自信のある磨き抜いた珠玉の一品一品をとにかく楽しんでもらう。
お客様の様子を静かに見守りながら、足らずを補う宇田川さんの気配りもまた逸品です。
「何度足を運んでも飽きの来ない店」
会長が多忙なスケジュールを空けてまで週に3日から4日利用する理由がよく分かります。
ベトナムにいると先ず通うことは難しいですが、東京に仕事で赴いた際は必ず寄りたいと思わせてくれます。
また、いつでもここで食べられるように仕事を頑張ろう、そう心から思わせてくれます。
お時間のあるとき、私の名前を出して暖簾をくぐってみてください。
幸せな時間をお過ごしいただけるかと思います。
以上、東京は西新橋にある寿司料理の極み「すし処 昇楽(しょうらく)」のご紹介でした。
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