ハノイリビングの田口です。
今日は当社のお母さんスタッフ「マダムHuyenさん」との会話で知った、「へぇ〜」と言うお話を軽くさせていただきます。
お客様のご案内が終わり、車で帰社する途中。
いつも私は「ハノイリビング女子」と一緒に、お客様のご案内をさせていただく機会が多いのですが・・・
中でもハノイリビング歴5年の御大「マダムHuyen」さんと一緒に回ることは、最近とみに減ってきております。
その理由は、何と言っても、Huyenさんが忙しいから。
税金やら請求書の発行やら経費の支払いやら・・・
当社の「金庫番」を長年勤めていただいておりますので、彼女にはあまり営業仕事の負荷を掛けず、できるだけオフィスにいてもらう方が会社は回るんです。
でも「どうしても!」、という時があります。
Fraser SuitesやSomersetなど、しっかりと決めたい時です。
私は無意識の内に、Huyenさんを指名してしまう。
もう、その抜群の安定感たるや・・・
思わずひれ伏してしまいたくなるほど、確実は仕事ぶりを見せてくれます。
その日は数少ない、Huyenさんを連れてのご案内でした。
隣にHuyenさんがいてくれると、つい私はベトナムの文化について、色々と質問してしまいます。
Huyenさんは生粋のハノイ人。
家族とともにずっとハノイの地で生活を営んでいる、まさに「ハノイの生き字引」です。
また先でも申し上げましたが、彼女はハノイリビング歴5年。
私がベトナムハノイに来てから、ずっと側で支えてくれている大切な右腕です。
帰路が夕方の帰宅ラッシュと重なり、大渋滞に巻き込まれる羽目に。
車窓に映る夥しいバイクと車の波を眺めるしか仕方がない時間帯。
思わず私が、
「ハノイってどんどん人口が増えてきている気がするね」
頭に浮かんだことをそのまま口にすると、Huyenさんはまっすぐ前を見たまま、少し首を傾げてこう言うんです。
「ここ数年の間に・・・ハノイ人がどんどん減っているです」
思わず私はHuyenさんの顔を見返しました。
こんなに人で溢れかえっている道路の真ん中で、意外なことをつぶやくので、
「どうしてそう思うの?」
と聞き返すと、
「ハノイで生活をしていると、いろんな人の言葉が聞こえてくるけど、言葉が変わってきている。ハノイ人の言葉がどんどん減っている」
「ほうっ」と思いました。
我々には分からないことですが、ハノイで生活をしている彼女の耳に入ってくる言葉が、以前に比べ、ハノイの外から来た人達の方言にとって変わってきているというんです。
「家の近所でも、買い物に行った時でも、どこかにご飯を食べに行く時でも、ハノイの人の言葉を聞く事が少なくなっているです」
これは生粋のハノイ人Huyenさんの実感です。
でも彼女の実感は、かなり正確にハノイの現状を反映しているように思います。
「ものすごく減ってきているよ、ハノイ人・・・」
どんどんハノイを目指し流入してくる人の流れとは反対に、大量のハノイ人がハノイを去って行く現状。
私達外国人がハノイにいるベトナム人を見ても、その構成比率など窺い知ることはできません。
とても意外なHuyenさんの言葉に、
「どうしてだと思う?」
と聞き返しました。
答えが知りたい、強烈にそう思いました。
Huyenさんは少し下を向いて考えてから、
「先ずお金持ちは海外へ移住しています」
と答えてくれました。
そう、確かにそれはあるだろうと思います。
特にハノイ人家庭は、農家中心の地方出身者よりも、両親がビジネスをしている率が高く、お金持ちが多い。
海外留学をさせることのできる家庭は率的には多くなります。
ベトナム人がお金を使う先のTOP2は、「健康に関する出費」と「子供の教育費」です。
資力のあるベトナム人は、子供に海外留学をさせる。
日本、アメリカ、ヨーロッパ・・・
そして卒業後その国で仕事を見つけてそのまま就労する。
ベトナムとは全く違う、洗練された諸外国で我が子が堂々と仕事に就いている。
これは寂しい反面、親とすれば誇らしい事でもあるようです。
以前当社で頑張ってくれていた「お嬢Ngaちゃん」。
彼女もハノイ人です。
N1保持者の才女でしたが、彼女は今ヨーロッパで旦那さんになるベトナム人の彼氏と大学に通っています。
卒業後はその国で就職をし、堂々と英語を駆使して仕事をしていく計画です。
間違いなく彼女なら出来ると思います。
そして、ベトナムの親を呼び寄せる。
子供のいる海外へ出て行くハノイ人。
この流れが一つあります。
「次はホーチミンへ引っ越すハノイ人も多くいると思います」
なるほど、ホーチミンからハノイはあまり聞かないですが、逆はかなりあるようです。
理由を聞くと、
「寒くないし、商売ならホーチミンの方がやりやすいしね」
寒さが嫌いなハノイ人がいるのか。
しかしそれは当たり前かもしれません。
バイクがまだまだ主流の交通手段である限り、霧雨勝ちのハノイの冬は、さすがに亜熱帯気候に慣れた体には、毎年の事ながら応えるんだと思います。
常夏のホーチミンは、冬で毎年うんざりしているハノイ人には羨ましい土地なのかもしれません。
中国同様のPM2.5といった空気の悪さもまた、ハノイ脱出の後押しをしている理由かもしれません。
内陸の空気が澱むハノイに比べ、海風に洗われるホーチミンの方が、空気は澄んでいるように思います。
津軽弁や大阪弁、博多弁が溢れかえる東京。
吸引力を生み出す強烈な魅力を持つ「花の都大東京」へ、夢を抱いて向かう日本人は大勢いるだろうと思います。
しかしその陰で「生粋の江戸っ子」の率がどうなっているのか・・・それは分かりませんが。
意外とゴミゴミした東京を離れて、自然豊かな地方の街へ移住している江戸っ子がいるとしたら。
これと同じようなことがベトナムハノイでも起きているということです。
ハノイはどうなっていくのだろう。
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