この記事を書いた2016年7月11日時点では、日本人医師は中島先生でした。
今回の私の咳は、当時の中島先生が担当していただき、その時のやりとりをこちらでまとめさせていただきました。
現在はその中島先生は、ラッフルズメディカルベトナムのホーチミンクリニックでご活躍中です。
今のハノイクリニックは、野田先生が日本人担当医師として対応されています。
私は今でも体の変調をきたせば、野田先生に診てもらっています。
ハノイリビングの田口です。
私はベトナムハノイに赴任する前から、鼻・のど・気管を患うことが多く、くしゃみ、鼻水が止まらなくなることが結構ありました。
風邪をひくと、咳(セキ)が止まらなくなる。
しかし、お医者さんに行き、出された薬を飲むことにどうしても抵抗があり、よっぽどのことが無い限り、医者の手に掛からないようにしていました。
咳(セキ)が出るから咳止めを、鼻水が出るから鼻水止めを・・・
体の症状には必ず理由があり、それを無理に止める薬など理に合わない、自分の体が持っている「自然治癒力」に恃むのが一番大切だと昔から信じていました。
ですので、体調が悪い時は「余り食べずによく寝る」という原始的な「治療法」を信じて続けてきました。
しかし、咳(セキ)がいつまで経っても止まらない場合・・・仕事に影響が出てきます。
そんな時は、仕方なく最寄りの医院に行き、「咳を抑える薬」をもらう。
本当は嫌ですが、周りに迷惑を掛ける訳にはいきません。
私と医者との関わり合いは、出来ることなら「関わり合いたく無い」気持ちをベースにした「一見(いちげん)付き合い」、この範囲を出ることはありませんでした。
しかし、歳を重ねるごとに、
「自分以上に自分の体を良く知り抜いてくれている『掛かりつけ医』を持ちたい」
そう思う気持が強くなってきました。
定期的な健康診断を始め、体がおかしいと感じるとき、必ず同じ先生に診てもらう。
自分の体の情報を、自分が掛かりつけ医と認めた先生の元に集中するようにする。
これで、医師との間で納得の行く「インフォームドコンセント」を得られることは、異国ベトナムで激務をこなす我々日本人にとって、とても大事なリスクヘッジになると思うんです。
ベトナムにも優秀な日本人医師が増えて来ています。
これは充分可能だと思います。
今年の4月、日本に戻る前から咳(セキ)が止まらなくなりました。
「また鬱陶しいのが来た・・・」
暫く我慢していましたが、オフィス内で咳(セキ)が止まらないのは、スタッフにとっても余り気持の良いモノではありません。
また、お客様のご案内中も、一度えずくと・・・言葉を継ぐことができなくなります。
目を閉じて、咳をしたい衝動をおさえ、おさまるまで唾液を飲み込みながらじっと耐える・・・
これでは仕事になりません。
ただ、数日後日本に戻る予定でしたので、戻ってから医者に掛かろうと決めました。
そして帰国してすぐ、いつもの近くにある医院へ行き、いただいたのがこの薬です。
内容はよく分かりませんが、メインは「アレルギー対策」の薬で固められ、あとは胃薬なども入っていました。
その医者に掛かったのは、約半年ぶりでした。
その半年前も同じ咳止めを処方してもらっていたので、ほぼ変わらず、同じような薬でした。
飲み続けましたが・・・
治ったのかどうか良く分かりません。
現象は少しは軽くなった気がしますが、咳は完全に止まってはいませんでした。
そしてそのままベトナムに。
しかし、もらった薬が無くなると・・・
また咳(セキ)がぶり返してきました。
「自分はどうもアレルギーではないか」
何となくそう思うようになってきました。
咳(セキ)など、昔はちゃんとご飯を食べ、よく眠れば勝手に治っていました。
「疲れが溜まると、体の一番弱いところが悲鳴を上げる」
普通の人はそうなります。
私の場合は「のど・鼻・気管」です。
ベトナムの空気も、決して綺麗ではありません。
毎年決まった時期が来ると、空気中に何やらややこしいものが浮遊するらしく、そういうものにも刺激されているのか。
一向に咳(セキ)が治まらない状態、もう無理でした。
仕事を休んでも医者に掛かろうとそう考えた私が真っ先に思いついたのは、私共のお客様でもある「Raffles Medical Vietnam Hanoi Clinic(ラッフルズメディカルベトナム ハノイクリニック)」の総合診療医「中島先生」でした。
この総合病院は、もとの名前が「Hanoi International SOS Clinic(ハノイインターナショナルSOSクリニック)」でしたが、名前が変わっています。
長らくハノイにおられる方には「SOS」という呼び名で説明する方が、ピンとくるかと思いますが、ここでは新名称「ラッフルズ」を使わせていただきます。
日本商工会のサービス部会でも何度かご一緒させていただいたこともあり、また夜ご飯をご一緒したこともありました。
ワラにもすがる思いで、連絡を取り、アポイントの後ラッフルズへ。
職場の中島先生とお目に掛かるのは実は初めてでした。
私が書いた症状レポートをまずじっくりと読み、次に私が日本の町医者からもらった薬の説明書をさっと一瞥し、先ほど撮った胸のレントゲン写真を見ながら、熱い問診が始まります。
「日本のお医者さんは、アレルギー性というよりも、いろんな症状を抑える為の薬を広く処方されていますね。
私が田口さんの症状を診て思うのは、喘息っぽい症状ですが、細菌が気管に入って出る咳(セキ)かもしれません」
細菌?
初めて聞く話です。
「もし、アレルギー性の喘息ならば、長く付き合って行く覚悟をしないといけません。しかし、もし原因が体内に入り込んだ細菌だとすれば、完治させることができます」
なんとも心強い言葉です。
確かに原因が細菌なら、抗生物質で叩けば治ります。
疲れが溜まり、体の抵抗が弱くなるとき、激しい咳(セキ)が出てくる。
これは「アレルギーが原因」と一言で括ってしまえば説明は簡単です。
ただ今までの咳き込みの全てが細菌だったのか・・・
その都度、細菌をどこからかもらってしまい、咳(セキ)に繋がっていたという説明も、ちょっと無理があるように思います。
しかし今、中島先生から聞く話は、原因と考えられる可能性の話です。
その細菌の線で一度薬を処方して欲しいと伝えると、
「2種類の抗生物質があります。
まず、この薬を処方しますので、私が説明するペースで飲んでみてください。そして様子をみましょう」
そして薬をもらい、会社に戻り、早速飲み始めました。
効いているのか、いないのか・・・
少し治まったような気もしますが、しかし咳(セキ)は未だ出ます。
初めて診てもらってから2日後、中島先生から「どうですか?」、電話がかかってきました。
正直にまだ咳が残っていることを説明すると、
「なるほど、では初回の抗生物質は効いていませんね」
ばっさりと決断をされる中島先生。
「抗生物質というものは、飲めばすぐに効くはずなんです。いまだに咳が残っているということは、その時点で効いていないと判断すべきなんです」
そして翌日、もう一度SOSへ行き、2種類あるもう片方の抗生物質をもらいました。
「田口さん、この抗生物質が効かない場合は、喘息治療に切り替えましょう。でも望みは捨てないで、しっかりと飲んでください」
その時、私もおそらく中島先生も、私の咳はアレルギー性の喘息であろうと、半ば諦めていたかと思います。
このPM2.5の濃度が結構高いハノイの空気です。
海が無い内陸部の盆地です。
海に抜けていくこともなく、空気が停滞するので、悪い空気が澱むんです。
「ある程度、仕方がないのかな」
そう思っていました。
しかし・・・もし私の体内に耐性を持った細菌が巣くっているのであれば、何が何でも効いて欲しい。
結果咳は根治するはずです。
こんなにお医者さんからもらった薬を真剣に飲んだのは、初めてです。
祈りながら飲んだその結果は・・・
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驚くことに、最初の1錠を飲んだ後からピタッと咳が止まったんです。
ものの見事にです。
ずっとのどの奥にいる、咳の予備軍と思われる「イガイガした感じ」が一掃されていました。
朝起きた時の爽快感ときたら!
すぐ翌日の朝、余りに嬉しかったので、中島先生に電話をして咳が止まったことを連絡しました。
「ああ、じゃあ効いていますね。もう大丈夫かと思いますが、あと2日間飲み続けて週末またきてください」
これほど抗生物質の威力を体感したことはありません。
週末にお邪魔し、全く咳き込まない私を見ながら、診断書に「完治」と記入された中島先生。
確かに、まさしくこれは「完治」です。
それに、何より心強いのは、今後また同じような咳が出ることがあれば、私は中島先生のアポイントを取るだけで良いんです。
細菌はどこから体内に入ってくるか、分かりません。
人の口から出た飛沫を受けて発症する可能性は高いようです。
また同じ抗生物質を飲めば良いのですが、中島先生曰く、
「時間が経つと前回効いた抗生物質でも効かない『耐性菌』が出てくる可能性もあります。
その時々に田口さんの様子をみて、また咳が出て来たとき対応していきましょう。
兎にも角にも今回は完治したようです。お疲れ様でした」
「お医者さんに治してもらった」
この感覚が私には斬新で、とても感動的でした。
薬を入れる前の説明から、目的を持った処方内容、そして経過を見ながら説明通りの投薬をしてもらった結果、作戦通り「完治」した訳ですから。
今までずっと悩まされてきた咳。
出たり出なかったり、良く原因が分からず、町医者が出す咳止めを飲んで急場をしのいできました。
「咳をすれば間違い無く肺の細胞が破壊されますからね、良いことは一つもありません」
中島先生は、聞くと北京で仕事をしていた経験をお持ちです。
向こうはハノイより比べものにならないくらい空気が悪く「北京咳」という症状と闘ってきた実地の治療経験を豊富に持たれています。
私はラッキーだったのかもしれません。
ベトナムハノイで仕事をする限り、いつ「ハノイ咳」に見舞われるか・・・わかりません。
花粉症のように、一定量の花粉を体内に吸収することで、突然発症することもあります。
ハノイの空気を吸い続けて、今まで経験したことも無かった「喘息」に突然悩まされることも出てくるかもしれません。
「薬を飲み続けないといけない喘息治療なんて絶対嫌だ。自分がいるオフィスや自宅アパートの空気にはもっと気を遣うようにしよう」
マダムHuyenさんに言って、オフィスに空気清浄機を入れてもらおうと決めました。
空気や水は、少々のお金で改善はできます。
最後に総合診療科医「中島先生」の所属される病院のご紹介をさせていただきます。
予約の電話も日本語対応OKです。
日本人の受付と日本語の話せるベトナム人がいらっしゃいますので安心して連絡してください。
- 【日本人医師】中島 敏彦先生
- 【病院名】Raffles Medical Vietnam Hanoi Clinic(ラッフルズメディカルベトナム ハノイクリニック)
- 【住所】51 Xuan Dieu(フレーザースイート裏) Tay Ho Dist. Hanoi, Vietnam
- 【予約連絡先】
・Tel : 1900-545-506 (日本語・ベトナム国内専用)
・Tel : +84 4 3934 0666(英語・越語)
・Fax: :+84 4 3934 0556 - 【診療時間】 月曜〜日曜 8:00~20:00
※年中休み無しで対応しています - 【メールアドレス】 hanoi_japanese@rafflesmedical.com
以上、インフォームドコンセントの素晴らしいラッフルズメディカルベトナム ハノイクリニックの日本人医師、中島先生のご紹介でした。
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