今、こんな日本人がベトナムハノイに来られています!

さて、ここから歴史は始まる

さて、ここから歴史は始まる



ハノイリビングの田口です。

今日は、つい先日お目にかかったとても愉快で豪快で真剣な二人の男(お客様です)をご紹介します。
店舗物件を探されていた方です。

その方々との出会いは、ある日突然でした。
ハノイリビングの日本人専用窓口電話が鳴り、威勢の良い江戸っ子口調で、

「今ノイバイ空港についたのよー。お宅は店舗物件取り扱ってる?」

慌ててタクシーに乗ったのか、息を弾ませながら、いきなり単刀直入な問いかけです。
勿論やっていることをお伝えし、「何屋さんをやりたいんですか」と、こっちもつられて核心を突く投げかけをすると、

「高級店ですよ、高級店。日本料理だよー」

ほう、そうですか。
高級店、そう、どういうこだわりのお店にするおつもりなのか。

「クオリティを追求するなら金に糸目は付けない」

こんな感じなら、お相手するこちら側も気合いが入ると言うもんです。
いろんなコンサルさんや内装業者さんと一緒に、こだわりのお店を創り上げる。
楽しいお仕事になります。

「どのあたりで出したいとお考えですか」

と聞くと、何やらぼそぼそと語り合う様子。
もう一人、側にお連れさんがおられるようです。

「いやぁー、今ホーチミンからきたばかりで、こっち初めてなのよ。どのあたりが良いのか、逆に教えて欲しいのよー」

勿論、了解でございます。

「やるならね、真剣にやりたいのよ。妥協無しにね。今タクシーに乗ってホテルに向かっているから。ホテルに来れる?直ぐにハノイの話が聞きたいのよ!」

どうやらベトナムエアラインの機内誌「HERITAGE(ヘリテイジ)」に掲載してある、私共ハノイリビングの紹介記事をご覧になってのお問合せのようです。
とりあえずホーチミンから来たと。

なぜホーチミンから?ホーチミンで物件探していたんじゃないのかな?
ああ、そうか。ホーチミンとハノイで同時に店を構えるつもりかな・・・

いろんな考えが頭に浮かびました。
肝心の予算額を聞く暇も与えない慌ただしいやりとり。
何やら急がれているようで、「そんじゃー」と言うなりぷつっと携帯を切ろうとされます。
携帯2つ持って、2人の相手と同時に打ち合わせやっているような感じ。

しかしそうは言っても・・・
こっちもてんてこ舞いで、「今の電話で今からすぐ」というアポイントはまず対応が難しいのです。
ただ「高級店」という言葉と、最後に言われた、

「直ぐにハノイの話が聞きたいのよ!」

の一言が、なんだか切羽詰まった感じがして、頭の中に残っています。
自分が対応しなきゃいかんだろうと直感し、ご宿泊ホテルで落ち合うことにしました。

今はCafeですが、ここが・・・大変身しますよ

今はCafeですが、ここが・・・大変身しますよ



時間ぎりぎりで約束のホテルのロビーに駆け込んだ時、既にソファーにお二人の年輩男性が2人お座りになっておられました。

片手を上げて、私に近寄ってこられた方。
先ほど電話をかけてきた方だと直ぐに分かりました。

神社に座る石の獅子にそっくりなお客様でした

神社に座る石の獅子にそっくりなお客様でした

高い鷲鼻に、白髪交じりの縮れ毛を後ろに流しています。
目つきは鋭く、なんと言うか、タバコを口の端でくわえ、株式新聞を斜め読みしている兜町の相場師然とした雰囲気です。

何となくですが・・・
神社で良く見かける「石の獅子」の顔に似た面立ち。

「なんか、鋭い・・・」

もう一人は、お腹が大きくせり出した、ぽっちゃり体型で背が低く、頭はしっかりと禿げているけど、温和な表情の中年男性。
ちょっと照れ屋で、「鷲鼻獅子さん」の後ろに隠れるような佇まいです。
お二人とも、もう60歳は超えているでしょうか。

今日は、とにかく初めてお目にかかります。

自己紹介の後に、もう少し詳しく「追っかけているお店の雰囲気」をお聞きし、探す前のイメージを膨らませるたかったので、勢い込んでお尋ねしました。

「高級店を目指されるんですね。お家賃はどれくらいをお考えですか?」

一番聞きたかったことを先ず伺うと、

「はあ?1杯立ち飲み屋だよ」

「・・・・・・」

ホテルのふわふわソファーからずり落ちそうになりました。
しかし高級というのは・・・

「よく考えてよ、たぐっちゃん。ホーチミンでも色々と居酒屋さん回ってみたんだよ。
しかしさぁー、みんなかわいそうだよ、高い酒飲まされてさ。
黒霧島一本下ろすのにいくらかかるよ。冗談じゃないって!」

初対面でいきなり「たぐっちゃん」と呼びかけられる気さくな紳士さんです。
こちらベトナムで飲む日本の焼酎は、日本の倍以上するのは、輸入しているので仕方が無いことなんですが。

「それでさ、俺たちゃあ考えたのよ。
選ばれた優秀な日本人が遠路はるばるベトナムくんだりまで来てさ。
そりゃホンダやトヨタの社員さんなら、ちっとも困らねえがよー。
中小の若い人達がたくさん来てるって聞くぜ。
毎日サイフの中味計算しなきゃいけない方々によ、お金の心配せずに、美味いつまみ食べながら気持ちよく酒飲んでもらってさぁ。
酔っ払って家に帰って欲しいわけさ」

「・・・・・・」

「東京でやっている居酒屋にさ、ベトナム人が働いてくれていてね。もうすぐハノイに戻るのよ。
とっても可愛くて、よく働く子達でね。
その大切な子達に、ハノイで引き続きうちの従業員になってもらおうってね。
で、決めたんだよ。
やるなら中途半端は無しさ。とことん安さにこだわった人気店にしようってね。

『おいおい、あの店だぜ。ベトナムのハノイで安さ勝負の和食料理屋やっているんだって』

なんて指さされてよ。
まあ、有名になるのは間違いないわ。
もう東京でせんどやってきたからさぁ。
おまけにうちのやり方、日本で叩き込んだ子がホール仕切るんだからさ」

この人達の頭の中には「採算」というそろばんはないんだろうか・・・
頭によぎった私の素朴な疑問を察知してか、

「もちろん、やるからには利益は・・・ある程度はね、なあ、山ちゃん」

気さくな「鷲鼻獅子さん」が「山ちゃん」と声をかけたのは、もう一人のぽっちゃり男性。
お名前は山ちゃんと言うらしい。

「うーん、でもあんまり利益をデカく上げようなんて、面倒下さいこと考えていないよ。女の子達のお給料と少しの利益がでればそれで良いんだよ」

なんと肩に力の入っていない日本人。
鼻息を荒くする対象が、他と全く違います。
しかし、儲けよりも大切に考えているものが、どうもあるようです。

安く美味しくお酒が飲めて、たくさんの大衆に喜んでもらいたい・・・
そんな思想で店をやり、そして一泡吹かせたい、ただそれを狙っている??

「なあ、たぐっちゃん。どうだい、高級だろ?」

1階からインパクトのある店構えになる予定です

1階からインパクトのある店構えになる予定です



アパートへ帰るタクシーの中で、心地よい疲労を感じながら、目を閉じて今日初めて会ったお二人の言葉を反芻しました。

日本で何店も駅前居酒屋を経営する「山ちゃん」。
そのお店に、もう10年以上通う常連客が、今日殆ど話をしていた「鷲鼻獅子さん」。
最後の方で、ようやくお二人の関係がわかりました。

山ちゃんは根っからの料理人。
賃貸物件の契約など元々苦手なので、見るに見かねてお客さんの「鷲鼻獅子さん」が付き添って一緒に物件を探してあげているんだとか。

「山ちゃんはさぁ、料理と女しか興味ねえからさぁ、いい歳して困ったもんだよ」

こんな会話をしても、二人はニヤニヤ笑っている。
話の雰囲気に湿り気はなく、秋の紅葉を揺らす一陣の風のように、涼しく乾いている。
一緒にいるこっちも、なんだか心地よくなってきます。

その山ちゃんの東京の居酒屋は、安い!美味い!が評判で結構人気店だとか。
駅前に5店舗も展開し、どの店も連日超満員なんだとか。

「でも、最初ホーチミンで探していたんでしょ」

私が聞くと、

「違うんだよ。ホーチミンでさぁ、不動産屋に色々紹介してもらったんだけど、どれも路地先の辺鄙なとこばっかし連れていくんだよ。
そんな目立たないとこでやっててもさぁ、面白くないじゃん」

連日いろんな仲介業者に連れて行かれたらしい。
しかし予算にあう物件が全く無く、ホーチミンを諦めてハノイに来たと。

ちなみに予算はと聞くと、2,000ドルだと。
そんなのハノイじゃ、掃いて捨てるほどある。

ホーチミンって、そんなに物件が無いのかいな?

お二人に、明日一日使って、気の済むまで物件を見ていただくことを約束した私は、ホテルを後にしました。
頭の中で、見せる物件はもう決まっています。

「さて、決まるかな」

時刻は夜の8時。
Kim Ma通りまで出て、LOTTEが見えてきた時、軽い睡魔に襲われました。

すっきり広い2階スペース「3フロア1杯まで利用できます」

すっきり広い2階スペース「3フロア1杯まで利用できます」



ハノイリビングの店舗担当は、「ハノイリビングの愛ちゃん」ことTinhちゃんです。
体は小さいですが、ローカル業者とは打々発止のタフなやり取りをしてくれます。
その結果、昨日お会いし、お話した感じから、私が更に3件に絞りました。

「この中から、必ず決めていただける店舗物件があるはず」

そう確信できるほど、物件もオーナーも粒ぞろいです。
店舗物件は最低でも3年契約を求められます。
契約後は、オーナーと長い付き合いをしなければなりません。

儲け一辺倒な吝嗇オーナーであれば、まず苦労をするのは借りるお客様とサポートに入る我々仲介業者です。
店舗建屋の一部をオーナーの居宅として利用する物件が有った場合、自分たちの水道光熱費や税金まで、契約したテナント側に払わせる強欲なオーナーも普通にいます。
そういう「だぼはぜオーナー」は最初から切り捨てています。

「田口さん、このオーナーはアカン」

オーナーと直接交渉してくれていたTinhちゃんも、話の感じでダメダメオーナーをびしっと指摘してくれます。
もうすっかり大阪弁が板に付いてきたTinhちゃん、頼もしい限りです。

Tinhちゃんと二人で、お客様がご宿泊されているホテルまでお迎えにいきました。
10分前にホテルのロビーに着いたのですが、既にスタンバイ済みのお二人。
さすがに時間は「日本時間」です。
小気味よさを感じながら、タクシーに乗っていただき、早速1件目のKim Maの物件へ。

3階はテラスが付きます

3階はテラスが付きます



約1時間、現場をじっくり検分されます。
多少雨が降ってきたのですが、なりふり構わず、何度も物件内を言ったり来たり。

  • フロア面積は内法か芯々か
  • 築年数は
  • 前はこの建物テナントは何をしていたのか
  • この周辺のKim Maの和食レストランの客単価はいくらか
  • オーナーは何をしてる人か

矢継ぎ早の質問攻めです。
そして最後に、

「たぐっちゃんは、ここどう思う」

まっとうなご質問です。
私がお客側でも、同じ質問を投げると思います。
かなり気になる様子・・・真剣そのものです。

そして次の物件へ。

次は外れ、ご予算を少しオーバーしているからでしょうか。
30分足らずで次の物件へ移動します。

次はHai Ba Trung(ハイバーチュン)区の日本食レストランがひしめき合う通り。
私が一番薦めたい物件です。

タクシーから降りた二人は、中に入らず、ずっと外から店舗物件を眺め上げています。
その間、二人が何度も目配せをしている様子を、遠巻きから見逃さず確認することができました。

「掴んでいる・・」

感触が良いようです。
何度も出たり入ったり、5階建ての路面店。
賃貸に貸し出すのは1階から3階まで。
4階と5階はオーナーさんがお住まいになります。

「オーナー家族が、店内を行き来することになりますけどね」

オーナーは店内にある同じ階段を使って出入りすることになりますので、念の為そこははっきりと伝えておかないといけません。
首を縦に振りながら、じっと店内のレイアウトを想像しているお二人。
そうしているうちに、

  • キッチンをどうする、2階に移すか
  • トイレは3階も付けるか

具体的な店の内装打ち合わせが始まっています。
良い手応えです。

一度タクシーで離れた後、もう一度確かめたいということで、引っ返す。
そしてまた30分間、採寸をしたりトイレをチェックしたり。

そして、その夜ご飯をご一緒する約束を取り交わすことに。
「店はたぐっちゃんに任せるよ」
そうは言われても、相手は人気居酒屋店のシェフさんと、その常連客です。
普通に日本食レストランでいいのか・・・
何が食べたいかお伺いすると、

「日本食はもう良いよ、ベトナム食の美味しい店、ああ、お鍋とかいいね」

難しい質問です。
ドローカルなお鍋屋など至る所にありますが、この2人の口に合うかどうか・・・

結局イチかバチかのキノコ鍋「Ashima」にお誘いすることにしました。

階段で3階まで、そんなにきつい勾配ではありません

階段で3階まで、そんなにきつい勾配ではありません



「いやー、長かったよ、ホントに、なぁー山ちゃん!」

ビールで乾杯後、相好を崩して気勢を上げたのは、もちろん「鷲鼻獅子さん」。
お店に入り、座るなり最後に見たHai Ba Trung(ハイバーチュン)の物件に決めたことを告げられました。

それから、何やらつっかえていたものが全て溶けて無くなったみたいに、獅子顔が、ノドをくすぐられて喜ぶネコ顔に豹変しています。
山ちゃんもつられて七福神の布袋さんのような表情で、美味しそうにビールを飲んでいます。

「そんなに長い時間、ホーチミンで探していたんですか」

長かったよーの時間軸がよく分からないので聞くと、

「何言ってるの、ホーチミンに行く前はミャンマーだよ。その前はラオス。その前はバングラデシュにも行って探したんだよ、俺たち」

ええっ、バングラデシュ?
聞くともうかれこれ2年、時間を見つけては東南アジアに店舗探しをしてきたと言うんです。

「まさかハノイで決まるとは、俺たちも思っちゃいなかったよ。あー、良かった良かった!
これで山ちゃんも『世界の山ちゃん』に華々しくデビューだよな、ガハハハー」

これだけ子供のようにはしゃぐお二人を見ていると、それまでの長い物件探しの旅が、相当きつかったことが分かります。

「しかし、たまたま機内誌で見かけたのがたぐっちゃんのところでさぁー、本当に巡り合わせって怖いよな。
でも、一発で仕留めてくれて、ホントに有り難う〜」

ビールのジョッキーをテーブルに置き、がっちりと握手を求めてくる「鷲鼻獅子さん」。
そこまで言われると、本当に私も嬉しいです。

「お店できたら飲みに来てよ。思い存分ホッピー飲んでちょーだいよ」

ホッピー??
一瞬何のことか分からず、オウム返しに聞き返してしまいました。

「あんた、何年生まれだ?ホッピー知らないの??」

見たことのない動物でも見るような表情で、二人とも私を見つめます。
思い出したように、山ちゃんが、

「ああ、田口さん関西の方ね。意外と関東モンしか知らないのかもな」

なにやら、焼酎の原酒を氷いっぱいにしたグラスに入れ、ビールで割るんだとか。
そんなの飲んだことがありません。
関東では下町のお酒メニューの常連なんだとか。

こっちでホッピーも出すんだそうです。
その後は、ベトナムハノイ版ホッピーのレシピ話に花が咲きました。

二人の楽しそうな会話を横で眺めながら、
「これからは自分たちのノウハウで、彼らを喜ばせてあげないと」
思わず兜の緒を締め直す心境になってきます。

お店をOpenさせるということは、会社名義にするのか、個人商店でいくのか、それによってオーナーさんにお願いしなければならないことが出て来ます。
内装業者さんも選定してあげ、フリーレントの交渉も必要です。

「世界の山ちゃんにカンパーイ!」

盛り上がっているお二人につられて、今日は祝杯に酔っ払おうと決めました。

道は日本食レストランが軒を連ねる日本人街。立地に申し分ありません

道は日本食レストランが軒を連ねる日本人街。立地に申し分ありません



お店の名前も既に決まっているそうです。
その名も、「サムライ」。

「Tay Ho地区に同じ名前の整体マッサージ店がありましたが、大丈夫じゃないですか」

意見を求められて、酔っ払いながら答えました。

和食料理店は「味」と「値段」の勝負です。
どんな路地先に出しても、美味ければKim Maの「KIROKU(きろく)」のように繁盛するのは目に見えてわかりきったことです。

春先Openを目指して。
間もなくHai Ba Trung(ハイバーチュン)のTrieu Viet Vuong通りに、奇妙な「駅前居酒屋 ハノイ縄のれん店」が登場します。
今は、影も形もありませんが。

皆さん、記憶の片隅にでも留めておいてください。
Grand Openしたときは、こちらで発表致します。

では、もったい付けても仕方がありませんので(笑)。
今回ご紹介し、長い店舗物件探しの旅に終止符を打った「Trieu Viet Vuong通り」の店舗物件をYouTube動画でご紹介します。
この物件は、既に成約済みですので悪しからず。

以上、我々ハノイリビングが、日々やっていることのほんの一例をご紹介させていただきました。

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田口 庸生

田口 庸生 の紹介

初めまして、「ハノイリビング」営業担当の田口(たぐち)です。 日本より初めてベトナムのハノイに着任された日本の皆様、 愛するご家族を日本に残し、初めての「海外単身赴任」をこれから経験される皆様、 快適なハノイでの生活を満喫していただくために、皆様の「お住まい探し」から「入居後のサポート」まで一貫した「窓口対応」を請け負います。 「ベストマッチ」を合い言葉に・・・ どうぞお気軽にお問い合わせください。 お待ちしております。
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