今日の話は一撃で終わります。
とても簡単なこと。
タイトルを読んで字のごとし(笑)
あまりに簡単明瞭な話なので、冒頭写真は「ややこしい」ものを選んでみました(笑)
「手の込んだジョーク」なら大繁盛しているはずですが・・・
残念ながらそろそろ店じまいの「やる気が無いお店」が正解です。
USD(アメリカドル)で預けた「敷金(デポジット)」がベトナムドンで帰ってきたら・・・
通常はびっくりするかと思います。
「ふざけるな!」
という声が聞こえてきそうです。
しかし、これは気をつけていただきたい最近の傾向なんです。
分からない方もいるかと思いますので、念の為ご説明しておきます。
賃貸住宅を契約する際、これは日本でもベトナムでも同じですが、「敷金」を払います。
こちらでは「Deposit(デポジット)」と呼びます。
「敷金」は「預かり金」ですから、退去時に戻ってきます。
未払いの家賃とか電気代などがあれば、その分を差し引いて戻ってくるんですね。
日本国内であれば「日本円」しか流通していませんから何も問題ないのですが、ベトナムの場合USD(アメリカドル)とVND(ベトナムドン)の2つの通貨が流通しています。
ベトナムに赴任が決まり、アパートを契約します。
当然契約書へのサインの次は、敷金(デポジット)の支払をして晴れてお客様のアパートとして「抑えた」ことになります。
その際、
ベトナム国内で敷金(デポジット)を支払う(振り込む)時は、支払通貨はVND(ベトナムドン)しか受け付けられません。
これは前家賃も同じです。
国内でのお金のやり取りは「VND(ベトナムドン)」のみで・・・当然の施策かと思います。
ところが海外からの送金の場合。
つまり、ベトナム国内の現地法人や事務所、または赴任した個人が国内で支払うのではなく、ベトナム以外の国から送金をする場合、
USD(アメリカドル)送金をする企業様が多いんですね。
アパート側が発行する請求書には「VND(ベトナムドン)口座」と「USD(アメリカドル)口座」の2つのアカウントが表記されています。
どちらで送金してきても、着金できるように準備をしている分けです。
つまり、
- 国内支払はVND(ベトナムドン)で
- 国外支払はUSD(アメリカドル)で
こういう流れで皆さん敷金(デポジット)をお支払いされます。
そして、契約期間が終了します。
国外送金でUSD(アメリカドル)で支払った敷金(デポジット)はどうなるか・・・
今まではもちろん「預けた通貨で預けた金額を戻す」、これが大前提でした。
しかし・・・
最近VND(ベトナムドン)でレート換算して振り込むアパートが増えてきています。
当然契約時にUSD(アメリカドル)を着金したときのUSD・VND間のレートで計算されたベトナムドンで、です。
なぜでしょう。
ベトナム政府がドルの流通自体をかなり制限しているからです。
対アメリカドルに対して、ベトナムドンの切り下げはずっと続いています。
そりゃそうでしょう。
世界の基軸通貨と同じように流通するベトナムドン。
どっちが有り難いか、手元に持っておきたいか・・・と言えば、100%ドルです。
今年6月27日のロイターの記事。
ベトナム中央銀行は、「通貨ドンの対ドル基準値を現在の1ドル=20.828VND(ベトナムドン)から1%切り下げ、21.036VND(ベトナムドン)とすると発表」
10年以上ベトナムにいる方から言わせると、ベトナムドンはずーっと切り下がってきているとよく耳にします。
その原因を同時に流通させているドルにあると考えた政府は、ドルの締め出し政策に踏み切っているということです。
なるべくドルを使わせないように・・・
これによって、賃借人からドルで預かった「敷金(デポジット)」を預かった時のレートで計算したベトナムドンで返却するアパートが増えてきています。
もちろん、これはアパートの考え方一つです。
今でも、国外からドル送金された敷金を、退去時に同額のドルで返しているアパートもあります。
が、これは当社がかなり交渉をして、なんとか聞き入れていただいた一部のアパートのみに限ります。
かなりUSD(ドル)がベトナム国内で使いづらくなってきています。
「敷金の戻しもベトナムドンで」
一部の例外なくこうなる日も、そう遠くないと思います。
ベトナム人にも不人気のVND(ベトナムドン)で返してもらってもね・・・
富裕層は不動産に資産を変えたり、「金」へ投資したり、ベトナムドン資産を切り替えているのが現状なのに。
ベトナムドンの切り下げが止まらない原因は、「ドルとの共存」よりも「政治」にあることくらい、ベトナムにいる人達はみんな知ってますが・・・
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