最近入社の深田君、大車輪の活躍です。
もともとネコの手も借りたかった時に、人材派遣会社のご紹介で突然現れた若い働き手。
今や「ハノイリビング」にとって、まさに「救世主メシア」・・・「ネコの手」以上です(笑)
彼の忙しさを計るバロメーターである「付箋の数」。
なかなか減っていきません。
付箋の数だけあるクレーム・・・
その「深田付箋」がまとめて3つくらい増えるようなお問い合わせが入ってきました。
「トイレの便器から水漏れしています」
事務所のスタッフ全員が、一瞬静まりかえるような内容・・・
いつからなのか再度お聞きすると、
「昨日あたりから急に出だしたんです」
現象がただ事ではありませんので、即アパート側にお伝えし、ワーカーに走って貰うことにしました。
結果、アパート側が言うには、
「構造的に直せない・・時間がほしい」
なんじゃそりゃ。
便器の水漏れで「直せない」は無いだろー!
とりあえず途中経過の一報をお客様に入れないといけません。
電話をして、状況を説明しましたが・・・
「田口さん、実は・・・他にも前から言いたかったことがあるんです」
とても温厚で優しいお客様です。
私たちにあまり無理難題を言わず、黙って我慢してくれるような方なんです。
「ここは、ベトナムですからね・・・仕方がありません」
そんな風に柔らかく笑顔で話す・・・そんなお客様です。
しかし、お客様のサービスに分け隔てがあってはなりません。
「言いたい放題のお客様」と「じっと我慢のお客様」と・・・います。
「言ったもん勝ち」になる仲介サービスなど、おかしな話です。
今回のようなお客様を出さないように気配りするのが、私達本来の仕事です。
そんなお客様なので、逆に改まって言われると、思わず背筋がピンと伸びて緊張してしまいます。
「インターネットが・・・遅いんです」
はい、出ましたインターネットクレームです。
多いんです、このネットが遅いというクレーム。
「あと、ベッドルームのバルコニーのすぐ前に町内スピーカーがあるんですが、そいつがやかましくて・・・寝られないんです」
それは初耳です。
どうも、「町内放送」の為のスピーカーがあるようで、朝一にものすごい音量でベトナム語の放送が流れるそうです。
早朝公園で踊っているおばちゃん達のエアロビ体操の音楽がうるさいという話は良く聞きますが、「町内放送」というのは初めてです。
余りにうるさく、結局ベッドルームで寝ることができないので、リビングのソファーでお休みになっている・・・というんです。
「・・・で、そのリビングなんですが、1階のシャッターの昇降音が朝夕うるさくて・・・」
お客様は3階なのですが、ちょうどリビングの真下に入り口の電動シャッターがあるんです。
その稼働音が振動とともに部屋に飛び込んでくるというんです。
まさに、「住んでみないと分からない問題」のオンパレードです。
この状態で9ヶ月・・・我慢をされていたことになります。
信じられ無い程のご迷惑を掛けています。
「あともう3ヶ月なので、なんとかこのまま乗り切ろうかと・・・」
いえ、そんな問題じゃありません。
乗り切る必要などありません。大変申し訳ない話です。
こうなると、途中解約をアパート側のオーナーと交渉して、なるべく早く新しいアパートに移っていただく必要があります。
朝夕の騒音とトイレ便器からの水漏れを「我慢していただく」必要など全くありません。
「1ヶ月前Noticeの1ヶ月分のペナルティ」
最近何度も契約の途中解約のお話をしております。
今回の場合、途中解約の理由がお客様側の問題ではありませんね。
アパート側の「隠れたる瑕疵」が原因であることは明白な事実です。
住んでみないと分からない問題。
これはベトナムに限らず、世界中どこの賃貸住宅を契約しても起こり得る問題です。
我慢の限度を超える場合、かならずアパート側との「途中解約」の交渉に発展します。
賃貸借契約書には必ずアパート側の責任として、
「ベトナム法に従って物件を合法的に賃貸することについて保障すること」
または、「契約開始の当日からゲストが部屋及びサービスを使用できるように便宜を与えること」
という条文があります。
解釈の仕方は様々ですが、お客様が契約したアパートで「普通に生活できる」為の便宜を図らないといけないことに変わりはありません。
このアパート側の責任と、契約書に記載されているペナルティ(違約金)の支払と、
ここの解釈の「せめぎ合い」をアパート側オーナーとやり合わなければなりません。
これが私達の仕事なんです。
直接オーナーと交渉をすると、このやりとりを会社のローカルスタッフさんを通じてやらなければなりません。
しかし、その場合・・・契約書の途中解約条項を振りかざされると、契約交渉に慣れていない担当者では、太刀打ちできないのが現状です。
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昨日、新人深田君がそのお客様を新しいサービスアパートにお連れしました。
お仕事が終わって、夕方遅くからの内覧です。
御予算の範囲内で考えられる、最高の新しいアパートをご紹介し、気に入っていただきました。
途中解約に伴うペナルティ1ヶ月分の支払を「無し」としてもらえれば、直ぐ移りたい・・・とのこと。
今まで無用な我慢をしていただいたお客様です。
なんとしてでも交渉を成立させて、次のお部屋に移っていただこうと思います。
以上、「ハノイリビング」のよくある一日の風景でした。
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