「ペットを連れて行きたいんですが、ハノイの検疫チェックってどんな感じでしょうか?」
帯同されるのは、奥様やお子様だけではありません。
もちろん大切なペットを連れてお越しになるお客様もおられます。
ペットをお持ちの方にとって受け入れ国の体制は、まさに切実な問題だと思います。
特にベトナムとなると、日本のように行き届いたサービス体制がまだ徹底されていないところが有りますので、ご心配のことと思います。
そこで、今回はハノイでのペットの受け入れ体制のことを、実際持ち込まれたお客様の実体験に基づいてご紹介します。
日本から、タイから、シンガポールから・・・
アジア近辺からハノイへの赴任者様が最近急増しております。
その際ペットを持ち込むのに必要な書類が、ペットの「輸出検疫証明書」です。
それぞれの国ごとに、書式や管轄法の違いはありますが、日本を例にもう少し細かく定義しますと、
「狂犬病予防法及び家畜伝染病予防法の規定に基づく検疫を終了した証明書」が「輸出検疫証明書」ということになります。
「検疫証明書番号」を取得、そして農林水産省動物検疫所の家畜防疫官のサインとをいただいて、晴れて「輸出検疫証明書」の完成となります。
この「輸出検疫証明書」に記載される詳細項目は以下の通りです。
お客様の持ち込みペットが「犬」だったので、わんちゃんの場合を例にピックアップしてみます。
- 検疫証明書番号(Certificate NO.)
- 発行年月日(Date of Issue)
- 犬の名称・種別(Name of dog)
- 品種(Breed)
- 毛色(Color)
- 性別(sex)
- 用途(Use)※ここは「For Pet」となるかと思います
- 生年月日(Date of Birth)
- 仕向国名(Countory of Destination)※ここは「VIET NAM」となるかと思います
- 搭載年月日及び搭載地(Date and place of embarkation)※持ち込む日と出発空港名が来ますね
- 搭載船舶(航空機)名(Name of vessel or flight No.)
- 荷送人住所氏名(Name and address of consignor)※ここは通常お客様のご住所ご氏名と一緒だと思います
- 荷受人住所氏名(Name and address of consignee)※ベトナムにて契約されたアパートの住所とお客様のお名前になるかと思います
- 検査結果(Result of inspection)※検疫結果が問題ないと言う内容が書かれないとダメということですね
- 個体識別方法(マイクロチップ等)(Means for identification)※ここは犬の場合「Microchip」となるケースが多いのではと思います
- 個体識別番号/マーク(Identification number/mark)
- 標識年月日(Date of identification)※「個体識別番号」を取得した年月日が記載されると思います
- 標識部位(Location of identification)※犬の場合「NECK(首)」となるケースが多いかと思います
- マイクロチップ(リーダー)の種類(Type of microchip)
- 狂犬病予防接種(Rabies vaccination)の年月日(Date of vaccination)※数回に分けて接種しないといけないようです
- 狂犬病予防接種(Rabies vaccination)の有効期限(Date of expiry)※接種後1年間です
- 狂犬病予防接種(Rabies vaccination)の予防液の種類(Kind of vaccine)
- 狂犬病予防接種(Rabies vaccination)の予防液の製品名及び製造会社(Name of product and manufacturer)
- 狂犬病抗体検査(Rabies serological test)の血液採取年月日(Date of blood sampling)
- 狂犬病予防接種(Rabies vaccination)の抗体価(Antibidy titer)
- 狂犬病予防接種(Rabies vaccination)の検査機関名及び住所
- その他の予防接種の接種年月日、有効期限、予防液の種類、予防液の製品名及び製造会社
ざっとこれくらいの項目です。
この「輸出検疫証明書」が交付される間、ペットは空港にて「泊められる」ことになるようです。
これを正式に取得できていれば、おそらくベトナム入国の際は大丈夫だと思います。
また、ベトナムでアパートにペットを持ち込む場合、この証明書のコピーを提出することが条件になっている場合が多いということも頭に入れておいてください。
さて、ではこの「輸出検疫証明書」を携えてベトナムに入国した時のお客様の実体験をご紹介します。
どんな対応だったのか・・・です。
そのお客様はハノイ入りされたので、ノイバイ国際空港です。
ちょうどテト休みの時だったそうです。
出国チェックのあと、いつものように預けていた荷物を取りにターンテーブルのところまでいくと、その脇にゴルフバックや釣り竿と並んでわんちゃんのかごが置いてあったそうです。
そして、荷物をとりそのまま出口へ。
出口付近に座っている男性に呼び止められたそうですが、先ほどの「輸出検疫証明書」のコピーを提示したら、そのままOK。
で、入国できたということです。
なんともあっけない出方です(笑)。
テト休みだからということもあったのかもしれませんが、通常ここで部室へ連れて行かれて、再度検疫証明書とペットをチェックすることもあるようです。
ただ、ここで引っかかって入国出来なかったという事例は、私もそのお客様も聞いたことがありません。
わんちゃんと入国されたそのお客様のお知り合いの方にも聞いていただいたのですが、
やはりすんなりと入国できたそうです。
もしチェックが入ったとしても、出国の際に取得している「輸出検疫証明書」と「若干のお金」をその場で払えば入国できるようです。
「いくらくらい払うんでしょうか?」
とそのお客様にお聞きしたところ、
「さあ・・・200.000VND(800円)くらいではないでしょうか」
払ったという方が周りに居ないので、わからないのですが・・・
おそらく検査担当者への個人的な「付け届け」程度だと思われます。
ですので、担当者により金品の要不要、及びその額は異なりますので、何とも断定できません。
ただ、領収書は出ないと踏んでおいた方がいいかと思います。
夏は軽く40度を超える高温多湿のハノイです。
ノイバイ空港にペットを安全に一時保管できるスペースは、おそらく無いのではないでしょうか。
ですのでペットの「歩留まり」を極力避けないといけないでしょうし、チェックが入ったと言っても一時金の支払で抜けることができる程度だということです。
当然、ベトナムから出国しなければならないこともあるかと思います。
その際の「輸出検疫証明書」の発行にかかる流れなども、また次回ご紹介させていただきます。
繰り返しますが、出国される際、その国で取得する「輸出検疫証明書」が全てです。
これさえ間違い無く発行してもらえれば、ベトナムへの入国は大丈夫かと思います。
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