ベトナム発ビジネス情報雑誌「Access」への投稿記事をアーカイブさせていただきます。
順にバックナンバーをこちらのサイトでアップしていきます。
何を考え、どんな内容で書かせていただいているかは、こちらの稿で説明させていただいております。
ご参考ください。
なお、他のバックナンバーをご覧になりたい場合は、次のリンク先をご確認ください。
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ハノイリビングの田口です。
以前の投稿記事で、
について書かせていただきました。
2012年3月の古い記事です。
簡単に以前の稿で申し上げたことをまとめると、
- ベトナムでは外国人が結婚していないのにも関わらず、ベトナム人の異性と一緒に住むことは法律で禁止されています。
- アパートによって厳しい緩いの差はありますが、我々のような外国人がベトナム人の異性を部屋に招き入れ一泊させることも禁止されています。
要は法律で禁止されているということを先ずはご理解くださいね。
ここは「共産主義」の国ですので。
今日はこれを踏まえて、もう少し先のお話です。
若い独身男性がお客様で、アパートをご案内している時、私は常に頭に置いていることがあります。
それは、
「ベトナム人女性と夜な夜な楽しむことに、仕事と同じくらい高い優先順位を置いておられる方かどうか」
です。
なぜそんなお客様のプライベートを考慮に入れてアパートを探さないといけないのかと聞かれますと、
「24時間厳しい守衛がアパートをガードしているサービスアパートだと、そう易々と女性を自分の部屋にお連れできないからです」
という答えになります。
若い独身男性をご案内していると、綺麗で守衛常駐のセキュリティ固めのサービスアパートには目もくれず、多少高層でベトナム人家族もたくさん住んでいる古いアパートに目を輝かす方がおられます。
もう完全にそれ狙い・・・
直ぐに分かります。
こういうお客様のお気持ちを察して、いわゆる「セキュリティゆるゆるアパート」に即シフトチェンジしてお連れします。
大体即決めていただきます。
ちょっと無茶かな・・・とも思いますが、一応「ルール」はご説明させていただきます。
赴任期間中、無事にご勤務全うされることを祈るばかりです。
私共のお客様でペットを飼われている男性単身者様がおられます。
昼間は会社を取り仕切る超多忙な社長様です。
職場から程よく離れた距離のアパートに広めの部屋を契約され、空調に注意をしながら大切に室内で放し飼いされていました。
日本から連れて来た小さなワンちゃんです。
体が小さい分、ちょっとしたことで直ぐに病気になってしまうほど弱いプードルでした。
その後、日本には無いこちらのばい菌が体に入ってしまったのか、急に食欲が無くなり、咳が止まらなくなってきたそうです。
心配だったので、以前よりお付き合いしておられたベトナム人女性にカードキーを渡し、昼の間面倒をみてもらう為に部屋に入ってもらうことになりました。
それから暫くして、私に相談を持ちかけてこられたんです。
その内容は、
「アパートの守衛さんが、犬の面倒を見に来てくれるそのベトナムの友人を、にらみを効かせて怒鳴りつけてくるんです。最初は何も言われなかったのに・・・」
真面目な社長様です。
本当に助けて欲しくて、止むにやまれずお願いされたんだと思います。
何とかしてくれませんか、とわざわざ会社に来られ、私に訴えられました。
事情が事情だけに切実なお願いです。
何とかしてあげたいと思うんです。
しかしそのアパートの守衛さんが怒る気持ちも分かるのでちょっと考えてしまいます。
どうしてアパートの守衛さんが怒るのか。
正確には守衛さんだけが怒るのではなく、守衛さんを含むアパートスタッフ全員が頭を痛めて困ることなんです。
簡単に説明しますね。
まずベトナムのアパートに住む上で、覚えておかないといけない大前提が2つあります。
1つはベトナム人の異性を部屋に招き入れ、宿泊させるのは御法度であること。
悪気無くやっちゃっている方は、多少おられるかと思いますが、誰かに積極的に公安筋にチクられると・・・
受けた側はベトナムで仕事ができなくなることもあるということです。
これはもう皆さんご存知ですね。
もう一つ、これは大半の方がご存知ないことかもしれません。
アパート側の事情なのですが、
当初単身での居住と申告していたのに、1名以上で部屋を利用し始めた場合、家賃の追加請求を受けてしまう恐れがある
ということです。
たまに会社の出張者をホテルへ宿泊させる代わりに自分の部屋に泊まらせることがありますね。
これはOKです。
なぜなら出張ですから数日の短期間だからです。
パスポートのコピーをアパート側に提出していただければそれで問題ありません。
会社契約をしたアパートに、複数の社員を入れ替わり交代で住まわせること、これもOKです。
その理由は、部屋をご利用されているのは、常にお一人で契約書通りだからです。
しかし・・・
出張者を「短期間だけ」と断って部屋に入れ、1ヶ月以上ずっと2名で住み続けていたり、交代で入れ替わり立ち替わり1名で利用していたのに、急に2名で利用し始めたりすると・・・
アパート側は家賃アップを請求して来る事があります。
なぜだと思いますか?
ちょっと考えればわかりますね。
これは特にサービスアパートの場合によくある事例です。
通常サービスアパートの家賃の中には、ハウスキーピングサービス(掃除、洗濯)や水道料金、ベッドシーツや枕カバーと行ったリネン交換のサービスなどが含まれています。
急に2名で利用し出すと、利用する水の量も洗濯の量もリネン交換の頻度も倍になります。
また、部屋に備え付けている電気製品も1人より2人で使う方が傷みも早いですね。
部屋の汚れ方も当然激しくなりますので、ハウスキーパーさんの仕事量も増えます。
元から単身者向けに提供しているサービスアパートです。
2人で「ルームシェア」されることを想定していないんですね。
勿論1名で利用すると当初聞いていたので提示した家賃額です。
アパート側からすると、急に2名での生活となると・・・細かい経費が掛かってくるので、当初提示した家賃額に、若干の上乗せ請求を求めてくることになります。
急に増える1名が、大体の場合「ベトナム人女性」であることは、もう日常茶飯事ですね。
ひどい場合、お連れの女性に部屋の鍵を、長期間渡してしまう方もおられます。
カードキーならまだしも、通常の錠前なら簡単にコピーされてしまいますね。
セキュリティも何もあったもんじゃありません。
これは以前、実際にあったことです。
鍵をお連れさんに渡したまま、契約主の日本人が1週間ほど出張で部屋を空けておられたことがありました。
それから暫くして、そのアパートオーナーから苦情の連絡が入ります。
「どうもお客様のお連れさんが、部屋に住み着いて、ハウスキーパーが困っています。お客様に連絡して辞めさせてもらえませんか」
聞くと、そのお連れの女性が自分の部屋から服をてんこ盛り持ってきて、ハウスキーパーさんに洗濯をさせているというんです。
おまけに別の友達まで連れ込み、夜は大宴会・・・室内が汚れ放題です。
さすがのキーパーさんもこれでは割りが合わないと、オーナーに助けを求めてきた次第です。
大体こういう時に、室内の貴重品がなくなるんです。
後で発覚した時、疑われるのはハウスキーパーです。
キーパーさんは自分の生活を守るために真面目に一生懸命働いています。
もう・・・踏んだり蹴ったりな訳です。
今回の社長様のお連れ様は、そんなレベルの低い方では無く、生き物に愛を注ぐ日本人を助けてあげようと善意で動いてくれただけです。
しかし、守衛をはじめサービスアパートの関係者達は、外国人の部屋にベトナム人女性が出入りし始めるだけで、今までの経験から過剰反応してしまうケースが結構あるんです。
そして、法外な駐輪代を要求したり、身分証を取り上げたり、する訳です。
これはサービスアパートだからまだ良いんです。
必ずこういう形で何度か警告を入れてもらえるし、何より・・・よっぽどのことが無い限り、お客様を公安に通告したりはしません。
しかし・・・
冒頭の「セキュリティゆるゆるアパート」をあえて契約された方の場合。
守衛など「置物」と同じですので、機能していません。
もし同じようなどんちゃん騒ぎを引き起こしたりすれば、近隣住民から即公安へ通報されてしまいます。
そういうアパートはサービスアパートではなく、分譲マンションですので、各部屋ごとにオーナーが違います。
買ったベトナム人がそのまま家族で住むか、賃貸に出しているか、要は種々雑多な人達がバラバラに生活をしています。
自分達の静かな生活を妨げる居住者に対し、我慢など出来るはずがありません。
ましてや、それが外国人の部屋だというのなら・・・
何の躊躇もなく公安へ通告です。
「赴任半ばで強制帰国」の憂き目に合われた方、本当におられるんです。
守衛の傍若無人な冷たい対応に腹を立てられるお気持ちはよく分かりますが、これはアパート側の有り難い「防衛機能」が働いている、ということをご理解していただくしかありません。
無茶はしなくとも、家賃の追加請求を受けてしまう手前で、抑えていただければと思います。
ご注意を。
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