ベトナム発ビジネス情報雑誌「Access」への投稿記事をアーカイブさせていただきます。
順にバックナンバーをこちらのサイトでアップしていきます。
何を考え、どんな内容で書かせていただいているかは、こちらの稿で説明させていただいております。
ご参考ください。
なお、他のバックナンバーをご覧になりたい場合は、次のリンク先をご確認ください。
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ハノイリビングの田口です。
住環境の中で発生する「騒音と異臭」。
これを我慢して生活を続けることの出来る人は皆無ですね。
今回は「騒音」のトラブルについて実際にあったケースをご紹介します。
当社の仲介で、ある有名コンドミニアムにお住まいになられたAさん。
1年を経過し、とても快適なので翌年も更新していただくことになりました。
更新手続きを済ませてすぐ、真下の階に「迷惑隣人」が住み始めることになります。
何が迷惑かと言いますと・・・
若い10代くらいの男が2人、友達同士なのでしょうか、連日明け方まで奇声を発しながらゲームに高じるんです。
ご家族連れのAさんからたまらずクレームの連絡が入りました。
迷惑な話です。
夜中いっぱい、大学寮で麻雀のじゃらじゃらした音を夜通し聞かされる、隣の真面目な勤勉学生のような気分。
とても我慢できるものではありません。
早速管理会社に言って、注意をしてもらおうとしましたが、部屋番号が特定できません。
「下の階から声は聞こえる」
これだけでは分からないので、現行犯で踏み込み、取り押さえようということになりました。
しかし、ここからがストレスの始まりでした。
夜中の時間に警備員に踏み込ませようとしても、肝心の警備員が眠たいせいか、積極的に動いてくれません。
重ねて依頼して、なんとか1度踏み込みに成功したのですが、全く聞く耳など持たず、余計突っかかってくる有り様です。
ベトナムのマンションは日本では当たり前の「管理規約」というものが整っていませんし、管理組合などもありません。
そもそもマンションを買ったオーナーは、「賃貸料がいくら入ってくるか」しか興味など持たず、住民同士の民事的ないざこざなど全く無頓着です。
つまりは迷惑隣人を罰する規則が確立していないんです。
こうなると馬鹿どもが住んでいる部屋のオーナーに直談判して辞めさせるよう注意してもらうしかありません。
しかしオーナーの反応は、面倒臭そうな顔で、
「証拠を見せろ」
自分で夜中確かめようと動く事などしてくれるはずがありません。
さあ、社内で緊急会議を開きました。
ここで私は泊まり込み調査を敢行し、証拠ビデオを撮る作戦を決めました。
白羽の矢が当たったのはズッコケスタッフF君。頑張り屋の日本人現地採用者です。
ベトナム人の可愛い奥様をもらい、今まさに絶好調・・・
夜中のマンションを撮影すると言う指示に、彼が用意したのは、釣りでよく使う頭の懐中電灯。
良い具合に過剰反応してくれました。
あとは会社の8ミリビデオを渡して、2日間寝ずの張り込み潜入に一肌脱いでくれました。
結果、バッチリ撮影成功です。
録画再生して私も確かめましたが、気が狂ったような若者のドンチャン騒ぐ醜態が、玄関扉の部屋番号アップ画像を背景として音になって収められていました。
誰が見てもきちがい沙汰・・・
その夜中の馬鹿騒ぎ動画をそのままオーナーに見せ、ようやく重い腰を上げてもらいました。
そのオーナーが下した決断は、
「次やれば電気を切る」
完璧な対応でした。
昨日まで快適な住まいも、突如やってくる隣人によって最悪の住環境に転落してしまうリスクは、私達全員が持ちあわせています。
特に音や臭いの迷惑に対して、ベトナム人は慣れていないせいか、正直あまり動いてくれません。
「仲介手数料無料」と謳っている仲介業者は、まずここまでやらないと思います。
しかし我々は、やります。
ご安心を。
その後・・・
寝ずの見張り番をしてくれたスタッフF君が深刻な顔をして私に言います。
「すみません、嫁のfacebookが炎上しています」
聞くと夜に頭に懐中電灯、そして8ミリビデオを持って出ていった夫の様子を奥さんがfacebookに投稿したその書き込みに、
「絶対怪しい。普通じゃない」
どうしましょうと困り果てたF君に、
「日頃の行いだよ」
と一蹴いたしました。
日頃の行いに関係無く突然やってくる迷惑隣人に、くれぐれもご注意を。
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