Vol.2 外国人の『ベトナム不動産投資』の垣根が下がりました

ベトナムで渋く発刊されているビジネス情報月刊誌「Access」

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ベトナム発ビジネス情報雑誌「Access」への投稿記事をアーカイブさせていただきます。
順にバックナンバーをこちらのサイトでアップしていきます。
何を考え、どんな内容で書かせていただいているかは、こちらの稿で説明させていただいております。
ご参考ください。

なお、他のバックナンバーをご覧になりたい場合は、次のリンク先をご確認ください。

Access投稿記事バックナンバー一覧

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ハノイリビングの田口です。

改正住宅法が2016年7月1日に施行されました。
これで外国人によるベトナムでの不動産投資の垣根が大きく下がりました。

2008年のリーマンショックに端を発する、アメリカや日本に代表される金融緩和策の影響で、ダブついたお金が一気に成長著しいアジアへ流れ込みました。
不動産への投資に絞って考えると順に、

  • 中国
  • シンガポール
  • マレーシア
  • フィリピン

へ、次々と外資の投資資金が流入し、不動産価格の高騰を招きました。

インドネシアは国策で、今も外国人の不動産投資は禁止されています。
ミャンマーは国内インフラが未成熟で、様子を見る方が多いようです。

となると次に注目されているのは、ベトナムそしてインドです。

そのベトナムが我々外国人でも不動産を購入できるよう法改正を実施してきたわけですから、アジアに目を向けている投資家にとって一気に投資対象国となりました。
ベトナム政府が規制緩和に走る背景には、環太平洋経済連携協定(TPP)への参加を見越して、外資が活動しやすい環境の整備を急ぐ必要性があります。
今回の住宅法の改正ポイントを以下にまとめてみました。

不動産を購入できる外国人の範囲

  • ベトナム系外国人(ベトナムを出て外国でビジネスを展開する越僑)
  • ベトナムへの入国を許可されたベトナム系以外の外国人(ビザを持つ外国人)

購入できる不動産の範囲

  • ベトナム系外国人:住宅の種類や戸数の制限なく自由に物件を購入できる
  • ベトナムへの入国を許可されたベトナム系以外の外国人:国防・安全保障に関わる地域を除いて、ある一定の条件をクリアすれば集合住宅や戸建て住宅を購入することができるようになる

その一定の条件とは、

  1. 所有期間は50年まで(更に50年の更新が可)
  2. 集合住宅1棟に付き外国人が保有できる件数は、全戸数の30%以下
  3. テラスハウス・戸建て住宅の場合、外国人が保有できる件数は1街区につき250戸以下

なお、ベトナム人と結婚している外国人には、ベトナム人と同等の権利が与えられます。

お金にモノを言わせた特定の国による1棟丸ごとまとめ買いや、大規模開発された住宅をそのまま全て買い占めるなどという購入の仕方を出来なくしています。

例えば新築マンションを現地法人名義で購入しようとした時、その対象マンションは既に他の外国人(企業)により全体の30%分購入されていると、買えないということです。

当社にも7月の住宅法改正をにらんだ不動産購入のお問合せが入るようになってきています。
しかし外国人による不動産投資を妨げる要素も頭に入れておかなければなりません。

まず一つは、依然として残るベトナムの不良債権の存在と、規制緩和の実務は相変わらずの不透明な当局任せであるということです。

表向きはTPP参加に必要な規制緩和ですが、本音は外資を呼び込むことで、冷え込んだ不動産市況を活性化し、不動産価格の上昇を見込んでいます。
不動産価格の値上がりが、処理の進まない不良債権対策となるからです。
しかし、不良債権の原因は冷え込んだ不動産市況だけではありません。
一部の優良企業を除き、ベトナム国営企業の多くは赤字体質です。
グエン・タン・ズン首相(この稿を書いていた時はズン首相でした)も国営企業の民営化に注力していますが、やはり外資頼みの施策の域を出ていません。

「不動産の所有期間の更新については更に50年可能」

と規定されていますが、50年後果たしてどうなっているか全く不透明です。

次に不動産を購入した後の管理体制です。

  • 購入不動産のメンテナンスは?
  • 購入後の物件価値を高めるサービスをどう提案していくのか?
  • 賃借人付けを誰に任せるのか?

ここは私共が皆様にご提案させていただく分野となります。
既に購入されたお客様も生まれてきています。

攻めるか、様子を見るか、いずれにせよ素早い初動が成功の近道です。
ベトナムでの不動産投資について、出来るだけ木目の細かい情報を、今後も発信していきます。

よろしくお願いします。

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田口 庸生

田口 庸生 の紹介

初めまして、「ハノイリビング」営業担当の田口(たぐち)です。 日本より初めてベトナムのハノイに着任された日本の皆様、 愛するご家族を日本に残し、初めての「海外単身赴任」をこれから経験される皆様、 快適なハノイでの生活を満喫していただくために、皆様の「お住まい探し」から「入居後のサポート」まで一貫した「窓口対応」を請け負います。 「ベストマッチ」を合い言葉に・・・ どうぞお気軽にお問い合わせください。 お待ちしております。
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Vol.2 外国人の『ベトナム不動産投資』の垣根が下がりました への5件のコメント

  1. アンコムチュア より:

    改正住宅法が7月1日に施行されました。
    これで外国人によるベトナムでの不動産投資の垣根が大きく下がりました。

    私も不動産投資に興味を持っていますが、
    これは、今年の7月ですか?
    去年の改正は知っていますが、今年も垣根が下がったのでしょうか ?

    • 田口 庸生 田口 庸生 より:

      お問合せ有り難うございます。
      このAccess雑誌へのコラムは、1年前から投稿させていただいております。

      丁度この記事を書いたのは昨年末に当たりますので、2015年7月の改正住宅法のことを指しています。

      ややこしい書き方で大変申し訳ありません。
      本分に加筆して、説明を入れておきました。

      ご指摘いただき有り難うございます。

      ハノイリビング
      田口

  2. 宗 耕二 より:

    私は60歳過ぎてベトナムに来て一年になりますが、その前バンコクで6年、台湾で3年仕事してました。
    特にタイではバブル華やかなりし日のことを思い出しますが、今となってはあの時が「買い」だったのかと思います。
    ベトナムの不動産事情を分かり易く説明されていて、非常に参考になりました。
    法整備、社会主義などの周辺条件を考えますと博打的な側面もありますね。
    これからも判断材料として良質な情報提供を期待しております。

    有難うございました。

  3. 宗 耕二 より:

    最新情報期待します。
    特にred noteのことは興味あります。

    • 田口 庸生 田口 庸生 より:

      宗様

      コメント有り難うございます。
      長くベトナムで腰を据えてビジネスをしていきたいとお考えの方であれば、ハノイの不動産投資はお勧めです。
      ここは直接メールにてお話させていただきます。

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