ハノイリビングの田口です。
「Access」という月刊誌をたまに日本食レストランなどで見かけます。
が、スケッチやVetterといったフリーパーパーと違い、ターゲットを一般企業への配布に置いているので、店でお目に掛かる頻度は低いかなと思います。
企業経営者向けに編集された雑誌なので、レストランやラウンジの紹介記事は殆ど無く、主に企業の製品紹介やマネージャのための人材マネジメントの紹介、くだけてもゴルフ指南のコラムが有るくらい。
少し固いコンテンツで占められた雑誌です。
見開き2ページって、普通ならものすごい高い。
このAccessは実は見開き4ページ分を無料で掲載させていただけました。
2ページは日本語、もう2ページは同じ内容のベトナム語です。
当社のローカルスタッフ達は全員家に1部持って帰りました。
これでやっとハノイリビングが何をやっている会社なのか、世間様にたくさんある日系企業の中でもどんな特徴のある会社なのか、自分の親や配偶者に説明するためです。
それだけでも価値があると私などは思います。
新村さん、お声がけいただき有り難うございます。
あともう一つ。
このAccessで不動産全般に関するテーマで、「毎月記事を書いて欲しい」と依頼を受けました。
片側1ページを提供してくれるというんです。
「結構良いお値段するんでしょ」
聞くと、
「記事を書いて頂くので4分の1ページ分の帯広告料金だけで良いです」
と。
毎月1稿、日々起きる不動産業に関する記事ですから、何とでも書けます。
お客様のサポート業務にどっぷり浸かって対応させていただいておりますので、日々奇々怪々な珍事に見舞われるハノイリビングです。
記事ネタは豊富にあります。
そういうベトナムハノイで生活する為のコツというか、注意点を分かり易く説明する記事。
それは今までこのブログサイトでご紹介してきましたが、今後はもう一つ「Access」でも違った切り口で皆様にお知らせしていけるようになりました。
それもとても安い掲載費で。
広告料と原稿料の相殺取り引きのようなものですね。
新村さんの依頼に快諾いたしました。
頑張って書きたいと思います。
さて、私が書いたAccessの記事を改めて読み返しながら、最近立て続きに起きた「奇々怪々なクレーム」を思い出しました。
ここで皆様にも共有していただく目的で、簡単にその内容をお知らせします。
- 集中豪雨が吹き荒れた際、日頃のアパートに隠れている弱点が吹き出て即対応しないといけなくなる
- 酷暑の時期のエアコン不調に対し、修理をしようとしないベトナム人オーナーと日本人仲介業者
この2点の実際に最近あったお話しです。
今日はこの2件のクレーム対応について、書かせていただきます。
昨日は午前中からっと晴れた青空でしたが、夕方急に空が黒ずんできたかと思うと、凄い暴風を伴った集中豪雨が通り過ぎていきました。
私はいつものように近くの「HIGHLANDS COFFEE」でMac Bookと格闘をしていましたが、いきなり停電です。
WIFIモデムも停電でつかえなくなったようで、結局インターネットがつかえず、だるまさん状態になってしまった時です。
携帯の電話が鳴りました。
お客様からです。
嫌な予感がしました。
集中豪雨の真っ最中の電話です。
穏やかな話で有るわけがありません。
INDOCHINA PLAZAという新しいコンドミニアムにお住まいの奥様でした。
「すみません、助けてください!ベッドルームの窓が閉まらないんです・・・」
おそらく前に押し出す形式の窓です。
この暴風雨ですから、下から強風が吹き上がってきて、窓を手前に引き寄せられない様子です。
窓から風と共に雨が吹き込んできている時に、ポケットにあった携帯電話から決死の思いで私の携帯へ連絡をされたことが話の中で見えてきました。
「ちょっと待ってください、すぐにワーカー手配して部屋まで行かせますから」
外を見ると少し風雨は落ち着いた感じがしましたが、すぐにマダムHuyenさんへ連絡を入れましたが、電話に出て来ません。
時計を見るともう土曜日の夕方4時頃です。
土曜日ですので昼までで仕事は終わっています。
この雨でスタッフ達も何か対応を迫られているのかも知れません。
Hongちゃんは・・・新婚旅行中です。
どうしても夕方6時にお客様と会う約束をしていた私は、すかさず花ちゃんへ電話を入れました。
若きホープ橘(たちばな)君こと「花ちゃん」の電話応対率はほぼ100%です。
こういう緊急時には本当に頼もしい。
「済まんが今からINDOCHINA PLAZAへ走ってくれ。1階にいる守衛を捕まえて、とりあえず部屋まで上がってくれないか」
花ちゃんに経緯を説明し電話を切った後、またすぐにその奥様から2回目の電話が入りました。
「いまようやく・・・窓を閉めることが出来ました。
この窓、鍵を締めていたのに風で開いたんです・・・もう怖くて。申し訳ないですが今からすぐに窓が開かないよう完全にクローズにしてもらえないでしょうか」
声を震わせながらでしたので、相当怖い思いをされたんだと思いました。
橘が今向かっていることを伝え、来週早々に窓の鍵の修理をさせることはもちろん、今すぐの対策として紐か何かで窓を一時的に固定させることを約束した私は、安心していただいた奥様の声を聞きながら電話を置きました。
ハノイの気候は極端です。
豪雨が長く続くと今度は道が冠水します。
暴風が吹くと、街の街路樹がバキバキ折れて道を塞ぎます。
そして停電がやってきます。
昨日の大雨で停電になった範囲は、私が知っている範囲でHoan Kiem(ホアンキエム)からKim Ma全域でした。
相当広い範囲です。
最近、エアコン不調のクレームをたくさんいただきます。
毎年恒例なのですが、正に今はエアコンがフル稼働する時期ですので、無理がたたり、日頃問題を抱えたエアコンが悲鳴を上げ出す訳です。
半年くらい前から当社がご紹介したアパートに住むお客様からこんなクレームを頂きました。
「最初からおかしいなとは思っていたんですけどね、エアコンの効きがずっと悪かったんですよ。
段々それがひどくなって、昨日とうとう動かなくなりました・・・
暑くてどうしようも無い、なんとかならんですか」
この酷暑の5月6月にエアコンが使えないというのは、非常事態です。
すぐにオーナーに言って対応させないといけません。
お客様から上のエアコンコントローラーの写真を送ってくれました。
「なぜか分からないんですが、数週間前からコントローラーに赤ランプが点灯し出したので、何か関係があるかもしれませんね、とりあえず写真送っておきます」
そういうメッセージと共にお客様からいただいた写真です。
実はこのコントローラーのエラーメッセージは、
「室外機の異常」
を示すサインだったんです。
速やかに対応しないといけなかったんです。
ワーカーに見させた結果、大型室外機のモーター部分(心臓部)の故障であることがわかり、直すのに1,500ドルほどかかるとオーナーから連絡が入りました。
オーナーにしても大きな出費です。
おまけにその部品がハノイには無く、ホーチミンから取り寄せないといけないと言うことになり、直せるのは2週間から3週間後だという回答がオーナーから帰ってきました。
こんな回答をお客様に説明できる訳がありません。
ご入居当時から調子が悪かったんです。
今まで騙しだまし使って来た経緯があります。
「ベトナムだから、まあこんなもんなのだろう」
そう諦めておられたのですが、実は故障だったんです。
これは逆に早めに当社に教えていただき、オーナーにチェックさせた方が良かったという例です。
「赤ランプ点灯サイン」に反応しなければならなかったんです。
オーナーの元にマダムHuyenさんと出向き、説得をしました。
「室外機の心臓部分のモーターが故障なのは仕方が無い。ハノイに在庫がないというのはおかしい。
ダイキンが直接動力モーターの在庫が無くても、ダイキンエアコンの代理店を探せば、持っている店があるかもしれない」
しかし、オーナーは面倒な手続きを嫌がります。
夫婦揃って私達の前で非協力的な素振りを示し続けている様子に、私は切れてしまいました。
「この暑さでエアコンが全く効かないということは、契約書に書いてある『生活上安全な環境を賃借人に提供しなければならない』という貸し主の義務の不履行になる。
お客様が怒ってホテルに泊まりだした場合、その宿泊費の負担はオーナーが負うことになるんだぞ!」
ここまで言っても、1,500ドルという負担額に怖じけ就いているのか、扇風機の購入で対応できないかというような妥協案しか出さないオーナーに私は、
「あんた達にも子供がいるだろう!お客様には2人の娘様がいるんだ。あんた達の子供が住むアパートが同じ目に遭って、エアコン修理に2週間かかると言われて『はい分かりました』と回答するのか!
そんな薄情な親がどこにいるんだよ、良い加減にしろ!」
Huyenさんも通訳に困ったことと思いますが、オーナーには某か通じたみたいで、もう一度代理店を当たってみると約束してくれました。
それからその日の夜に、オーナーから連絡があり、在庫が見つかったので、
「明日お客さんの部屋に取り付けに行かせる」
と回答をしてくれました。
貸家業を専門にしない、他にビジネスを持った個人オーナーにとって、自身が貸したアパートのエアコン修理など面倒な些事としか考えないのが通常です。
ここがサービスアパートと個人オーナーの所有するローカルアパートとの決定的な違いです。
仲介手数料が無料だと唱えている仲介業者なら、この場合、
「オーナーがお金を出さないので修理できません」
この一言で終わってしまいます。
そんな面倒な交渉などに時間を掛けないのが普通です。
結局そんな場合、お客様が自分の負担で契約アパートの故障電気製品を交換しなければならなくなります。
これが「仲介手数料無料」の実態です。
ここでご紹介したお話しは、日々ハノイリビングで繰り広げられている対応事例です。
普通に行っています。
日本で受けることができるサービスをここベトナムハノイでも普通に提供すること
これがそんなに価値のあることではなく、私は当たり前のことだと思い、スタッフに指示を出しています。
しかし、お客様からお聞きする話をまとめてみると、「オーナーの伝書鳩係」をただやっている不動産業者がいかに多いか・・・
全ての業者がそうだとは言いません。
例えばホーチミンを本拠に、日本人相手の不動産仲介業を真面目に取り組まれている、RESS不動産の松本さん。
彼の熱心な営業サポートは、ハノイにいても耳に聞こえてくるくらいです。
私はいつもホーチミンで良い業者さんを紹介して欲しいと言われると、この松本さんをご紹介することにしています。
一度ハノイに来られ、お話ししたことがあります。
とても誠実な好青年です。
安心して託すことができるんです。
ハノイの家賃は高いです。
高いが故に、オーナーと家賃交渉を粘り強く続けて下げてもらうことが我々の仕事の一つかと考えています。
と同時に、わざわざ日系業者に連絡をして来られるお客様の要求は、
「日系だからやってくれるだろう」
これが絶対気持の中に入っているはずです。
共に日本人が手を携え、助け合うことが大事だと思います。
仕事をこなす前に、住む家の環境が悪ければ、仕事にならないのは当たり前です。
それを守るのが日系不動産仲介業者の一番の仕事です。
当たり前のことを、正確にこなす、これを今まで以上、スタッフに徹底させて継続していきたいと思います。
「日系です」という自己紹介でお客様を裏切ることのないように。
・・・もうかれこれ8時間くらい、Cafeでキーボードを叩いています。
お尻が痺れてきました。
周りは全員ベトナム人の若い女性になってしまいました。
日本人は私一人です。
撤収します。
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