ハノイリビングの佐々木です。
日本の眼科病院が、Truc Bacn(チュックバック)湖近くのエリアにオープンします。
その名も「Japan International Eye Hospital(日本国際眼科病院)」です。
場所は、ソフィテルプラザハノイのすぐ近くです。
そしてここに投資しているのが、日本ではメガネ店「パリミキ」でおなじみ、三城さんです。
また、「ベトナムの赤ひげ先生」服部匡志先生も、ここで治療にあたることになっています。
これだけでも期待大ですね。
服部匡志先生といえば、これまで12年間、ベトナムの人に無償で目の手術をし続けてきた方です。
その功績が認められ、ベトナムで勲章などももらっていて、大変な有名な眼科医です。
腕が確かと評判の先生の手術を受けたいがために、ベトナムの政府高官が日本まで訪ねていくこともあるそうです。
そんな服部先生が、1カ月のうち数週間になりますが、ここ日本眼科病院で治療活動をすることになっています。
三城さんはもともと服部先生の活動に対して高い関心を持っていました。
自社の販売金の一部や商品を、服部先生が中心となって設立した「NPO アジア失明予防の会」活動のために寄付したりしていたそうです。
目に関わる企業として、眼科医をはじめとした医療関係者を助けたいという気持ちを持っていたためです。
そこで去年からハノイで開院へ向けての準備を始め、11月中に、オープンする予定となりました。
医師は5名、看護師は約18名、それぞれいます。
服部先生以外の4人の医師は、ベトナム人です。
ロシアの医学大学卒の方から視力矯正のパイオニアとして有名な方まで、腕は確かな医師が揃っています。
患者の主要ターゲットはベトナム人です。
が、もちろん日本人をはじめとした外国人が来院して治療を受けることも可能です。
受付や一部医師は英語が可能です。
その他の先生とも、通訳を介して英語でコミュニケーションをとることができます。
また、日本人スタッフが通訳としてつく体制を整える予定もあるそうです。
これなら日本語で症状を詳しく説明できるので、安心ですね。
単に言葉が通じるだけではありません。
最新の設備を完備している点も、この病院の特徴です。
本当に最新揃いです。
取材中に何度も驚かされたくらいです。
それもそのはず、日本ですら、これだけの設備が完備されている病院もそうそうないそうです。
充実の設備を紹介する前に、まずは建物の構造をご紹介しましょう。
1階:受付、待合室
2階:診察室、検査室
3階:診察室
4階:検査室
5階:手術室
6階:病室
7階:事務所
1階で受付をしたら、まずは2階で視力や眼圧の検査を行います。
どんな症状であるにしろ、眼科にとって視力や眼圧は基本的な患者情報となるものです。
ここの患者さんであれば、誰でも最初は検査を行います。
視力検査は、専用の機械で行います。
最新式の機械なので、検査する側が手動で検査を行うということはありません。
そのため、間違いのないデータを収集できます。
診察室にも、コンピュータや検査用機械が設置してあります。
診察しつつ目の状態を撮影した写真は、すぐにモニターに映し出されるようになっています。
こうすることで、患者も自分の目がどんな状態なのかを見ながら、医師からの説明が受けられるんです。
撮影された写真や診察データは、病院内のネットワークで共有されます。
診察室だけではなく、各階にある受付デスクのパソコンのほか、iPadでも随時チェックが可能。
患者データを、スタッフ全員が、いつでもどこでも共有できます。
スタッフが担当以外の患者について、まったく知らないということがないので安心できます。
4階にも、検査機械があります。
2階にあるような視力検査の機械よりも、さらに詳しい目の情報を検査できるものです。
2つ並んだこの機械、何だと思いますか?
これは、網膜と角膜の厚みを測定するものなんです。
たとえばレーシックを行う際に活用できます。
レーシックは、目のレンズをレーザーで削って視力回復をさせます。
こうした過程を踏むので、レンズにある程度の厚みがないとできません。
2つの機械は、こうした手術を前にした人のために使うものなんです。
このほか、4階には血液検査の機械もあります。
患者が糖尿病にかかっていないかなどを把握するためです。
糖尿病というのは、視力や目の状態も左右するもののようで、一度検査が必要な人もいるようです。
さて、5階を見て行きましょう。
5階にはレーシック手術用の機械のある手術室と、その他手術用の機械のある手術室があります。
ここで、大抵の眼科の手術ができるようになっているそうです。
まずはレーシック用の手術室です。
手術台の周りに、大きな機械が2つ並んでいました。
機械に印刷されている「ZEISS」の文字。
そう、カメラレンズでおなじみ、ドイツ「カールツァイス」製なんですね。
カールツァイスは医療機器でも、かなり進んだ先端技術を持っている会社なんです。
これらの機械のうち1つは、大変な先端機器で、アジアではここにしか置いていないそうです。
アジアで1台きりです。
そんな貴重な機械に、ハノイでお目にかかるというのも、思いがけないことでした。
ちなみにこれら2つの機械は、先端機器だけに、かなり精密かつデリケートです。
周辺の温度も22度以下に保たなければならないんです。
ですので、レーシック手術室に足を踏み入れると、ちょっとひんやりします。
いずれの機械も顕微鏡、コンピュータ搭載。
手術台を覆うくらいの位置に、レーザーをあてる部分がついています。
単純そうに見えて、かなり高性能な機械だそうです。
常に動く患者の目を正確に追い、狙った位置にレーザーをあてることができます。
「目にレーザーをあてる」
というとちょっとこわいですが、それだけにこうした精密な機械を導入しているというのは安心材料です。
ところで、レーシック患者すべてが、機械2台で手術を受けるわけではありません。
金額や患者の目の状態によって、2つ組み合わせて使ったり、どちらか1つだけ使います。
このあたりは、事前に医師に相談しましょう。
そして、もう1つの手術室です。
ここでは白内障や緑内障など、さまざまな目の手術を行います。
大抵の目の病気に対応しています。
こちらも、最新の設備が揃っています。
中でも、写真でロボットのように見える、画面のついた機械があります。
これは実際に手術を行う際、様々な手術の動作を行うための機械です。
画面下の、四角く黒いスペースには、差込口がいくつもついています。
この差込口に手術用の道具を差し込んで手術にあたります。
そう、今はすべてこうした精密機械によって手術を行うのだそうです。
こうすることで、目という緻密な部分をより繊細にケアできるんですね。
目の手術をしたことのない私は、これほど眼科が進化しているとは思いませんでした。
ここでの手術の様子は、手術用機械についているカメラで映し出されます。
この映像は、手術室にある大画面で確認できるだけでなく、6階にある待合室でも見ることができるんです。
家族や友人が、手術の様子を見守りたい場合には、別室の大画面でいつでも見られる用意が万端です。
病院なので、入院できる病室も備えています。
全部で3部屋。
窓が大きくとってあり、チュックバック湖を一面に臨められるのが特徴です。
のどかな風景で、とても心落ち着きますよ。
さらに、ここの特徴は、設備や最新の機械だけではありません。
日本の病院らしく、お客様へのおもてなしも、しっかり教育されています。
私が病院に足を踏み入れた時、受付の人たちが挨拶と笑顔で迎えてくれました。
病室などですれ違う看護師や医師の人たちも、笑顔で会釈してくれます。
ちょっとしたことですが、気分が良いものです。
ハノイには笑顔も挨拶もない病院もあることを考えれば、行き届いていることが分かると思います。
そして、ここは1週間7日営業、つまり休みなしです。
時間は、基本的に19時まで診療対応をしてくれます。
平日昼間に時間が取れない会社員や、お休みが不規則な仕事に携わる人には、とくに嬉しいですね。
ここで、日本国際眼科病院の一部の価格をご紹介します。
オープン前の時点での価格なので、後で変わる可能性もあります。
・服部匡志先生による診察(初診):50万VND/23.81USD
・服部匡志先生による診察(1カ月以内の再診):35万VND/16.67USD
・Hung院長による診察(初診):15万VND/7.147USD
・Hung院長による診察(1カ月以内の再診):10万VND/4.76USD
・その他の先生による診察(初診):10万VND/4.76USD
・その他の先生による診察(再診):8万VND/3.81USD
・基礎検査(視力、眼圧など):10万VND/4.767USD
・コンタクト無しの場合の眼圧検査:5万VND/2.38USD
・角膜内皮顕微鏡検査:10万VND/4.76USD
・IOLマスター(目の長さ測定):10万VND/4.76USD
・メガネの度数合わせ:5万VND/2.387USD
・レーシック用診察:50万VND/23.81USD
・専門家による診察:10万VND/4.76USD
(外部の医師に応援で入ってもらい、この医師から診察を受けた場合の金額)
以下は、日本国際眼科病院の概要です。
Japan Internationsl Eye Hospital(日本国際眼科病院)
・住所:32 Pho Duc Chinh, Ba Dinh, Hanoi
・電話:04-3715-2666(英語、ベトナム語。正式オープン後は、日本語対応電話もできる予定)
※電話予約の必要はありませんが、あらかじめ予約をした方が確実です。
・診療時間:08:00~12:00/13:00~19:00
・休診日:ベトナムの祝日、テト
位置を、地図でご確認ください。
今は正式オープン前のスタッフのトレーニング期間です。
本格的に患者さんを受け入れているわけではありません。
病院の本格運用前のテストとして、スタッフの知り合いなどを中心に診察を受けており、その他の方は簡単な相談があれば受け付けています。
相談したい場合は、まずは電話をしてみてください。
できれば11月頃に正式オープンして、病院が本格的に稼動した後の方がお勧めです。
ところで、日本眼科病院の出資者は三城さんであることを、最初に伝えました。
ここで期待してしまうのが、
「パリミキがハノイにもやって来る?」
ということです。
そうです、やって来ます。
現在、病院の1階部分にお店のスペースが確保されています。
私もメガネ利用者の1人として、日本のメガネショップは心待ちにしていました。
質とセンスの良いメガネを紹介してくれ、視力のことについても相談できる、信頼できるメガネ屋さんを求めていたんです。
オープンは今年中の予定です。
1号店オープン後も、支店を拡大してく予定とのことで期待できます。
メガネやコンタクトレンズをしている人、目の病気に悩まされている人、視力回復を目指したい人など・・・「目に関することならここ!」と言える場です。
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佐々木さん、取材ご苦労様です。
凄い眼科病院ですね。これなら私達日本人や西洋人の方々にも充分納得させることのできる設備です。
また、眼鏡も「メガネの三城」がきてくれるなら安心です。
昨日あるお客様から
「最近老眼がひどくなって、老眼用のコンタクトを日本から持ってきてましたが紛失しまして・・・」
困っておられました。
メガネはありますが、コンタクトはハードだソフトだと好みも形状も違うと思いますし、ましてや「老眼用」となると日本に帰るしか手に入らないですね。
もしこちらの店で取り扱って頂けるようでしたら、助かる方々はかなり多いと思います。
また、継続取材お願いします。
詳しい説明をしてくださるのでとても助かります。
NK様、コメントありがとうございました。
取材記事の時は、読者の方が設備や雰囲気をなるべく詳しく把握できるよう、写真を多用して細かな説明をするようにしています。
とくに今回は開院前の施設の紹介で、ほとんど足を踏み入れた人がいない所なので、詳しい説明を心がけました。
病院の担当者の方いわく、ベトナムでは衛生環境や病院の設備不足で、眼病にかかってもなかなか治療できないケースが多いということでした。
慣れない海外に住む私たち外国人もそれは例外ではありません。
眼病ではなくとも、定期的な検査やメガネ・コンタクト着用の人には待ちに待った施設ですね。
「メガネのパリミキ」オープンの際には、目の検査も兼ねてぜひ足を運んでみていただければと思います。
はじめまして、奈良に住む阿部と言います。先日、服部匡志先生の番組を拝見させていただきました。父の「人の役に立ちなさい」という言葉を実直に守られて行動される姿に感銘を受けました。日本国内と富裕層の患者さんを手術して稼いだお金で、ベトナムの貧しい方々の目を無償で手術されておられます。ベトナムの患者さんの目が見えるようになって、その方が本当に喜んで笑顔になると、服部匡志先生は「本当は僕の魂の方が救われているんだよ」とおっしゃっています。実は、私の父が緑内障で片目が見えなくなっています。父がこの番組を見て「この人が緑内障も直せたらなあ・・」とさみしそうにつぶやきました。この番組が全国ネットで放送されたかは知りませんが、この番組を見ていたすべての緑内障を患っておられる方々は相当数おられ、同様に同じように切実な思いでテレビを見ておられたことと伺えます。このコメントが、何かしらの手段で直接服部匡志先生の耳に入ることを願っております。また、ベトナムにも緑内障の患者さんはおられると思います。服部匡志先生は世界でトップレベルの腕をお持ちだと聞きました。服部匡志先生が何かのきっかけで緑内障の治療にも取り組まれることを願っております。ですが、「今そんな事をしている時間はない」と言われる覚悟でのお願いです、ですので、なんらかの小さな形からでも構いませんから、どうか足を一歩だけでも踏み込んでほしいと願います。新たな目の光が見えますようにと祈っております。
ぶしつけなお願いで、どうもすみませんでした。
嘉範